企業から見た金融機関の評価              【平成30年事務年度 金融庁の行政方針(2)】

企業からの評価は、だんだんと良くなっているところもあるようです

こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
金融庁は、毎年、中小企業に対して、
企業ヒアリング・アンケート調査
を行っています。

また、金融機関に対しての監督・検査・モニタリングにより、
現在の金融機関の金融仲介機能の発揮状況に対する調査を行っています。

これらの調査結果を踏まえ、金融庁は、金融機関に対する指導方針を決定しています。
この行政方針を読むことで、今後の金融機関が、どういう業務方針で臨んでいくのか
読み解くことができます

1.企業ヒアリングによる中小企業に対する金融機関の支援姿勢の変化

この調査の結果、現在の金融機関の「事業性評価融資」や「本業支援」に
取り組んでいる状況が見てとれます。

<経営上の課題や悩みの把握等について>
◯「昨年と比べ、顧客企業の経営上の課題や悩みを良く聞いてくれるようになった」
 とする企業の割合が全体で4割
◯「昨年と比べ、経営上の課題の分析結果を良く伝えてくれるようになった」
 とする企業の割合が全体で3割弱
◯「昨年と比べ、メインバンクから融資を受ける際に担保・保証を求められることがなくなった
 又は少なくなった」とする企業の割合が全体で約3割

⇒ 経営上の課題や悩みを把握してくれる金融機関が増加

<金融機関の経営支援による企業の改善比率>
◯過去1年以内に金融機関から受けた経営支援サービスにより、売上又は利益等が
 改善したとする企業は約6割
◯特に債務者区分が下位になるほど高い効果が見られた。
◯こうした金融機関の貢献に対し「新規融資を申し込んだ」とする企業が全体で約4割
◯「事業や経営に関する悩みや課題を相談するようになった」とする企業が要注意先以下で3割強

⇒ 経営支援に積極的に取り組んでいる金融機関が増加

2.【金融仲介機能のベンチマーク】の進捗状況

◯地域銀行から提出された各共通ベンチマークの全体的な進捗状況を確認した結果、
 おおむねその取組みに進展が見られた。
◯特に共通5(全与信先に占める事業性評価に基づく融資を行っている与信先の割合)は、
 ほとんどの地域銀行において進展している。
◯本年3月期において、地域銀行の約9割が共通ベンチマークを開示している。

3.経営者保証に関するガイドライン

<経営者保証に関するガイドラインの活用状況>
◯「経営者保証に関するガイドライン」の活用状況について見ると、
 現状、新規融資に占める経営者保証に依存しない融資の割合は、約16%
◯代表者の交代時において、旧経営者の保証を解除せず、かつ、
 新経営者からも保証を徴求(二重徴求)しているケースは全体の4割弱。
個別の金融機関の状況を見ると、ガイドラインの活用や二重徴求解消に関する組織的な取組みは、
 金融機関ごとに大きな違いが見られる。

<無保証融資割合等が比較的高い金融機関と低い金融機関の違い>
無保証融資割合が高く推移している金融機関では、経営トップがむやみに
 保証を徴求しないとする方針を定め、営業現場の担当者が保証徴求の要否を簡易に判断できるよう、
 本部において、具体的かつ明確な基準を定めるとともに、事業者の実情等を踏まえ、
 ガイドラインの各要件の判断基準の緩和や事業性評価の内容等を考慮して総合的に判断する等の
 取組みを行っていた。

◯ガイドラインの活用が習熟している金融機関では、経営トップがガイドラインに関して、
 経営戦略として以下のような考えを持って取り組んでいることが窺えた。
経営者保証による債権の回収額が僅かであることを踏まえ、保証徴求の判断や
 回収に要する事務の時間を、顧客との関係構築の時間に使いたいとの考えの下、
 原則、経営者保証を徴求しない取組みを実施

越境融資に対抗するべく、ガイドラインの活用(無保証融資)を進めることが
 他行との差別化や競争力の強化につながるとの考えの下、取組みを実施

当初は、社会的要請という考えの下でガイドラインの活用に取り組み始めたが、
 活用を進めていく中で、職員の事業性評価の能力が向上して、
 担保・保証に過度に依存しない融資が促進され、また、他行とは異なるブランド力を高めることが
 可能であるとの確信を持つことができたため、現在は積極的な取組みを実施

<事業承継時におけるガイドラインの活用状況>
◯二重徴求の割合が低い金融機関では、経営トップ主導の下、二重徴求を原則禁止するほか、
 例外として旧経営者から保証徴求を行う際にも、代表権の有無や株式保有割合等を基に
 具体的な保証徴求基準を定め、併せて保証解除に向けたアドバイスを行う等の取組みを
 行っていた。

⇒ 金融機関により、経営者保証への取組は大きく違っている。
 経営者保証を徴求しない金融機関を見極め、取引金融機関のひとつに、
 そのような金融機関を加えておくことが必要。

これらの内容を踏まえ、金融庁は、金融機関への指導方針を決定したのですが、
その内容につきましては、次回にお伝えしたいと思います。


金融庁の指導方針には、基本的に金融機関は逆らうことができません。
しかし、その取組方針に濃淡があることは、間違いありません

例えば、「経営者保証」についてでも、ある金融機関は積極的に取り組んでいますが、
別の金融機関は、とても消極的です。

保証協会の保証付き融資に関しても、未だに、それを積極的に推進している金融機関もあります。

これからは、取引する金融機関の選び方一つで、融資を受けるときの条件は、大きく変わってきます
金融機関への目利き力が重要となります。

そんな金融機関の目利き力を身につけるためのヒントが手に入ります。

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