栃木県・下野(しもつけ)市と、東京・銀座でご活躍の行政書士・谷田部智子さん。
栃木県ではおもに行政書士として、東京では経営コンサルタントとして活動しておられます。
谷田部さんの事業のメインは補助金申請および採択後のフォロー・請求ですが、
2018年、融資サポートを学ぼうとネクストフェイズのセミナーや講座を受講。
一般社団法人融資コンサルタント協会SP融資コンサルタント認定後、
見事にはじめての融資案件を成功に導きました。
現在も補助金業務と平行して、新しい融資案件に取り組んでおられます。
融資実行の経験を通して、
ひとりの仕事人として自信をもてるようになったとおっしゃる谷田部さんに、
行政書士が取り組む融資サポートのリアル、補助金申請との違いなど、
詳しくお尋ねしてきました。
いつものように5回連載でお届けします。聞き手はネクストフェイズ編集部ですが、
取材に同席していたネクストフェイズ代表・東川もときどき発言しています。
●谷田部智子さんプロフィールはこちら
谷田部智子行政書士インタビュー(全5回)
「補助金と融資、業務の違いは何ですか?」
【もくじ】
1/なぜ行政書士が融資サポートを?
2/日本政策金融公庫との面談
3/補助金申請と融資申請の違い
4/補助金申請サポートから顧問先化
5/たとえ国の補助金がなくなっても
第1回 なぜ行政書士が融資サポートを?
――― 長らく栃木県庁に勤めておいででした。
谷田部 行政職として、補助金を作ったり、ベンチャーさま支援や異業種交流の場を設けさせていただいたりしていました。あとは産業政策でしょうか。栃木県のものづくり企業さまの活性化計画を作って補助金でご支援する…という仕組みを作ったり。
――― やりがいのあるお仕事です。
谷田部 はい、その、ものづくりの中小企業を支援する部署で、熱くなってしまったんです。
――― ものづくり企業のご支援で熱く。
谷田部 はい、中小企業の社長さんたちが、たいへんなご苦労をされているなと実感しました。ものづくり技術の素晴らしさに感動して、ずっとご支援できるような人間になれたら…と。
――― 県庁で同じ業務が続けられたらよかったのですが。
谷田部 異動があり、数年でまったく違う部署に変わってしまって、独立を目指しました。
――― その後に勤務した経営コンサルティング会社では。
谷田部 やはり中小企業支援です。社員研修や営業などのマーケティングリサーチを担当しました。すでに独立を考えていたので、営業の修行もさせていただいたんですよ。独立するには、営業も経験しておかなければと思ったので。
――― その後、行政書士の資格を取得して独立したのが2009年。多く手がけておられるのは、補助金申請なんですね。今まで全部で何件ぐらいでしょう。
谷田部 80件ぐらいでしょうか。
(編集部注:谷田部さんが情報を得ておられるサイトの一部として以下にご紹介します)
●ミラサポ
●関東経済産業局
――― このまま補助金に特化する道もあるのですが、融資を学びにネクストフェイズに来られました。
谷田部 はい、補助金を申請しても、その審査期間を待てないケースがあるからです。
――― というと。
谷田部 たとえば社長さまが「3ヵ月後に機械を買いたい」とスピーディに決断なさっても、「補助金は半年後です」となると、事業機会を逃してしまうことになるんです。
――― もったいない…。
谷田部 その間のつなぎ融資もご提案できればいいですし、それに、補助金の入金は事業が完了した後なんです。やはり「今こそ」というときには、融資が有効だろうと思います。本当に資金需要があるときにタイムリーに融資のご提案ができれば、もっと中小企業のお役にたてますから。
――― そこでネクストフェイズで融資を学んだのが2018年。すぐに融資サポートの実務へ入って、みごと初めての融資サポートを成功に導かれました。おめでとうございます。案件の概要をお教えください。
●「谷田部さんは補助金の採択率も高いんですよね」(東川)
「いえ、そんな」(谷田部)
「たとえば今年の採択率は?」(東川)
「……今のところ100%です……」(谷田部)
「ほら!」(東川ドヤ顔)
「いえいえ、お客さまに恵まれておりまして…」(谷田部)
融資サポート、準備としての融資制度知識と預かり資料
谷田部 お客さまは東京都内企業、希望融資額2000万円、日本政策金融公庫の中小企業経営力強化資金という融資制度を利用しました。
――― お話を聞いたその場ですぐに「経営力強化資金が活用できる」と判断なさった?
谷田部 ええ、経営力強化資金は、以前、県庁にいたとき隣に経営支援課という融資についてのセクションがありまして、そこで見聞きしていました。またネクストフェイズの講座でもさらに深く学ばせていただいた融資制度でしたので、すぐ判断できました。
――― 面談の場で「あの融資制度が使える」と言えたとのこと、社長さんも心強くお感じでしたでしょう。
谷田部 そうですね。ここはやっぱり面談時の肝というか、やっぱり事前準備あってのことだと思います。
――― お話をいただいてから融資実行までは。
谷田部 約3ヶ月です。その間、経営者さまとは5回ほど面談しましたでしょうか。
――― 経営者との面談でお預かりした資料は?
谷田部 決算書、会社概要、代表者経歴、半期分の経理書類、技術ノウハウ、特許取得情報…あたりですね。
――― 当初、谷田部さんの、いちばんの不安は。
谷田部 何としてでも融資を成功させてお役に立ちたいと思いましたので、金融機関が納得する書類が作成できるか、また、金融機関のリアクションなどが気になりました。
――― そこで今回の融資サポートのために、どのような準備資料を。
谷田部 まとめてきましたので、ご覧ください。
(融資のために谷田部さんが準備した資料は? 第2回に続きます)
谷田部さんの融資サポート-第1回
今回の融資サポート概要をまとめました。
顧客業種 |
研究開発企業 |
希望融資額 |
2000万円 |
金融機関/融資制度 |
日本政策金融公庫/中小企業経営力強化資金 |
着手から結果までの期間 |
3ヶ月 |
経営者との面談 |
5回 |
お預かりした資料 |
決算書、会社概要、代表者経歴、半期分の経理書類、技術ノウハウ、特許取得情報 |
谷田部智子行政書士インタビュー(全5回)
「補助金と融資、業務の違いは何ですか?」
【もくじ】
1/なぜ行政書士が融資サポートを?
2/日本政策金融公庫との面談
3/補助金申請と融資申請の違い
4/補助金申請サポートから顧問先化
5/たとえ国の補助金がなくなっても
中島 典子
大蔵財務協会
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