谷田部智子行政書士インタビュー【4】「補助金と融資、業務の違いは何ですか?」

栃木県・下野(しもつけ)市と、東京・銀座でご活躍の行政書士・谷田部智子さん。 
栃木県ではおもに行政書士として、東京では経営コンサルタントとして活動しておられます。

谷田部さんの事業のメインは補助金申請および採択後のフォロー・請求ですが、
2018年、融資サポートを学ぼうとネクストフェイズのセミナーや講座を受講。
一般社団法人融資コンサルタント協会SP融資コンサルタント認定後、
見事にはじめての融資案件を成功に導きました。
現在も補助金業務と平行して、新しい融資案件に取り組んでおられます。

融資実行の経験を通して、
ひとりの仕事人として自信をもてるようになったとおっしゃる谷田部さんに、
行政書士が取り組む融資サポートのリアル、補助金申請との違いなど、
詳しくお尋ねしてきました。

いつものように5回連載でお届けします。聞き手はネクストフェイズ編集部ですが、
取材に同席していたネクストフェイズ代表・東川もときどき発言しています。

●谷田部智子さんプロフィールはこちら

谷田部智子政書士インタビュー(全5回)
「補助金と融資、業務の違いは何ですか?」
【もくじ】
1/なぜ行政書士が融資サポートを?
2/日本政策金融公庫との面談
3/補助金申請と融資申請の違い
4/補助金申請サポートから顧問先化
5/たとえ国の補助金がなくなっても

第4回  補助金申請サポートから顧問先化

―――  まず、そもそも谷田部さんに「補助金を」お願いしたときの料金をお尋ねしましょう。

 

谷田部  補助金申請の着手金10万円、成功報酬は金額の10%です。

 

―――  そういった補助金申請サポートでも、1回限りのおつきあいで終わらないと?

 

谷田部  私は半々くらいです。実は、採択後のフォローや、補助金の請求業務を、比較的控えめな実費料金でさせていただいていまして…。

 
―――  採択後のフォローと、請求業務を。

谷田部  補助金に採択されても、いったんは自社で立て替え、中間と実績報告をちゃんと出さないと、実際の請求ができません。しかしその中間と実績報告を私にお任せいただければ、よく顔を合わせることになります。そのフォローをしている間に、次の補助金をご提案してご依頼いただいたり…といった流れです。

 

東 川  補助金の「請求」も実費ですか?

 

谷田部  はい、実費です。

 

東 川  良心的ですね。というのも、補助金で大事なのは、採択された後に企業が一度お金を立て替えて、その補助金をもらうために「請求」せんとアカンこと。ここを谷田部さんにお任せできるのは、企業にとっても助かるでしょう。じかも実費ですから。まず申請時に着手金、採択されたら成功報酬…普通だったらそこで終わりにする専門家、多いですよ。

 

谷田部  私は、企業にちゃんとお金が入るまで見届けたいんです。

 


●「仕事の情報源としては、補助金情報も多いネクストフェイズのメールマガジン、
また所属している融資コンサルタント協会のメールマガジン、
またフェイスブックの全国士業ネットワーク
…あたりでしょうか」(谷田部)

申請して、採択されて、請求して、入金されるまでが補助金サポート

 

谷田部  申請書に書いた計画通りに実施して、中間と実績報告をちゃんと出さないと、補助金を請求できないですよね。ところがここが結構煩雑で、請求を諦めちゃう企業さんも多いんです。

 

東 川  採択されて専門家に成功報酬を支払って、実際には補助金は請求せんかった企業さん、結構あるねん。

 

谷田部  採択された後の作業が細かくて大変なんですね。そこを実費でリーズナブルにフォローさせていただくことで顔を合わせる機会が生まれ、「御社が利用できそうな補助金がほかにもあるんです」とご提案したり。

 
―――  請求ってそんなに細かいんですか。

谷田部  補助金請求の相手にもよりますが、分厚いマニュアルが送られてきて、行がズレているだけでもやり直しとか、全角か半角かといった点までチェックされることもありますよ。

 
―――  そんなの素人には無理。

谷田部  社長さんご自身はそんなお時間ないですし、あまりの煩雑さに事務員さんから「社長、もうお願いだから次は補助金を取らないでください」と言われたりすることもあるんです。社員さんの貴重な時間が取られるぐらいだったら、私にお任せいただけたら…。細かいこともさせていただいていますし。

 
―――  細かいこと?

谷田部  たとえば計画と違う機械を買うと補助金請求できなかったりするので、事前相談をお受けしたり。「これをやっちゃったらマズい」といったリスクはあらかじめ回避できるよう、ていねいにフォローさせていただいています。

 
―――  計画と違う機械を…。

谷田部  業界での商習慣などもあって、機械変更くらい大丈夫だろうと思う経営者さんもおられます。そのあたりからフォローさせていただければ、きちんと補助金が請求できますよ。補助金が入ればキャッシュフローにも余裕が出ます。もちろん経常利益にも跳ね返ってきますので、そこでご満足いただいて、また次もご依頼いただく…という循環です。

 

