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「強み」を尖らせたのに相談が増えないのはなぜ? 士業・コンサルタントが顧客獲得で押さえたい「2つの強み」の使い分け

早い話が、「差別化ポイントと言えるものなら何でもいい、というわけではない」ということです。マーケットの広さ(狭さ)もあわせて考えて打ち出せば、より広い顧客層にアプローチできます。

【この記事のポイント(要約)】

  • 「強み」を尖らせすぎると顧客の母数が減る:
    差別化を意識しすぎて「狭すぎる強み」を掲げると、見込み顧客の母数そのものが激減してしまう
  • 「強み」を2つ持とう:
    強みは「①間口の強み(接点をつくる入口)」と「②奥行きの強み(信頼を深める専門性)」に分けて考えるのが鉄則
  • 強みを打ち出す順番を間違えない:
    まずは経営者の相談ニーズが多いテーマ(融資支援など)で接点をつくり、後から独自の専門性を発揮する「順番」が大切

ネクストフェイズのセミナー、また各種勉強会などで出会う士業・コンサルタントとお話ししていると、「他と差別化するために、自分の強みをどう打ち出せばいいか悩んでいる」という声を本当によく耳にします。

その方々の名刺やWebサイトのプロフィールを拝見すると、ご自身の専門性やこれまでの実績を反映した、ターゲットが明確でたいへん魅力的な「尖った強み」を掲げている方が少なくありません。

ところがその一方で、「これだけ強みを明確に打ち出しているのに、なかなか新規の相談につながらない」という壁にぶつかってしまうのです。

せっかく時間をかけて、また工夫を重ねて磨き上げた強みなのに、なぜ顧客獲得に直結しにくいのでしょうか。今回は、AI検索やWeb集客でも重要視される「ポジショニングの視点」を踏まえながら、顧客から選ばれるための「強みの考え方と使い方」について整理してお伝えします。

なぜ「尖った強み」だけでは相談が増えにくいのか?

ネクストフェイズはこれまでブログなどで、「独自の強みを作ろう」「他の士業・コンサルタントと差別化しよう」と繰り返しお伝えしてきました。同じ資格を持つ人が多い業界だからこそ、選ばれるための「強み」が必要であるという根本の考え方は、今もまったく変わりません。

しかし現場の士業・コンサルタントからいただくご相談をお聞きするなかで、ひとつ痛感していることがあります。それは、「強みであれば、あるいは他と違って尖ってさえいれば、何でもいいわけではない」ということ。

差別化を意識するあまり「強みを絞り込みすぎてしまう」と、顧客開拓の現場では別の難しさが生まれてしまいます。実際の現場でよく見られる3つのケースを見てみましょう。

事例①:独立3年目の税理士の場合(ターゲットが狭すぎるケース)

独立して3年が経ち、顧問先をさらに増やしたいある税理士の先生の事例です。他事務所との差別化を図ろうと、「医療法人に特化した事業承継・資産税対策の専門家」という看板を掲げました。

非常に専門性が高く、実際に事業承継を迎える医療法人の理事長にとっては、これ以上ない頼れる存在です。しかし、「医療法人」かつ「今まさに事業承継や相続で悩んでいる」という条件に絞り込むと、地域の中で出会える見込み顧客の母数そのものが極めて少なくなってしまいます。

事例②:中小企業診断士の場合(顧客の悩みとテーマにズレがあるケース)

財務分析に長けた中小企業診断士の事例です。強みとして「決算書から、貴社の倒産リスクを精密に分析します」と打ち出しておられました。

分析手法としては高度で客観的な事実を示せる力があるものの、多くの経営者が今すぐお金を払って相談したいのは「自社がどれくらい危ないかの精密検査」ではなく、「資金繰りを改善し、会社を良くするために何をすべきか」という解決策です。強みの提示と、顧客が相談したい動機との間にズレが生じてしまっていたのです。

事例③:ITコンサルタントの場合(条件の掛け合わせで対象が限られるケース)

