- 【オンライン】
- 2024年8月5日(月) 満席御礼・8月29日(木)・11月11日(月)・11月27日(水)
- 【東京】
- 2024年8月2日(金)・8月19日(月) 満席御礼・9月3日(火)・11月8日(金)・11月20日(水)
- 【大阪】
- 2024年8月7日(水)・11月28日(木)
大阪府豊中市で開業している税理士・深田壽(ふかた・ひさし)さん。
税務のみならず、事業の「将来」「成長」を見据えた財務面からのサポートが好評で、
順調に顧問先を増やしています。
日ごろの地域密着型金融機関との信頼関係づくりを軸に、
2011年の独立からの道のり、仕事スタイル、業務スタンスなどを交えてお伝えします。
いつものように5回連載でお届けします。聞き手はネクストフェイズ編集部ですが、
取材に同席していたネクストフェイズ代表・東川もときどき発言しています。
深田壽(ふかた・ひさし)さん
税理士/深田税理士事務所所長
深田壽税理士インタビュー(全5回)
「税理士と金融機関、どう関係を結ぶ?」
【もくじ】
1/税理士ひとりではなく、他士業とチームを組むとさらに強い
2/金融機関との交流・勉強会の運営方法
3/顧問契約しない事業者を決めておく理由
4/顧問契約に至る前の「お試し」としての資金調達業務
5/税理士って、「営業」できないから
―― なぜそんな遠い顧問先が。
深田 もともと地元の顧客でした。あちらで事業を立ち上げたけれど、地元に来ることも多いからということでしたが、さすがに難しかったですね。僕は車移動で、自分1人のときはよかったんですけど、スタッフに担当してもらおうとしても公共交通機関では厳しい。またスタッフのマネジメントも複雑になりますし…。
―― 苦しい時期でしたね。
深田 あのころ東川先生と、たくさんディスカッションしました。僕がつらいと思っていることを列挙して、たとえば「遠方」とか「夜にしか会えない」お客さんとは契約しないようにして、スタッフの負担を軽減しようとか。
―― では今は。
深田 今は「顧問先は地元密着」と決め、地元ばかりです。移動距離も時間も短くて済むし、もちろんスタッフも行けるし、場合によっては僕も同行することもできます。
―― 楽になりました。
深田 地元の顧客にフォーカスするための方法も、東川先生に相談しました。そこで、今日の最初の話に戻るんです。「地元の金融機関と関係を作ろう」と。
―― なるほど。
深田 地元の金融機関からの紹介ですから、お客さんは近隣の方々。今はほぼ1時間以内で行けるエリアにおさまっています。その範囲内で多くの顧客、また潜在顧客がいるのですから、わざわざ他県に行く必要はない。そこはその場所の税理士さんに見てもらえばいいですよね。
●深田さんの愛機。「今は訪問といっても、Zoom等のオンラインが増えました。
30代くらいの社長さんなら、たいていZoom面談です」(深田)
深田 それはそうでしょうね。税理士って、たとえば「帳簿を見ますよ」って営業できないじゃないですか。そんなこと言ってくる人に、大切な帳簿なんて見せたくないでしょう? 税理士は「Aを提供します」「Aをいただきましょう」みたいに、すぐ商談が成立する仕事じゃないと思うんです。またそんな「すぐ商談成立」みたいなのがイヤだから独立開業したところもあります。
―― たしかに。
深田 融資サポートなどの単発業務で知り合った経営者に、「金融機関に同行しますから、資金繰りや試算表の話をしに行きましょう」と提案してみるといいですよ。そこでまず、経営者とつながりを持てますよね。ちなみにこれは、顧問契約じゃない。でも、毎月じゃなくとも、半年に1回程度、今で言うモニタリングを行いながら、「一緒に銀行に話しに行きますよ」と寄り添うことで、その経営者との関係を作ります。すると、その過程で、金融機関の人との距離が縮まるんですよ。
―― 顧客の金融機関への同行で。
深田 そう。だから今のお客さんに同行する形で、金融機関と知り合いになっていけばいいんです。また懇意になれたら、「実はこういう士業チームがあるのですが、勉強会やりませんか」と金融機関の人に持っていけば、道は拓けます。
東川 たとえば創業者も、今は資金に余裕はない。でも寄り添っていくことで、将来の顧問先になり得るんです。また税理士にとっても、先輩税理士のお客さんを奪わずに済むのでストレスがかからないですよね。
深田 それはありますね。僕も乗換えのお客さんより、圧倒的に創業融資のお手伝いから顧問契約いただいたお客さんが多いです。数えたわけじゃないけど、6~7割くらいかな。
―― 多い!
