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実例:日本政策金融公庫からコロナ融資を断られました

まれに、こんなこともある。ここで大切なのは、「ハズレ担当者にあたったときの対処法」です。

こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。

現在、ネクストフェイズでは、金融機関の情報を集めています。

●融資に消極的な金融機関情報も集めています

このブログを読んだ経営者から、「地元の金融機関からひどい仕打ちを受けた」と情報提供をいただきました。

メールを読み、実際にこの経営者と電話で話をしました。「地元の金融機関」とは、日本政策金融公庫のことでした。

さまざまな会話をとおして私が出した結論は、以下のとおりです。

民間金融機関だけでなく、日本政策金融公庫にも、(残念ながら)ハズレ担当者はいる
※でも、ほとんどの担当者は熱心

 

いただいたメール:日本政策金融公庫からコロナ融資を断られました

まずいただいたメールをご紹介しましょう。

ネクストフェイズ様
いつも御社のウェブサイトを拝見しております。【融資に消極的な金融機関情報も集めています】というブログを拝見しましたので、情報提供いたします。

【創業1年未満の企業です】
弊社は、昨年10月に創業したばかりの会社です。

今回の新型コロナウイルスの影響で業績が悪化し、売上が大幅に落ち込みました。創業してあまり間もないのですが、このままでは、先行きの不安が日に日に増しておりましたので、運転資金を借りるために、地元の日本政策金融公庫●●支店を訪問しました。

【日本政策金融公庫でほとんど門前払い】
「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を申請したいとお願いしたのですが、まともに話を聞いてもらえず、ほとんど門前払いという対応を受けました。

公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」のサイトを見ると、昨年設立した法人でも申請できるとあったため、できる限りの資料を揃えて公庫に申請したのですが、最初からまともに話を聞いてもらえませんでした。

【面談の場で】
面談の際も、最初から「融資は無理」という結論ありきで話をされていました。提出した資料の内容も把握せず面談に臨まれていたようで、すでに提出しているにもかかわらず、「試算表を提出ください」と言われたときには驚きました。「試算表も見ずに、面談を行っているのか」と、ビックリしてしまいました。

【資料を見ても否定ばかり】
あらためて提出した資料を見ても、否定ばかり。

1/実績がない
2/社長がほとんど資産をもっていない
3/コロナ後、こんなに売上が増加するとは思えない

まったく検討しようという態度さえありませんでした。

【譲歩もしたけれど】
「全額が無理なら、申請額を減額してもいいので、何とかお願いします」と伏してお願いしても、聞く耳を持ってくれません。

【結局…】
結局、否定的な言葉を聞かされ続けたまま、融資を断られました。

返済できる見込みのない会社にいくらでも融資しろとは言いませんが、もう少し親身になって対応して欲しかったというのが、正直なところです。

この結果を受け、この経営者は民間金融機関へ足を運びます。続きを読みましょう。

【民間金融機関で融資成功】
その後、同じ資料を持参して地元の信用金庫に融資を申し込むと、「セーフティネット保証4号」による融資で対応していただいたので何とか事なきを得ました。

が、今回の公庫の担当者の応対は、本当に困っている中小企業にとって、ひどいとしか言えないものだったと思います。

民間金融機関で「セーフティネット保証4号」を受けられて、本当によかったです。メールを読み、私もほっとしました。着金しないと、話にならない。だって、企業の存続がかかっているのです。何はともあれ、融資がうまくいったことが何よりです。

しかしこの経営者のメールにあるとおり、今回の担当者の対応は、本当にひどい。この件について、以下にご説明しましょう。
 

昔、こんな応対をする担当者が結構いた。しかし…

2003年に私が融資コンサルタントとして独立してしばらくの間、日本政策金融公庫は国営の国民生活金融公庫という名称でした。「国金(こっきん)」という略称になじみのある事業者、また税理士などの士業やコンサルタントも多いでしょう。

その頃の国金には親方日の丸を笠にきて、「貸してやるんだ」「返済できない可能性が少しでもあれば貸さない」的な応対をする担当者が結構いました。また、国金に限らず金融機関の「貸し渋り」が問題になった時代でもあります。実際、私のクライアントが国金から何人も同じような目にあって泣かされました。

しかし2008年に国金が民営化されて日本政策金融公庫になったとき、「今後、木で鼻を括ったような、上から目線の対応は絶対にするな」と、お上から強く指導があったようです。たしかに民営化後の公庫では、このように融資に後ろ向きの担当者は、ほぼいなくなりました。

