齋藤由紀夫さんインタビュー【5】 スモールM&Aアドバイザーってどんな仕事?

東京都港区で、株式会社つながりバンクを経営する齋藤由紀夫さん。 

株式会社つながりバンクは、小規模のM&Aに特化した、
仲介・アドバイザリー業務をメインとしながら、中小企業の課題解決に取り組む会社です。
代表取締役の齋藤さんは2012年の独立以降、70~80件の案件に関与している、
スモールM&A(中小・零細企業のM&A)のエキスパート。

跡継ぎがいないまま経営者が高齢化し、事業承継に悩む中小企業の話は枚挙にいとまがありません。
一方、ノウハウなどを蓄積した企業を買い取って、事業に弾みをつけたい経営者も多数。
両者をつなぐ齋藤さんにスモールM&Aアドバイザーのお仕事についてお話を伺うと、
まあ出るわ出るわ、多彩なエピソードのオンパレードです。
(ここには書けなかったこともたくさん…)

もともと中小企業診断士や税理士、弁護士との親和性が高く、
司法書士にとっても独自の強みを発揮できるフィールドであり、
建設業と縁の深い行政書士、案件をまとめるチカラに優れた保険営業など、
それぞれの職業が、それぞれの知識を活かして、
各方面から深く関わっていけるのが、スモールM&A。
これからの士業・コンサルタントにとって、明るい展望が開けてくるお話です。

いつものように5回連載でお届けします。聞き手はネクストフェイズ編集部ですが、
取材に同席していたネクストフェイズ代表・東川もときどき発言しています。

●齋藤由起夫さんプロフィールはこちら

齋藤由紀夫さんインタビュー(全5回)
「スモールM&Aアドバイザーってどんな仕事?」

【もくじ】
1/中小企業の支援をしたいから「スモール」M&A
2/水増し経費、売り逃げ案件…M&Aの実務トラブル、どうする?
3/診断士も税理士も司法書士も保険営業も、スモールM&Aで活躍できる
4/スモールM&Aの感情トラブルを避けるための「表現」
5/2019年セミナーはM&Aの知識のみならず、案件を発掘する方法も伝えたい

第5回 2019年セミナーはM&Aの知識のみならず、案件を発掘する方法も伝えたい

――  2018年と2019年のセミナー、大きく違うところは。

齋藤  M&Aの事例は当然、最新のものにアップデートします。さらに…。

――  さらに。

齋藤  業界動向も変化しています。新規参入がたいへん増えてきたんですよ。

東川  新しいアドバイザーがどんどん出てきていると。

齋藤  はい。しかし2019年のセミナーでは、彼らと戦うんじゃなくて、連携する方法をアドバイスしようと思っています。たとえば、ある新興のМ&A仲介会社はドンと増員して、3桁くらいの数のM&Aアドバイザーがいます。

――  3桁!

齋藤  彼らと連携することで、彼らにも僕らにもメリットがあるんです。先ほどから話が出ていますが、M&Aアドバイザーとして大事なのは、まず案件を見つけること。で、そういう大手と連携することで…、というお話。僕自身のプロジェクトも動いていますし、これはいろいろお伝えできそうです。

――  ほかには。

齋藤  マッチングサイトの活用法、つきあい方ですね。

東川  最近増えましたね。玉石混交ですが。

齋藤  赤字のM&Aを行う人々にとっては、いい案件がいっぱい眠ってるんですよ。

東川  たしかに赤字のニーズもあります。

齋藤  赤字なり何らかの経営課題を解決できる人であれば、M&Aするかどうかに関係なく「業務改善」の提案をしに行けますよね。たとえば最初は買い手としてアプローチして、そこで経営課題を見つけたら提案してみてもいいと思うんですよ。マッチングサイト自体は売り買いが目的ですので、業務改善にはタッチしませんしね。

――  そんな活用法が。

齋藤  マッチングサイトの運営企業のなかには近ごろ増資したところもあって、業界がいろいろ動いています。そういった最新事情、また、その状況をスモールM&Aアドバイザーである私たちがどう活用していくかを、2019年のセミナーではお知らせしたいですね。

――  詳しくはセミナーで、と。

齋藤  あと、ソーシング、案件発掘ですね。今まで僕のセミナーは業務寄りで行っていました。実務できる人を増やしたいと思っていましたから。しかし、ここにきて案件を発掘する方法についても、少し時間を割いてもいいかなと思っています。

東川  そこ、みんな聞きたいと思う。

齋藤  ですよね、僕もそこを伝えないとダメだなと思ったんですよ。早く成功体験を積んで、末長くこの業界で活躍していただくために。

東川  案件の数をこなせば実務力は上がってくるじゃないですか。でも案件がないと経験が積めず成長できない…という人も多いと思うんですよね。だからアドバイザーを育てるなら、「案件をどう取るか」が大事になってくる。

――  では2018年に来られた方にとっても、2019年のセミナーに参加する意義は。

齋藤  あると思います。僕も全力で最新情報と、長くアドバイザーを続けていけるポイント、つまり案件獲得の流れをお知らせします。

 


●「スモールM&Aは、誇らしい仕事。苦しいこともあるけれど、楽しくやっていける仕事でもあるんです。
業務としては選択の連続であり、もちろんその選択が間違うこともあるでしょう。
が、自分が持つあらゆるチカラを総動員してリカバリーし、
よい出会いとして最終的に成就させるところに、深い醍醐味を感じます」(齋藤さん)

スモールM&Aアドバイザーは「異種交流戦」

 

――  結局、スモールM&Aのお仕事って。

齋藤  たとえるなら「異種交流戦」のようなものです。

――  異種交流戦?

