
銀行のしくみを知る上で大事なのは、「担当者が頻繁に代わる」という点です。
お金がからむ仕事である以上、長い期間、同じ担当者が仕事を続けると、
どうしても不正や癒着が生まれてしまいます。
それを防ぐために、銀行では一般的に2~3年周期で人事異動があり、担当替えが行われるのです。
一人の銀行員が担当している会社の数はどのくらいかご存知ですか?
銀行の規模や場所によっても差がありますが、ざっと見積もっても200~300件
といったところでしょう。
これだけの数の取引先をかかえた銀行員が、2~3年で一度、担当替えをするのです。
さて銀行員は担当替えのとき、後任への引き継ぎに、どのくらいの時間をかけられるでしょうか?
これはどの銀行でも同じで、ほぼ3日間です。300件の取引先を3日間で引き継ぐわけです。
とうてい、満足のいく引き継ぎを行う時間がありません。
だからアポなしで取引先まわって、相手がいれば一言挨拶して名刺交換をする、いなかったら
名刺をポストに入れてくる。これで引き継ぎは終わりです。
取引先によっては、注意すべき点をまとめた「引き継ぎ書」のようなものを
前任者が作成したりしていますが、それもごく一部です。
ほとんどの会社については、まともな引き継ぎはなされません。
必要があれば稟議書を見るでしょうが、それも融資の前にあわてて目を通す程度です。
銀行員はとにかく忙しいのです。
担当替えは銀行のシステム上、いたしかたないことなのですが、取引先は困ってしまいます。
銀行の担当者と2年間つきあって、ようやく自分の会社のことをよくわかってくれ、
融資の稟議書もしっかりした内容で書いてくれるようになったのに、またゼロから関係を
つくらなければいけません。
このような担当替えのときこそ、士業などの専門家が力を発揮できます。
事業計画書などの書類作成に常日頃から士業が関わっていれば、なおのことチャンスです。
銀行の新しい担当者がきたときに、「この会社はこういう会社ですよ」とポイントを説明してあげ、
「何かあったらいつでも連絡ください」と言っておけば、未知の取引先をたくさん抱えて
アップアップしている銀行員にとっては「渡りに舟」です。
また、経営者にしても、士業が間に入って、
「社長、●●銀行の新しい担当者に、僕からレクチャーしときましたから」
と言えば、煩わしい説明の手間が省けて大喜びでしょう。
銀行の新担当者と経営者の間を、最短時間でつなげることができ、双方から感謝される。
そして、士業からしたら銀行員に「恩を売って」、一気に仲良くなれるチャンスなのです。
どんな人でも、困っているときや不安なときに助けてくれた人には、全幅の信頼を寄せるものです。
そもそも士業の使命とは、「困っている人を助ける」ことにあります。
銀行の担当替えというチャンスを利用して、銀行員と経営者の双方から信頼を得られるよう、
時機を逃さず行動していきましょう。
銀行とよい関係を作るには、担当者が変わった瞬間が最大のチャンスです。
一から、新たな関係を作る手間はかかりますが、最初の接触のしかた一つで、
その担当者から頼りにされるようになれるからです。
そんな、銀行員を味方にするためのヒントが手に入ります。
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