深田 すでに顧問税理士のいる事業者だと、「帳面をつけてもらうのが税理士とのおつきあいだ」と従来の型にはまっていたりするんです。でも僕は違うよ、とわかってもらいやすいのは圧倒的に創業者です。
東川 創業者は経験がない分、柔軟に受け入れてくれやすいよね。
深田 今はインボイス制度、電子帳簿の法律改正が税理士にとって新しいチャンスだと思います。デジタル化でこんなに便利になると、ていねいにお話しするんです。創業者はもちろんですが、「今までの税理士の先生と違う」「新しくて便利な方法を教えてくれる先生だ」と評価していただき、スイッチしていただいたこともあります。
●「いま銀行はインボイスや電子帳簿保存法について勉強会をしてくれる講師を探していますよ」(東川)
「それはニーズがあるでしょうね、こちらから提案するのもよさそうです」(深田)
―― 「自分の」?
深田 僕の場合だと財務アドバイス、また資金調達ですね。顧問契約とは別の、単発でご依頼いただける商品・サービスがあると、最終的に顧問先を得やすくなります。
―― 先ほどお話に出た「お試し」としての。
深田 はい、さらに税理士だと行政書士としても登録できるので、許認可もやっておくといいですね。許認可が必要な事業者はたくさんあるので、スポット業務として、顧客と知り合うきっかけのひとつになり得ます。
―― 許認可! 顧客が広がりそうです。
深田 顧問契約は後から自然について来るものと考えて、最初はそれを前面に押し出さなくていいと思うんです。お客さん側だって「顧問契約で何をしてくれるの?」「前の税理士と何が違うの?」とピンと来ない方もおられるし、この税理士とうまくやっていけるか判断できず躊躇しがちです。
―― そうですね。
深田 たとえば最初の半年は無料、または格安で引き受けて、7ヶ月目から顧問料が発生する…そんな方法もあるでしょう。とにかく一度「お試し」の時期があるのは、双方にとってよいことです。
―― アイデア次第で。
深田 無料・格安で業務を行う期間は、投資のようなものです。そのうちに複利のように、お客さんがお客さんを呼んでくださるようになります。あまり焦らなくていいですよ。
―― ベテラン税理士の言葉だけに安心できます。
深田 最後にもうひとつ。相談相手というか、メンターというか、そういう存在を税理士として持っておくと安心ですよね。東川先生、ネクストフェイズって、そういう位置づけの場所だと思うので、とくに独立したての士業・コンサルタントにとっていいんじゃないかなと思います。
―― ありがとうございます。うれしいですね。
東川 …。←照れている
―― 深田さん、貴重なお話たくさんお聞きできました。ありがとうございます。
深田 いえいえ、しかし肝心なところで東川先生めっちゃ黙りますよね。
東川 …。←また黙っている
―― なんか言ってください。
東川 あんまりホメられると照れてしまうねん。
深田 東川先生のこういうとこ、ちゃんと記事に書いておいてくださいね。
(おわります)
(リアル過ぎて記載を見送ったエピソードいっぱい。いつか詳細を書けるときがあれば!
ありがとうございました!)
深田壽税理士インタビュー(全5回)
「税理士と金融機関、どう関係を結ぶ?」
【もくじ】
1/税理士ひとりではなく、他士業とチームを組むとさらに強い
2/金融機関との交流・勉強会の運営方法
3/顧問契約しない事業者を決めておく理由
4/顧問契約に至る前の「お試し」としての資金調達業務
5/税理士って、「営業」できないから
深田壽税理士が学んだネクストフェイズのセミナーをご紹介します。
※融資に関する質問などにもその場でお答えします
© 2019 株式会社ネクストフェイズ