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「必要資料、業績資料が不足している」と融資を断られたときの対応法

書類不足は、「防げる否決理由」です。専門家のサポートで事前の準備を整え、資金調達のチャンスを最大限に活かしましょう。

こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。

中小企業の資金調達支援に取り組む士業・コンサルタントにとって、融資がなぜ否決されたのかを正しく把握することは、非常に大切な業務のひとつです。

よくある否決理由のひとつが、「必要資料がそろっていなかった」「業績に関する資料が不足していた」といった「情報不足」

これは金融機関側が「審査をしたくても判断材料が足りなかった」という状態であり、「本来なら融資が通ったかもしれない案件が、情報不足のせいで否決されてしまった」という非常にもったいないケースです。

では、なぜこうした情報不足が起きてしまうのでしょうか。そして、士業やコンサルタントとして、どのように対応していくべきでしょうか。

※なおネクストフェイズは、事業者への個別アドバイスを行っていません。ご相談のある事業者は、ネクストフェイズが運営する一般社団法人融資コンサルタント協会の会員を検索して気軽に連絡を取ってください。融資の専門研修を受けた融資コンサルタントが、全国に1,000名以上います

情報がなければ判断できないのが金融機関

金融機関の融資判断は、提出された資料や担当者が入手した情報の内容をもとに行われます。つまり、「出てきた情報の範囲でしか判断できない」ということです。

たとえば以下のような状態では、「今は貸せない」と判断されるのは当然の流れといえます。

  • 資金使途が不明確に見える
  • 返済能力が読み取れない
  • 業績の推移が把握できない など

本来ならこうした情報は融資担当者が、面談のなかで経営者から丁寧に聞き出し、必要に応じて資料の追加提出を求めるなどして判断材料を整えるのが理想です。

しかし近年の人手不足や人材育成の遅れなどにより、必要な経験や対話力が十分でない担当者が増えてきているのは事実。経営者との面談を通じて重要な情報を引き出すべき場面でも、それができずに判断材料が不足したまま審査に回されるケースが目立ちます。

だからこそ士業・コンサルタントの立場から、必要な情報が過不足なく伝わるよう事前に整理し、資料として整えておく役割がますます重要になってきています。

金融機関から求められる書類要件を把握し、整理しておく

支援する専門家として最初に行いたいのは、「金融機関から追加で求められやすい書類」の整理です。

金融機関からよく求められる追加資料

  • 資金繰り表
  • 月次試算表
  • 借入一覧表
  • 借換理由書
  • 代表者の資産内容
  • 設備投資の見積書や契約書 など

たとえば売上が減少している企業が運転資金を希望した際に、「売上回復の見通し」「資金繰り表」が求められたにもかかわらず、経営者が自分で作成できず、頼れる専門家もいなかったため提出できず、否決された事例があります。

ある類似ケースでは、後に必要な資料を整えて再申請し、無事に融資が通りました。こうした「何を出せば審査が前に進むのか」という専門家からのアドバイスの有無が、資金調達の成果を大きく左右します。

月次資料で「現在の姿」を伝える

金融機関は決算書(過去の姿)だけでなく、足元の業績動向(現在の姿)も重視します。

そのため直近の数字回復傾向が見える資料をそろえることで、審査担当者が前向きに判断しやすい状況を整えることができます。

金融機関に提出すると効果的な月次資料

  • 月次試算表(直近6か月分)
  • 月次売上推移グラフ(前年同月比を添えるとより良い)
  • 受注残リスト、見込案件一覧
  • 取引先別の売上構成表

たとえば赤字決算「直後」に資金を申し込んだ企業が、実際には当期で黒字に転換していたケースがありました。そこで月次試算表と売上推移を添えて申請。金融機関が改善の兆しを確認でき、結果的に可決されたという事例があります。

資金使途の補足資料で納得感を高める

資金使途の記載があいまい=「用途がはっきりしない資金」は、金融機関は貸しにくいものです。とくに設備資金や借換資金のような目的が明確な融資では、根拠となる書類を添えることが効果的です。

資金使途を補足する資料の例

  • 設備の見積書・発注書
  • 借換元の借入一覧(契約条件を含む)
  • 仕入予定表・仕入契約書
  • 融資の効果見込みのシミュレーション資料(例:生産性向上→粗利改善)

「業務効率化のためのIT投資」とだけ書かれていた申請(今の時代、この使途はありがちですよね)が、①具体的なシステム名②費用対効果のシミュレーション資料を添えたことで、再申請時に通過した事例もあります。

「整った書類」は、それだけで信頼につながる

実務上、「見せ方ひとつで融資が変わる」という事例は少なくありません。内容が同じでも、資料の整え方によって、金融機関が受ける印象は変わります。

金融機関から信頼を得やすい提出書類の工夫例

  • 書類が時系列順にファイリングされている
  • 不明点や特記事項に注釈が添えられている
  • 目次インデックスをつけて見やすくしている
  • コメント補足説明が加えられている など

こうした細かい気配りが、「この会社は丁寧に経営している」「専門家がサポートしている」等の好印象につながり、審査の心理的ハードルを下げます。

情報不足は「防げる否決理由」のひとつ

情報不足による融資否決は、他の理由と比べて「防ぎやすい否決理由」です。

必要な情報を見落とさず、十全に整えて提出することができれば、融資が可決に変わる可能性は十分にあります。

金融機関の実務や判断基準に精通する経営者は少なく、「どこまで出せばいいのか」「どうまとめれば伝わるのか」を知りません。また「金融機関にすべてを提出すれば、万が一返済が難しくなったときすべてを持って行かれるのでは」という心理的な壁もあるでしょう。

そこで、士業・コンサルタントの出番。適切なアドバイス実務サポートで、頼られる専門家でいたいものです。

融資支援の実務に強くなるために

本記事でご紹介してきた融資実務に関する知識や対応力を高めたい士業・コンサルタントに向けて、ネクストフェイズは「融資支援ノウハウ習得セミナー」を開催しています。

このセミナーでは、金融機関から信頼される専門家になるための融資支援の実務知識と、顧客の資金調達を成功に導く具体的な手法を学べます。

士業・コンサルタントが「融資に強い専門家」へとステップアップするために、融資支援の全体像や基本的な進め方、金融機関との向き合い方ついて、 実際の事例を交えながらわかりやすく解説します。

融資相談への対応力を高めたい、顧問契約継続支援の導入につなげたいと考えている士業・コンサルタントにとって、実務で成果を出すための確かな土台となるセミナーです。

※融資に関する質問などにもその場でお答えします

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