東 川  ホンマはそこまでやって補助金のサポートやけどね。「補助金の申請はしても、請求はしません」という専門家が自分の業務をそこに置くことについて、僕は理解できる。自分の業務を規定するのは大事なことやから。けれど、そもそも補助金サポートの意味って「企業に補助金が入金されてこそ」と思うこともあるねん。だから…。

 


●「令和元年の第一次もの補助は準備期間が短くて」
「募集前から準備していないと応募できなかった」「そういえばこんなケースがあって」
…と補助金話で楽しそうに盛り上がるふたり

補助金は、採択されやすいコツと請求しやすいコツが要る

 

東 川  だから、できたら請求時にあんまり煩雑な資料が必要な内容にしない方がいい。たとえば僕、ずいぶん前に小規模事業者持続補助金申請したとき、科目を4つぐらい入れてしもて。そしたらその4つそれぞれに、見積書・発注書・受注書・請求書・領収書…全部用意せなアカンかってん。

 
―――  それは煩雑…。

東 川  そのエビデンスも、たとえば広告宣伝費やったら、どんな広告をどの媒体で打った…というリストまで作らんとアカンからめっちゃ面倒やった。採択されるコツと同時に、請求がラクになるコツも大事。

 
―――  請求がラクになるコツ、具体的には。

東 川  何でもかんでも計画に入れないこと。申請書に入れることで、たとえば20万、30万上乗せで多めに補助金をもらえるかもしれへんけども、その20万、30万を請求するための事務手続量を考えたら、割に合わないことも多々ある。それやったら最初から科目を削った方がエエんや。

 

谷田部  そうですね。たとえば原材料費まで申請しますと、請求時に「1日に○グラム使いました」みたいな帳簿が必要です。だったら機械は補助金を利用して買ってもいいけれど、あまり大きい金額じゃなければ原材料費は申請に入れなくてもいいのでは、といったケースです。

 

東 川  事務ボリュームを考えたら、そうアドバイスする方が親切でしょうね。

 

谷田部  また人件費を申請するなら、日報を書かなきゃいけなかったりするんです。そういうときはあらかじめお伝えします。「人件費が入っていますが、請求時に日報が必要になりますよ」と。

 

東 川  「日報はスタッフが書くから大丈夫」って言われても、あまりに煩雑だとスタッフのモチベーションが下がるんです。「目先の金よりも、スタッフのモチベーション上げて売上をアップさせる方がエエでしょ」って言わなアカン。

 

谷田部  そのとおりですね。その分、売上アップにエネルギーを回していただいた方が建設的です。

 

自信がつけば、値下げ要請に応じなくて済む

 

―――  融資の話に戻りましょう。今回の融資サポート案件で谷田部さんが得た「実り」は。

 

谷田部  たくさんあります。顧問先を持てた、顧問先が増えた客単価が上がった、売上・年収が上がった、意外にも補助金申請サポートの仕事を紹介されることが増えた、ひとつの企業を多角的に支援することができるようになり、経営者からの信頼が増した…。でもいちばんは…。

 
―――  いちばんは?

谷田部  今回の案件で東川さんから手厚くフォローいただいたおかげで、行政書士・融資コンサルタント・仕事人として、自信がついたことです。それまで一人で、職人気質でやってきましたので。

 

東 川  ……。←褒められて急に黙る

 

谷田部  今までは事業計画書の作成などでディスカウントされて、それに応じるようなところがあったんです。長年やってきたプロなのに。

 


●「事業計画書づくりのプロ」と大きく書かれた谷田部さんの名刺。
それでも値下げに応じざるを得なかったころもあったとおっしゃいます

谷田部  でも、もう自信がつきました。ちゃんと定価でご提案して、それでご縁がなかったら仕方ないと思えるようになったんです。

 

東 川  ……。←まだ照れている

 
―――  融資案件を成功させて、大きな成果を手にされましたね。

谷田部  はい、やはり融資サポートというのは中小企業にとって…。

 

(融資サポートを成功させた谷田部さんならではの結論は? 第5回に続きます)

谷田部さんの融資サポート-第4回

 
今回の融資サポート概要をまとめました。

顧客業種 研究開発企業
希望融資額 2000万円
金融機関/融資制度 日本政策金融公庫/中小企業経営力強化資金
着手から結果までの期間 3ヶ月
経営者との面談 5回
お預かりした資料 決算書、会社概要、代表者経歴、半期分の経理書類、技術ノウハウ、特許取得情報

実際の提出書類、添付資料

事業計画書(3枚)、融資相談依頼書兼経営計画書、資金繰り表、損益計画書、試算表

第1回面談(融資課長)

約1時間。「売れる根拠」「契約書」「競合との差別化」「市場で自社商品が選ばれる理由(売れる理由)」などが求められ、次回までに詳細な資料を作成

第2回面談(審査担当者)

約1時間。どちらかといえば内部の稟議を通すための面談

報酬

着手金15万円(税別)、成功報酬は融資額の5%(着手金を含む)


 
谷田部智子政書士インタビュー(全5回)
「補助金と融資、業務の違いは何ですか?」
【もくじ】
1/なぜ行政書士が融資サポートを?
2/日本政策金融公庫との面談
3/補助金申請と融資申請の違い
4/補助金申請サポートから顧問先化
5/たとえ国の補助金がなくなっても


 

 
 
 

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