谷田部智子行政書士インタビュー【3】「補助金と融資、業務の違いは何ですか?」

栃木県・下野(しもつけ)市と、東京・銀座でご活躍の行政書士・谷田部智子さん。 
栃木県ではおもに行政書士として、東京では経営コンサルタントとして活動しておられます。

谷田部さんの事業のメインは補助金申請および採択後のフォロー・請求ですが、
2018年、融資サポートを学ぼうとネクストフェイズのセミナーや講座を受講。
一般社団法人融資コンサルタント協会SP融資コンサルタント認定後、
見事にはじめての融資案件を成功に導きました。
現在も補助金業務と平行して、新しい融資案件に取り組んでおられます。

融資実行の経験を通して、
ひとりの仕事人として自信をもてるようになったとおっしゃる谷田部さんに、
行政書士が取り組む融資サポートのリアル、補助金申請との違いなど、
詳しくお尋ねしてきました。

いつものように5回連載でお届けします。聞き手はネクストフェイズ編集部ですが、
取材に同席していたネクストフェイズ代表・東川もときどき発言しています。

●谷田部智子さんプロフィールはこちら

谷田部智子政書士インタビュー(全5回)
「補助金と融資、業務の違いは何ですか?」
【もくじ】
1/なぜ行政書士が融資サポートを?
2/日本政策金融公庫との面談
3/補助金申請と融資申請の違い
4/補助金申請サポートから顧問先化
5/たとえ国の補助金がなくなっても

第3回  補助金申請と融資申請の違い

―――  補助金と融資、申請時の違いは何でしょう?

谷田部  はい、補助金と違って、融資申し込みには資金繰り表と見込み顧客リストが必要なことですね。

 
―――  まず、作成資料が違うと。

谷田部  補助金は損益計画書、5年計画を一定程度のレベルで作ればよいのですが、資金繰り表は実に緻密に作らないといけないんです。金融機関さんは、まさに資金繰り表でご融資のご判断をされるんだなと学びました。

 

東 川  融資の場合は、実現可能性をものすごく重視するんですよね。提出した事業計画が実現せんと、それだけの返済ができないと見られるから。でも補助金は、もちろん実現可能性も大事やねんけど、それよりもその補助金の目的に合ったチェック項目をクリアできているかどうかの方が大事やねん。

 

谷田部  そうですね。やっぱり融資っていうのはちゃんと返済いただけるか、しっかり裏付けを確認されるんだなと思いました。貸す側としてはそうですよね。お貸しした分が利益になって返済していただけるのかが気になる。

 

東 川  なんで補助金と融資の審査レベルがこれほど違うかわかります? 金融機関はね、貸金が焦げ付いた場合、担当者が責任取らされるからなんですよ。

 
―――  というと?

東 川  「お前どんな稟議を書いたんや」って支店長から詰め寄られる。「でもハンコ押したの支店長ですやん」なんて担当者は上司に言われへんし、そりゃ慎重になります。

 
―――  なるほど、では作成資料以外の部分で、補助金と融資の違いは。

谷田部  補助金の場合、ほとんどが申請書類を提出して書類審査…という一発勝負のものです。しかし融資のためには、金融機関との面談が必要です。面談ではシビアで鋭い突っ込みが入りますが、しかし逆に、誠実に回答し、面談時に求められた課題をクリアできる資料作成と説明を行えば、金融機関がきちんと耳を傾けてくださることがわかりました。

 

補助金申請で培った「相手目線」での資料作成・面談対応

 

―――  今回は初めての融資サポートで、作成資料や面談など、日頃の補助金申請とは勝手が違う部分もありました。が、逆に「補助金に慣れていてよかった」とお思いになった点は。

 

谷田部  事業計画書の作成については、補助金での経験のおかげで融資用に応用することができました。もちろん違うところもありますが、同じところは同じく進めることができました。

 
―――  事業計画書のほかには。

谷田部  さまざまな補助金審査機関や役所などと関わってきた経験がありますので、相手先が何を求めているのか…といったことは、その都度それなりに考えてやらせていただいてきました。今回、金融機関さんは初めてでしたけれども、事前の学習と、実際の面談のときは相手の求めることを大切にしながら臨んだ方がいいんだな、と。

