- 2025-6-4
- 融資サポート
- 事業承継, 経営者保証, 融資コンサルタント協会, 金融機関とのつきあい方

資産がある=経営者保証解除に有利とは限らないようです。
こんにちは。株式会社ネクストフェイズ、企画担当のキドです。
ネクストフェイズが運営する一般社団法人融資コンサルタント協会では、会員からのメールや電話、ご来訪などによる個別相談にのったり、活動報告をいただいたりしています。
先日、ある税理士から、「事業承継時の経営者保証解除と上場株式の評価」について質問をいただきました。
※なおネクストフェイズは、事業者への個別アドバイスを行っていません。ご相談のある事業者は、ネクストフェイズが運営する一般社団法人融資コンサルタント協会の会員を検索して気軽に連絡を取ってください。融資の専門研修を受けた融資コンサルタントが、全国に1,000名以上います
資産があると経営者保証がつきやすくなる?

事業承継を考えている後継者の方からの相談です
【与件】
●親が社長で、自分は役員
●いずれ自分が継ぐつもりだが、借入に対して経営者保証も引き継ぐことになりそう
●自分は個人資産として、一定の預金や有価証券(上場株式)を保有している

なるほど、よくあるケースですね

後継者としては
「経営者保証が付くかどうか判断される際、一定の預金や上場株式はどのように評価されるか」を気にされていますが
実際にどうなんでしょうか?

実はこうした資産があると
かえって金融機関が「保証してください」と言いやすくなるんです

え、そうなんですか!?

後継者だからといって、銀行に個人資産のすべてを伝える義務はありません

わかりました、では後学のためにお尋ねしたいのですが…
上場株式は資産としてどう見られる?

では、上場株式は金融機関ではどのように評価されるのでしょうか?

基本的には「前日の株価の70%」で評価されます
担保としての価値を見積もるときや、自己資金の裏付けとして評価されるときです

つまり時価1,000万円の上場株式があっても
700万円くらいの価値で見られると?

そのとおりです
しかも、それは「その時点の時価」ベースなので、変動リスクも大きいく、結果として、「安定資産」とは見なされにくいんですよ

なるほど…
それなら、むしろ株式を持っていることを言わない方が、経営者保証がつくリスクは下がりそうですね

おっしゃるとおりです
先ほどお話ししたとおり、金融機関に伝える義務はないので
本件の場合はあえて言わなくてもいいでしょう

承知しました!
たいへん参考になりました
事業承継にあたって、後継者が経営者保証を引き継ぐリスクは大きな課題です。場合によっては、資産を持っている後継者ほど、かえって経営者保証を求められやすいこともあるようです。
今回の上場株式のように時価変動がある資産は、金融機関から「安定した保証能力」とは見なされにくいため、あえて申告しないという判断もひとつの戦略となります。
経営者保証を外すのは、金融機関との取引内容やつきあい方によっても変わるので、一概にパターン化しづらいのも事実。それでも基本的な知識を持つことで、ある程度の対応策をアドバイス・サポートすることは可能です。
そんな、「基本的な経営者保証解除のサポート」について学べる動画を、こちらでご紹介しております。