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落藤伸夫中小企業診断士インタビュー【2】「融資コンサルタントのビジネスモデルは?」

東京都新宿区で独立開業している中小企業診断士、落藤伸夫さん(55歳)。

大学卒業後から勤めていた日本政策金融公庫を2014年に退職し、
翌2015年、53歳のとき、経営コンサルタントとして独立開業しました。
同じ2015年秋には、
一般社団法人融資コンサルタント協会認定のSP融資コンサルタント資格を取得。

今回は落藤さんが初めて受注した融資サポート案件を振り返りながら、
実際に請求した報酬料金も踏まえた新メニューづくりから顧客獲得の仕組みなど、
「融資コンサルタント×中小企業診断士」のリアルなビジネスモデルをお伺いしました。
いつものように5回連載でお届けします。

聞き手はネクストフェイズ編集部ですが、
今回も取材に同席していたネクストフェイズ代表・東川がときどき発言しています。

落藤伸夫さんプロフィールはこちら

落藤伸夫中小企業診断士インタビュー <全5回>
「融資コンサルタントのビジネスモデルは?」

【もくじ】
第1回 初めての融資サポート、内容と報酬額
第2回 今回の失敗ポイントを振り返る
第3回 現場で初めて知った、経営者のニーズ
第4回 融資サポートは、顧問化のきっかけ
第5回 金融機関は、士業の同行を嫌がらない
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【第2回】今回の失敗ポイントを振り返る

―― 一見、完璧な結果を手にされたように思うのですが、失敗点もある?

落藤 はい、この案件のゴールは「公庫の残債140万円の巻直し&新規融資360万円」だと私は認識していました。つまり、経営者が実はメガバンクの巻直しも並行して希望しているなんて、私、知らなかったんですよ。

―― 公庫用に作った事業計画書を、経営者がメガバンクにも持っていったのを、落藤さんはご存じなかったんですか。

落藤 そのとおりです。最後の面談で、今日この部分の文面を調整して完成ですねって状態の事業計画書をお見せして、経営者からも「ありがとうございます」と言われていたんです。しかしその後、「こないだの書類をメガバンクに提出したら、巻直しが可能になりました」って言われて(笑)。

東川 報酬が発生したポイントだったのに…。

落藤 はい、同じ書類を別の金融機関にも流用したいということなら、たとえば書類作成やその他の項目について、報酬をもう少し上げることができたはずです。

―― もったいなかった…。

落藤 今後は、先方の状況や意向をきちんとヒアリングしないといけないと思っています。でも、それだけじゃないんです、失敗点。

―― まだあるんですか?

落藤 融資がおりただけでは、その企業さんにとってはまだスタート時点なんです。本来のコンサルタントの仕事は、融資を利用してその企業の業績を上げること。融資がおりたね、よかったね、で終わりじゃないはずなんですよ。

―― というと?

落藤 融資後しばらくして社長さんとお会いした時に、事業計画に記載した、新製品向けの新しいマーケティング策が実行されていないことに気が付きました。このため「計画通りにマーケティング策を変えないと、売上が伸びませんよ。それでは返済が難しくなるでしょう。フォローのコンサルティングをしましょうか」と提案したのですが、「今はいいよ」と断られてしまいました。

東川 じゃ、ひとつ僕から提案しますわ。融資実行後の半年間サポートを、「フォローアップコンサルティング」として融資サポートとセットにするんです。


●「きちんと融資後もサポートを…」と願う真摯な落藤さんに、東川も新メニュー発案で知恵を絞る

東川 つまり、「資金調達+その間の業績向上コンサルティング+融資後6ヶ月のフォローアップコンサル=この値段」というセットメニューです。資金調達だけでも、フォローアップコンサルティングをつけても、同じ値段。じゃ、コンサルティングもお願いしますって話になりますやん。

―― しかし、その分、報酬は高くなりますよね。

東川 その料金も含めて融資してもらえばいいだけのことやで。それに、融資がおりたときにフォローアップコンサルの分も含めて報酬をいただくので、取りっぱぐれがありません。ただし、コンサルティング料という項目に対して金融機関はあんまり喜びませんので、別の名目にしといた方がいいと思う。事業計画書を作る腕にかかってくるけどね。

落藤 今回の反省点としては、メガバンクの件も融資後コンサルティングの件も、どちらもお客さんとのコミュニケーションが、十分ではなかったということです。

―― コミュニケーションが十分ではなかった?

落藤 私は、事業計画書に盛り込むべき項目についてコミュニケーションしていれば十分だと思っていました。それはできていたと思います。でも、それだけではないのですね。企業がどのような状況にあり、経営者が何を考えているのか。今後、何が想定されるのか。そちらについてのコミュニケーションも必要だったのです。それができていれば、コンサルティングについてもあらかじめ提案でき、想定できる内容をあらかじめサービス内容に盛り込んでおけばWin-Winだったはずなのに、ということですね。

―― なんだかPDCAを回しているみたいです。

東川 じゃ「C」まで終わったので、次なる「A」として、ちょっと試算してみましょう。今回の案件は報酬対象額が360万円なので、その資金調達の成功報酬が5%で18万円。その間の業績向上コンサルティング、これはすでに落藤さんもご請求なさっていますが、18万円。それに加えて、「融資後半年間のフォローアップコンサルティング」が月3万円×6ヶ月=18万円。計54万円ですね。

―― まとめると、360万円の融資サポートをお願いすれば、その他のコンサルティング報酬も含めて54万円というセットメニューになるんですか。

東川 さらに経営革新計画と経営力向上計画などのオプションで単価アップも図れます。これは落藤さんのサイトにも、すでに記載されていますよね。

―― そういえば落藤さんは中小企業診断士でもあり、MBAホルダーでもあります。にもかかわらず、さらに「融資」というキーワードに着目なさったのはなぜ?

落藤 いやいや、僕、そもそも融資には注目していなかったんですよ。

―― えっ、日本政策金融公庫出身なのに?

落藤 実は僕の在籍中の仕事内容がですね…。

(第3回につづきます)

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落藤伸夫中小企業診断士インタビュー <全5回>
「融資コンサルタントのビジネスモデルは?」

【もくじ】
第1回 初めての融資サポート、内容と報酬額
第2回 今回の失敗ポイントを振り返る
第3回 現場で初めて知った、経営者のニーズ
第4回 融資サポートは、顧問化のきっかけ
第5回 金融機関は、士業の同行を嫌がらない
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