 
―――  相手目線、でしょうか。

谷田部  そうですね、相手目線ですね。具体的に金融機関さんが何を求めているのかという点については、ネクストフェイズの講座でも教えていただけましたし、今回の経験でも「金融機関の着眼点」について多くを学べました。

 
―――  金融機関の着眼点とは、具体的に。

谷田部  この技術がいかにマーケットに役立つかという着眼でいらっしゃいましたね。「貴社は技術をお持ちですが、実際に今のトレンドの中でどんな風にお客さまに買ってもらえるんですか」といった。

 

東 川  正直、技術のことを金融機関の人間が聞いても理解できないんですよ。でも技術内容を聞くことによって、「この売上が上がる裏付け」「そこから想像できる売上達成の確率」が書ける、つまり通りやすい稟議書を作れる。だから金融機関は技術の説明というより、今おっしゃったように、その技術がマーケティングにどう活きてくるかを知りたいんです。

 
―――  公庫面談のとき、どんなお気持ちでしたか。

谷田部  準備は念入りに行ったので、あとはネクストフェイズの講座で習った姿勢で取り組もうと。たとえば金融機関が嫌がることをしないとか、あまり士業が出しゃばらず社長のフォローを上手くできれば大丈夫かな、とか。現場では、さすがに鋭いところを突いてこられるなあ、などと思っていました。

 


●初めての融資サポートが成功したと連絡を受けたときは、
「お客さまに喜んでいただけて最高!の気持ち。
そして…燃え尽きてしまったようで、寝込んでしまいました(笑)」(谷田部)

融資サポートの報酬とその内訳

 
―――  立ち入ったことですが、今回の報酬をお尋ねしてもいいですか。

谷田部  全体としては融資金額の5%(税込)です。最初に着手金として15万円(税別)いただき、最終的にご請求するとき、その着手金は差し引いた金額にしています。

 

東 川  きちんと出資法に則った請求です。

 
―――  融資がおりたあと、この企業とのおつきあいはいかがですか?

谷田部  その後のサポートとして、融資顧問をご依頼いただきました。

 
―――  おー! 顧問として関わっていけると、やりがいも増しますね。

谷田部  また補助金も2件ご用命いただき、2件とも採択になりました。もう新しい研究開発プロジェクトが始動しているんですよ。←とてもうれしそう

 

東 川  行政書士などの士業やコンサルタントが、融資サポートを行うメリットのひとつです。融資のお手伝いは、顧問先化するきっかけになりえるんです。

 

―――  谷田部さんは補助金申請サポートした企業と、その後のおつきあいにつながったことは。

 

谷田部  私の場合は半々くらいでしょうか。

 
―――  どのように補助金申請後のおつきあいを続けるのでしょう?

(補助金申請してハイ終わりじゃない? 第4回に続きます)

谷田部さんの融資サポート-第3回

 
今回の融資サポート概要をまとめました。

顧客業種 研究開発企業
希望融資額 2000万円
金融機関/融資制度 日本政策金融公庫/中小企業経営力強化資金
着手から結果までの期間 3ヶ月
経営者との面談 5回
お預かりした資料 決算書、会社概要、代表者経歴、半期分の経理書類、技術ノウハウ、特許取得情報

実際の提出書類、添付資料

事業計画書(3枚)、融資相談依頼書兼経営計画書、資金繰り表、損益計画書、試算表

第1回面談(融資課長)

約1時間。「売れる根拠」「契約書」「競合との差別化」「市場で自社商品が選ばれる理由(売れる理由)」などが求められ、次回までに詳細な資料を作成

第2回面談(審査担当者)

約1時間。どちらかといえば内部の稟議を通すための面談

報酬

着手金15万円(税別)、成功報酬は融資額の5%(着手金を含む)


 
谷田部智子政書士インタビュー(全5回)
「補助金と融資、業務の違いは何ですか?」
【もくじ】
1/なぜ行政書士が融資サポートを?
2/日本政策金融公庫との面談
3/補助金申請と融資申請の違い
4/補助金申請サポートから顧問先化
5/たとえ国の補助金がなくなっても


 

 
 

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