齋藤  スモールM&Aは、ときには会社の生死を決めることもある仕事、しかしながら、一人でできることは限られます。なので、すべてを抱え込まず不得意分野は自分より優れた方に任せるという割り切りも必要です。私は、事業再生や製造業の事業デューデリ等は自分より優れた方にお任せしています。

東川  背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライ、自由形の400mメドレーリレーのようなものやね。

齋藤  はい、経験の豊かさは永遠に必要になるでしょうね。中小企業のM&Aは当然、財務や法務知識が必要ですが、最終的には「こころ」のキャッチボール。ですからどうしてもひと手間かかるけれど、そこにこそ、やりがいがあります。飽くなき探究心は必要ですが、いつも新鮮な気持ちで取り組める、一生の仕事です。

――  どんな人なら続けていけそうですか。

齋藤  中小企業支援を、プライドを持って継続できる人。またM&Aって自分1人ではできないので、仲間と協業できる人。お人柄が必要ですね。

東川  コンサルタントは人間性。人柄がよくない人はスモールM&Aに向いていないし、売上もついてこない。「儲けたい」って人が来ても続かない世界やと思う。

齋藤  その通りですね。そういう人は最初の1年で、儲かんないなあといってスモールM&Aの世界を去ってしまう。

東川  もっとも、スピード早い人は1年もかからず、たとえば半年ぐらいで案件取るでしょ。

齋藤  取ります。そういう方、実際に少なからずいらっしゃいますよ。

――  ではスモールM&Aアドバイザーという仕事に興味をお持ちの方にひとこと。

齋藤  経営者が判断に迷うとき、みなさんはすでに、今の知識で財務とか税務面でアドバイスしたり、多彩な選択肢を提案なさったりしていますよね。そこに加えて…。

――  今までの知識や活動に加えて?

齋藤  会社を売るとか買うとか、経営者にとって一番重い課題です。そこに寄り添うことこそ、経営コンサルタントなんじゃないかと思うんです。社長の一世一代の局面で、傍観者でいるのか、そばから支えるサポーターにまわるのか。また自らプレイヤーになるのか。だからこそ…。

――  だからこそ?

齋藤  誰にでも活躍の場があるスモールM&Aという「異種交流戦」というステージに、みなさんも一緒に上がってほしいんです。

――  今の知識に、新しいスモールM&Aの知識を加えて。

齋藤  はい。あと、ときどき訊かれるんですが、この仕事が儲かるかどうかっていうと…。

東川  大事な点です。

齋藤  その方向からは煽りたくないので、言わないでおきましょう(笑)。

東川  みなさん、齋藤さんの本音はセミナーで!(笑)

 


●「書籍ぎっしりの本棚を背景に写真を撮るとコンサルタントっぽいかも」(齋藤さん)
「いいアイデアですね。僕もこれから本棚バックで写真を撮ってもらうようにしようっと」(東川)
「いま事務所の本棚に山積している漫画を片付けてからにしましょう」(編集)

(おわります)


 
齋藤由紀夫さんインタビュー(全5回)
「スモールM&Aアドバイザーってどんな仕事?」

【もくじ】
1/中小企業の支援をしたいから「スモール」M&A
2/水増し経費、売り逃げ案件…M&Aの実務トラブル、どうする?
3/診断士も税理士も司法書士も保険営業も、スモールM&Aで活躍できる
4/スモールM&Aの感情トラブルを避けるための「表現」
5/2019年セミナーはM&Aの知識のみならず、案件を発掘する方法も伝えたい

齋藤由紀夫スモールM&Aアドバイザーによる【スモールM&A】ノウハウ入門講座2019を開催


今回の取材で話していただいたスモールM&Aについて、実務テクニックはもちろん、今までの歴史から現在のマーケット傾向まで、最新の実例を交えてお話しします。

2018年に行った同セミナーも好評でしたが、今回はとくに初心者がつまずきがちなソーシング(売り手発掘)についても時間を割いてくださるとのこと。
 
もちろん質問のための時間も設けていますので、気になること、深く知りたいことなど、何でも気軽にご相談ください。
 
●日時・会場
2019年8月2日(金)  18:00〜20:30 DAYS赤坂見附
2019年8月10日(土)  15:00〜17:30 DAYS赤坂見附
2019年8月17日(土)  14:00〜16:30 サニーストンホテル<江坂>北館
2019年8月21日(水)  18:00〜20:30 サニーストンホテル<江坂>北館
●定員 各回 25名
●受講料 6,500円(税別)
 
●セミナー詳細、前回の受講者の声、お申し込みなどは下記からどうぞ↓

 
 

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