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自己資金が少ない創業希望者から相談されたとき専門家はどう答えるべきか

こんにちは。ネクストフェイズのヒガシカワです。

ネクストフェイズが運営する一般社団法人融資コンサルタント協会の会員の税理士から、次のような相談がありました。

税理士

ある創業者へのアドバイスに悩んでいます

この方が日本政策金融公庫に創業融資を相談したところ

自己資金が少ないので通らない可能性が高い」と担当者から言われたのだそうです

専門家として、どうアドバイスしたらいいですか?

創業希望者の自己資金の少なさは、創業支援に携わる士業・コンサルタントなら、かならず一度は直面するテーマですね。

この税理士はもちろん、融資支援に関わる士業・コンサルタントの役割は、資金調達そのものではなく、創業後に長く事業を続けられるように導くことだと私は考えています。この視点を踏まえ、今回のケースをどう考えるべきか整理します。

自己資金不足が示しているものは創業「後」の資金繰りリスク

公庫が自己資金の不足を指摘する背景には、創業「後に資金繰りが厳しくなりやすいという現実があります。

自己資金が少ない状態で借入に頼って創業すると、売上が安定する前に返済が始まり、資金が不足するリスクが急激に高まります。売上の見込み違い、また想定外の支出が重なると、事業が継続できなくなることも珍しくありません。

担当者の言葉は、「融資の可否以上に、今の状態でスタートすると、後々苦しくなる可能性があります」という注意喚起として受け止めるべきでしょう。

無理に融資を急ぐより創業の足元を整える提案を

ここで専門家として最初に提示したいのは、「融資を急がず、自己資金を整えてから挑戦する」という選択肢です。

創業の安全度は、自己資金の厚みに大きく左右されます。上でも書いたように、焦って借りて起業しても、創業後にすぐに想定外の事態が起こったとき、資金繰りが悪化してやむを得ず事業を断念せざるを得なくなることさえあるのです。

創業者には、「借りられるかどうかではなく、借りた後に安定して経営できるかどうか」という視点を共有しておきたいところです。

それでも早期創業を希望する場合に専門家が行う具体的チェックリスト

どうしても早く開業したいという創業者には、まず事業計画資金計画一緒に見直すことが有効です。

計画を一つひとつ点検すると、思った以上に無理をしている部分や、改善できる余地が見えてくることがよくあります。その際は、次のような調整が現実的です。

自己資金が少ない創業者と専門家が「一緒に」行うチェックリスト

  • 初期投資の削減
  • 購入予定の設備をリースに切り替える
  • 必要資金の圧縮
  • 一定期間、自己資金を積み上げる
  • 資金繰り表の前提を見直す など

こうして計画を整理し直すと、創業者自身がリスクに気づきやすくなります。創業者自身が気づけば、計画の見直しもスムーズになりますね。

また、創業後の資金繰りにも余裕が生まれやすくなり、結果として融資の成功率が上がったり、(創業後の)事業継続の可能性が高まったりするでしょう。

専門家の役割は融資の実行ではなく事業の継続可能性を高めること

融資は、創業準備の一部に過ぎません。本当に大切なのは、返済が始まった後も事業を続けられる状態を作ること。融資が可決されても、返済に追われ資金繰りが悪化して、事業が続けられなくなっては本末転倒です。

創業者の未来を守るために、融資の成否だけに目を向けず、創業後の継続性を重視した助言が求められます。

※「頼りない、あなたじゃ話にならない」「教書どおりのことしか言わない」「銀行の言いなり」「他の専門家に相談する」と、創業者の側から支援を断られることがあるかもしれません。それもまた、よくあること。しかし「今さえ乗り切れば」ではなく、「末長いお付き合い」のできる顧客に出会いたいと、おそらくどの専門家も考えていることでしょう。


自己資金が少ない創業希望者への助言は、創業支援に携わる専門家にとって避けて通れないテーマです。現場で相談を受ける中で、資金調達の是非だけでは判断できない難しさを感じる場面が数多くあるでしょう。

こうしたケースに落ち着いて対応できるように、融資の流れ考え方「ひととおり」理解しておきたい士業・コンサルタント向けに、ネクストフェイズは「融資支援ノウハウ習得セミナー」をご用意しています。

融資相談への対応力を高めたい、現場で使える知識を増やしたい士業・コンサルタントは、ぜひこの機会にご参加ください。「銀行さんと話し合って」で終わるのではなく、創業者・経営者からの相談に向き合える基礎力を身につけましょう。

 講師・東川仁の『銀行とのパイプのつくり方』出版 記念キャンペーン中。無料で受講できます

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※融資に関する質問などにもその場でお答えします

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