組織づくりを支援するITコンサルタントの事例です(AIの隆盛により、ITコンサルタントは近ごろ増えていますね)。「社員30人以下のIT企業に特化した、現場管理職の育成支援」と打ち出しました。

ターゲット層は非常に明快ですが、「IT企業」「社員30人以下」「管理職育成に予算を割ける」という条件が重なれば重なるほど、該当する企業と自然に出会える確率は下がっていきます。

ポジショニングを考えるときの「市場の広さ」という視点

このように、強みを尖らせれば「誰のための専門家か」はわかりやすくなります。一方で、「その悩みを日常的に抱えている経営者が、世の中にどれくらいいるのか」という視点が抜けてしまうと、せっかくの強みが相談の入口として機能しづらくなってしまいます。

「競合が少ないポジション」を見つけたとき、それが以下のどちらかを見極めることが欠かせません。

  • 「競合がまだ気づいていない有望な分野」なのか?
  • 「そもそも相談ニーズを持つ顧客が少なすぎるため、誰も参入していない分野」なのか?

決して、あなたの専門性の高い強みを捨てる必要はありません。大切なのは、強みを「どの順番で使っていくか」という視点です。

「間口の強み」と「奥行きの強み」を分けて考える

士業・コンサルタントが持つ強みは、大きく2種類に分けて考えるとスムーズになります。それが「①間口の強み」と「②奥行きの強み」です。

1. 間口の強み(接点をつくるための強み)

多くの経営者が日常的に悩んでおり、「それなら一度相談してみたい」と直感的に感じてもらえるテーマです。ここでは高度な専門性よりも、「相談件数の多さ」「悩んでいる経営者の母数の多さ」が重要です。

2. 奥行きの強み(信頼を深め、継続受注につなげる強み)

契約後や関係性が深まった後に真価を発揮する、あなた独自の専門性やノウハウです。「こんな高度なことまで対応してくれるのか」「ここまで深く見てくれる先生だったのか」と実感されることで、他者に代わることが難しい強固な信頼関係が築かれます。

新規獲得で伸び悩んでしまう原因の多くは、そもそも強み・特徴を強く打ち出していないこともあるのですが、「②奥行きで発揮すべき高度な強み」を、最初から「①間口(看板)」に掲げてしまっていることにあります。

まずは経営者にとって身近で相談しやすい「①間口の強み」で接点をつくり、関係性ができたところで本来の「②奥行きの強み」を発揮する。この順番を意識するだけで、出会える顧客の数は大きく変わってきます。

「間口の強み」として活用しやすい融資・資金調達支援

では、士業・コンサルタントにとって「間口の強み」にしやすい業務にはどのようなものがあるでしょうか。その代表的なひとつが「融資、資金調達の支援」です。なぜなら中小企業の経営において、資金需要の悩みは尽きることがないからです。

  • 設備投資をしたいとき
  • 新規事業を立ち上げたいとき
  • 一時的に売上が落ち込み、運転資金を確保したいとき
  • 業容拡大に向けて手元資金を厚くしておきたいとき など

このように、金融機関からの調達や資金繰りについて「相談できる専門家」を求めている経営者は常に数多く存在します。

融資支援を入口(間口)として関わりを持つことができれば、そこから本来の専門業務(奥行き)へと自然につなげていくことができます。

  • 税理士なら、税務、試算表の作成、本格的な財務・税務コンサルティングへ
  • 中小企業診断士なら、経営改善計画や事業計画書の策定支援へ
  • 行政書士なら、各種許認可の取得や補助金・助成金の申請支援へ
  • 各種コンサルタントなら、本来の強みである業務改善や組織マネジメントの支援へ

融資支援そのものを、最終的なメイン業務にしなくてもいいのです。「顧客と出会うための入り口」として持っておくことで、ご自身の本領を発揮できるステージへと顧客を導くことができます。