…と思っていたのですが、今回いただいたメールのような担当者も、まだいるのですね。この情報提供者に、当該担当者について詳しく話を聞いたところ、役職から想像するにおそらく年齢は30代後半~40代初めのころ。「国金時代」に就職し、若いころに「国金」としての融資姿勢や仕事の流れを覚えたのでしょう。

もちろん時代は大きく変わり、それにあわせてこの担当者も変化したはず。しかし現在は新型コロナウイルスの影響で、近年になく多忙な時期。あまりに忙しくて、業務を増やしたくないあまり、以前のような塩対応をしてしまったのかもしれません。

…と同情はこれくらいにして、本音で話しましょう。私はこの情報に接して、めちゃくちゃ憤っています。困っている事業者に何らかの手を差し伸べるのが、融資担当の務めでしょう。こんなの、完全に職務放棄じゃないか。

私に言わせれば今回の話、「日本政策金融公庫の、(ごくごく一部ではあるが)仕事のできない担当者が、面倒な仕事を避けるために顧客無視の応対をした」、です。
 

情報としていただいた応対の問題点

感情をおさめ、冷静に話します。

日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の対象は、創業して3ヶ月以上、事業を行っている企業で、売上減少要件を満たしていれば誰でも申し込むことができます。

少なくとも上記の1と2、「実績がない」「社長がほとんど資産をもっていない」という理由で、窓口においてまともに話を聞かず、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を断ることなど…

あ り え ま せ ん。

創業してあまり期間のない企業に「実績がない」のは当然ですし、社長の資産は、そもそも融資の申し込み要件になっていません。実績がなくても、社長の資産がなくても、借りることができた事例は公庫にもたくさんあります。

また上記3についても、未来のことは誰も確信を持って断じることはできません。たとえば創業間もない企業が、同業他社の例など一定程度の根拠ある売上計画を提出しても「コロナ後こんなに売上が増加するとは思えない」と言われてしまうと、どの事業者も借りることができなくなりますよね。コロナ後の売上がどうなるかなんて、誰が断言できると言うのでしょう。

百歩譲って、金融機関側から「コロナ後こんなに売上が増加するとは思えない」という話をしたとしましょう。しかしそこで「もう一度計画を見直してみてはいかがでしょうか」とアドバイスを行い、融資の門戸を開くのが、未曾有の危機下にある金融機関の担当者の役割だと思います。

「コロナ後こんなに売上が増加するとは思えない」という言葉は、「ただ断るためだけの言い訳」としか、どう考えても思えません。その証拠に、同じ資料を提出した民間金融機関で、「セーフティネット保証4号」による融資がスムーズに通っています。

以上、今回の対応は「新型コロナウイルス感染症特別貸付」のコンセプトとまったくかけ離れている最悪の対応だと私が断じる根拠です。
 

ほとんどの担当者は、真面目で熱心

誤解されてはいけませんので、はっきり申し上げておきます。新型コロナウイルスというこんな特別な時期に、こんなに「貸したくない」ムードの応対をするのは、本当に、ごく一部の、出来の悪い担当者です。本記事の冒頭で私が「まれに」と書いたのは本音で、実にレアケースだと思います。しかしたしかに今もごく一部この手の担当者は存在しますし、そんな担当者のせいで「公庫は中小企業の悩みに真剣に取り組んでくれていない」と言われることもあるでしょう。

しかし少なくとも私が知っている公庫の担当者は、目の前に相談に来る事業者の役に立とうと心底から願いながら頑張っています。自分の時間をぎりぎりまで削って職務に向き合い、それでもどんどん増える案件を思うようにこなせず、悔しい思いをしているのです。

だからみなさん、公庫全体にこのような傾向があるとは、どうか思わないでください。
 

残念な事実 → 金融機関の担当者には「アタリ」「ハズレ」がある

公庫に限りませんが、金融機関の担当者には「アタリ」「ハズレ」があります。「アタリ」担当者にあたった場合は、希望する金額を借りることができることが多く、融資もスムーズに進みます。

しかし「ハズレ」担当者だと、上記のように最初からネガティブな要因だけをピックアップして断ろうとしてきますし、申請を受け付けてくれても時間がかかったり(上司等に相談せず自分ひとりで抱え込んでしまうから)、案件が通らなかったり(説得力のある稟議書が作成できないから)することがしばしばです。

担当者にも能力やモチベーションの差があるので仕方がない部分もありますが、「ハズレ」担当者にあたった経営者にとっては、たまったものではありません。できる限り「アタリ」の担当者に出会いたいものです。
 

