崎山博教弁理士インタビュー【4】
弁理士業界の未来は明るいですか?

大阪市淀川区で開業している弁理士・崎山博教さんは、独立2年目を迎えた40歳。
ほんわか、ゆったり、落ち着いてお話しになるのですが、お仕事はスピーディそのもので、
事務所のイメージカラーといえば士業では珍しいソフトなピンク、
人脈の広げ方についての「作戦」や、強みの活かし方も、ユニークで新鮮!
崎山さんのオリジナルな「逆張り」仕事術、5回連載でお届けします。
聞き手は、(株)ネクストフェイズ編集部です。

崎山博教さんプロフィールはこちら

目次
第1回 イメージカラーに優しいピンクを選んだ理由。
第2回 勉強会や交流会についての、崎山「作戦」。
第3回 弁理士資格を取ったら独立しよう。なぜなら…。
第4回 アピールするだけが、強みの活かし方じゃない。
第5回 代書屋になり下がらない、弁理士の新しい仕事。
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第4回 アピールするだけが、強みの活かし方じゃない。

――      崎山さんの強みは「スピード」ですよね。Webサイトにもハッキリ書いておられるし…。

崎山      ええ、調子にのって、こんなものまで作ってしまいましたし(笑)。

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●商標も取得した『スピード・パテント23』のチラシ。もちろん優しいピンクがキーカラー

 ――      通常は1ヶ月かかる特許の出願書類作成を、23時間で…って! ほかにこんな弁理士さん、なかなかいないと思います。大きな差別化ポイントですよ。

崎山      でも『スピード・パテント23』はねえ…。

――      はい。

崎山      シンドイんです(笑)。

――      …シンドイと思います(笑)。

崎山      だから、営業の場でこのチラシをお見せして、「スピード」をアピールするけれど、「お願いだから、これは依頼しないで」って付け加えます(笑)。

――      えええー。いったんアピールするのに…。

崎山      ただ、いざというときには、このスピード力でお手伝いできますよ、というお話につなげますよ、もちろん。

――      その点は、チラシを作っておくと信用してもらいやすいですね。

崎山      それはあると思います。サイトにもそう書いてありますし。強みって、普通は、それ自体で他の同業士業と差別化して、それ自体でお客さまを呼び込むという、営業的な使い方をすると思うんですが、私の場合はむしろ、「自信」ですね。

――      強みを、営業ツールではなく、自信として…。

崎山      いざとなればこれくらいできる、という自信です。もちろん「スピードという点に興味があって…」と言ってくださる企業さんは多いですよ。ニーズは、あります。

――      でも営業の場では、「それだけは依頼しないで」と釘を刺す(笑)。

崎山      シンドイんで(笑)。

――      そんな「強みの活かし方」、初めて聞きました。出しておいて、引っ込めるなんて。

崎山      やっぱり逆張りなのかなあ…。

――      ところで実際に、この『スピード・パテント23』のご依頼は?

崎山      ないです(笑)。今のところ、幸いに(笑)。

――      それ、喜んでいいのか、悲しんでいいのか(笑)。

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●「スピードというニーズは確実にありますよ。若い弁理士さん、いかがですか。おすすめです」

崎山      弁理士の差別化ポイントって、みんな品質がいい、仕事レベルが高いってアピールしたがりますよね。でも書類の品質って、見る人によって全然違ってくると思いませんか。

――      ああ…。

崎山      特許出願に情報いっぱい盛り込むのがいいと主張する人もいれば、無駄なことを書かない書類こそが完璧だと考える人もいます。どっちがいいという基準は、その人の経験によるんですよね。だから判断つけられない。

――      客観的ではないと…。

崎山      一方、価格とかスピードだと、優劣がはっきりわかる。

――      わかります。数字で、はっきり。

崎山      だからといって、価格競争は私はやりたくない。うちは全部で3人しかいないので、価格で勝負すると事務所体力的にも厳しい。だからスピードを打ち出すことにしたんです。

――      でもシンドイと(笑)。

崎山      はい(笑)。でも23時間で特許出願書類を作成することは、けっして難しいことではないんです。誰にだってできると思いますよ。

――      ニーズはあるんですよね。

崎山      それはたしかです。だから、とくに若い方々、スピードを強みにしてみてもいいと思います。

――      崎山さんと、かぶりますよ(笑)。

崎山      私はスピードから引退したいので(笑)。やりたいという若い方々がいれば、ぜひスピードを看板に上げてみましょう!

――      じゃ、崎山さん、これからどうします?

崎山      今ね、新しい営業手法を「練習」しているんです。

――      練習?

崎山      先ほどチラシを持って行ったとお話ししたのは、企業にアポイント取って営業しに行ったときのことなんですよ。

――      そういうスタイルの営業はしたことがない?

崎山      はい、今は、ほとんど紹介ですから。でも、それで何とかなっている今こそ、次の段階として「営業」をやってみようかな、と。

――      お忙しいのに…。

崎山      しょっちゅうじゃないですよ。たまに、です。でも、まったく新しいことって、突然できるようにはならないでしょう。すぐに結果を求めるのは厳しい。だから年を取って動くのが億劫になる前に、今のうちに練習しようと。

――      たしかに年を取ると動くのが…(笑)。

崎山      今、40歳ちょうどです。これくらいの年齢なら、慣れない営業に行ったり、それがたとえ失敗しても、恥ずかしくないんです。これが50いくつになって初めて営業に飛び出しても、こちらのぎこちない営業トークに相手だって「??」と戸惑うんじゃないかな。

――      営業先の企業選びはどのように?

崎山      弁理士なら誰もが知っている特許データベースのサイトに、たくさん企業名が載っています。そこで、「ここ、どうかな」と思う企業さんについて、ここさいきんの出願件数、担当している特許事務所のタイプ、もちろん特許情報も詳しく見て決めています。特許の内容によって得手不得手がありますからね。みなさんも、自分に合いそうな企業を探してみてください。

(知財ポータルサイト特許ランキング http://ipforce.jp/Data

――      練習の成果、これから楽しみですね。

崎山      営業しても、全然お仕事をいただけないかもしれない。けれど、何度も失敗するうちに、見えてくるものもあると思うんですよ。「そもそもこのスタイルの営業は無意味だった」とわかるかもしれないでしょ。

――      それもまた、ひとつの成果です。

崎山      ただ今後、弁理士として独立開業する若い人々に私が何か言えるとしたら…。

――      はいっ!(身を乗り出す)

 

(第5回に続きます)

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目次
第1回 イメージカラーに優しいピンクを選んだ理由。
第2回 勉強会や交流会についての、崎山「作戦」。
第3回 弁理士資格を取ったら独立しよう。なぜなら…。
第4回 アピールするだけが、強みの活かし方じゃない。
第5回 代書屋になり下がらない、弁理士の新しい仕事。


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