まとめ:強みは「順番」を意識して使い分ける

「尖った強み」や「高い専門性」は、士業・コンサルタントにとってかけがえのない財産です。

だからこそ、その強みを埋もれさせないために、まずは経営者の相談ニーズが多い「間口の強み」で接点をつくる。そして、信頼関係ができた段階で自分ならではの「奥行きの強み」を発揮する。

「どの強みを入口として提示するか」を見直すことが、安定した顧客獲得への第一歩です。

よくあるご質問(Q&A)

Q. 間口を広げると、「何でも屋」に見られて単価が下がってしまいませんか?

A. 「何でもやります」と言うのではなく、「入口として相談しやすい特定のテーマ(例:融資、資金繰り支援など)」を明確に提示するため、けっして何でも屋には見られません。「融資の相談ができる先生」という確固たる看板を掲げつつ、本契約後に本来の専門性(奥行き)を発揮することで、高い専門性評価と適正単価を両立できます。

Q. すでに名刺やWebサイトに尖った強みを書いてしまっているのですが、すべて作り直すべきでしょうか?

A. 全面リニューアルする必要はありません。その尖った強みは「奥行き(実績・専門分野)」として残しつつ、名刺のサブキャッチやWebサイトのバナー、相談メニューなどに「経営者が気軽に相談できるテーマ(間口)」を1つ足すだけでも、相談の入り口は大きく広がります。

金融機関出身でなくても身につけられる「間口の強み」

「融資支援に興味はあるけれど、元銀行員ではない自分にできるだろうか」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし融資支援の現場で求められるのは、元銀行員の経験そのものではなく、「金融機関が審査時にどこを見ているか」「経営者からどのような情報をヒアリングし、どう資料に落とし込むか」という基本的なノウハウです。※ときに、銀行勤務経験があまりに古すぎると、現在ではノイズになることも… ←小声

ネクストフェイズは、これから融資支援を自事務所の「間口の強み」として取り入れたい士業・コンサルタントを対象に、「融資支援ノウハウ習得セミナー」を開催しています。

より多くの経営者に、自分の強みを届けるための「新しい入口」として、ぜひご活用ください。

 「融資支援ノウハウ習得セミナー」通常料金 5,610円 → 無料キャンペーン中

※顧客の融資に関する個別質問などにもその場でお答えします

マンツーマンで、士業が「強みの整理」を相談できる場所

  • 「自分の経歴や資格の場合、具体的に何を『間口』にして、何を『奥行き』にすればいいのか?」
  • 「自事務所に合った独自のポジショニングを、 1 on 1 で棚卸ししたい」

という方には、マンツーマンでじっくり課題を整理する「プライベートコンサルティング」も承っています。他者の視線が気になる、自分のことを話すのに抵抗がある士業・コンサルタントに好評です。

たとえば先日は、ある士業の相談にのり、「これ、この士業らしくない。でも、だからこそニーズがある」という目標をふたりで話し合いながら設定でき(「この資格らしくない」業務の幅を、この方が希望していたのです。士業として新しいキャリアの展望が開けました)、実現までのアクションプランまで完成。

セミナーのように全体向けではなく、あなた自身の経歴、事務所の状況やこれまでの実績、今後の希望などを伺いながら、最適な顧客獲得の導線を、ともに考えながら、個別に設計しましょう。

  • 実施形式: 個別対面またはオンライン(マンツーマン)
  • 日時: 双方のスケジュールを個別に調整して決定
  • 費用: 60,000円(税別)/60分+α
     ※1回のセッションで終わるよう努めます。また、ほとんどが、1回のセッションでご満足いただけています

「今すぐ事務所の強みを明確にし、最短距離で顧客獲得につなげたい」とお考えの士業・コンサルタントは、以下より詳細をご確認ください。これまでの相談事例も掲載しています。

この記事の著者

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東川 仁

株式会社ネクストフェイズ 代表/中小企業診断士/一般社団法人融資コンサルタント協会 代表理事
士業・コンサルタント向けに、銀行融資の支援、金融機関との関係づくりをテーマとした研修・セミナーを実施。

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