「ハズレ」担当者対策、これが有効

「ハズレ」の担当者への対策は、2つあります。私が上記の経営者にアドバイスするなら、(1)です。

(1)「ハズレ」担当者の上司に直談判する

「ハズレ」の担当者にも上司がいます。

その担当者が申請に来た経営者にひどい対応をしても、その対応報告をまっすぐ上司へ行いません。自分の都合の良いストーリーを作るので、申請に来た経営者に対して部下がひどい対応をしたと、上司が知ることはまずありません。今回の事例も、おそらくそのケースだと私は踏んでいます。

「この事業者は創業から時間が経っておらず、実績もないのに根拠なくコロナ後の夢物語を描いて、実力以上の融資を試みただけ。断って当然」
(あくまでヒガシカワの想像)

こんなハズレ担当者にあたったときは、上司に直談判することで対応が変わることはよくあります。もし私が上記の経営者なら、この方法を採ります。

「創業まもなくの企業に実績がないのは当然ですよね? また社長の資産の多寡は、要件にないですよね? こんな対応をされて困っているんですが」と私なら支店に電話し、直属の上長につないでもらって訴えます。

民間金融機関なら、普段から上司とのパイプを作っておくことで、不当な応対を防ぐことができます。また、とくに士業やコンサルタントなら、日本政策金融公庫とのパイプづくりも難しくありません。

ちなみに直属の上長は多くの場合、「融資課長」または「営業課長」です。覚えておいてくださいね。

(2)最初から「アタリ」担当者を狙いに行く

「ハズレ」担当者名があらかじめわかっていればその担当者を避けることができますが、そんなネガティブな情報がそうそう転がっているわけではありません。「アタリ」担当者を最初から狙うのが早道です。

公庫の場合、優秀な担当者と懇意にしている士業やコンサルタントも少なくありません。金融機関に詳しい士業やコンサルタントに、「アタリ」の担当者を紹介してもらうことができれば、「ハズレ」の担当者に当たらずに済みます。

ネクストフェイズや、ネクストフェイズが運営する一般社団法人融資コンサルタント協会にいただく金融機関情報には、「金融機関名」「支店名」「担当者名」が書いてあることが多いです。今回いただいた情報にも、支店名も担当者名も記載されていました。

ネガティブな情報を一般に公開するのははばかられますが、一般社団法人融資コンサルタント協会の会員の間では共有しています。金融機関とは、長い時間をかけて信頼関係を築いていくのがベストですが、「あまりにも資金繰りがピンチで、新しい金融機関のハズレ担当者とやりとりする時間がもったいない状況」の場合、「ハズレ」担当者情報を持つ専門家に最初から相談するのも、ひとつの方法です。
 

金融機関情報をお寄せください

再度お伝えしますが、ネクストフェイズと一般社団法人融資コンサルタント協会は、融資に積極的な金融機関情報はもちろん、消極的な金融機関情報も集めています。士業やコンサルタントのみなさま、実際に融資申し込みに行ったときの情報などぜひお寄せください。

※情報を提供くださった方は、感謝の気持ちをこめて、ネクストフェイズの「融資に強いFP・士業になる方法セミナー」に無料招待いたします。セミナーでは融資のコツ、金融機関との付き合い方などを、ヒガシカワ自らお伝えします。融資に強くなって、事業者から気軽に相談してもらえる士業やコンサルタントになる第一歩にしていただければ幸いです。

情報のご提供は、こちらからお願いいたします。

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いただいた情報はこのブログで紹介することもありますし、
また、それらの情報を基にした以下の一覧に掲載する予定です。あらかじめご了承ください。

●新型コロナウイルス影響下の現在、新規融資に積極的な民間金融機関リスト

 ※担当者など個人名は出しませんのでご安心ください。また諸事情により支店名を伏せることもあります


 
金融機関や担当者によって、融資をしてもらえる確率は大幅に変わってきます。

融資に対して積極でない金融機関にいくら交渉しても結果にはつながりませんし、「ハズレ」の担当者に当たれば時間を無駄にするだけです。

融資の確率を高めるためには、金融機関や担当者に対する「目利き力」が必要となります。しかしただ漠然と金融機関とつきあっているだけでは、そんな「目利き力」は身につきません。「目利き力」を身につけるためには「融資全般についての専門的な知識」が必要となります。

そんな【融資全般についての専門的な知識】を身につけるための方法が手に入ります。

※融資に関する質問などにもその場でお答えします


 

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