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融資相談にAIは使えるのか? 現場で通用しない3つの理由と対応法


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融資相談をAIに任せる動きが増えているようです。しかし現場では通用しないケースも少なくありません。その理由と、現場で求められる対策について解説します。

こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。

最近は顧客からの融資相談を受けると、その内容をAIに入力し、表示された回答に少々の修正を加えて顧客に返しているケースが増えていると聞いて驚いています

私も実際に何度か試みましたが、AIの回答は的外れな内容になっていることも多く、現場の実情を踏まえていない机上の話にとどまっていることが少なくありません。

では、なぜAIはそんな回答を寄越しがちなのでしょうか。そして、中小企業や零細事業者の支援者として、AIの回答を盲信せず対応するために、どのような注意点があるのでしょうか。

※なおネクストフェイズは、事業者への個別アドバイスを行っていません。ご相談のある事業者は、ネクストフェイズが運営する一般社団法人融資コンサルタント協会の会員を検索して気軽に連絡を取ってください。融資の専門研修を受けた融資コンサルタントが、全国に1,000名以上います。初回相談無料、また遠距離対応可の融資コンサルタントもいます

AIが融資の相談に使えない3つの理由

① 個別事情が反映されていない

融資の可否は、業種や業歴、資金使途、金融機関との関係性など、さまざまな要素の組み合わせで判断されます。

しかしAIは入力された情報だけをもとに一般的な回答を返すため、その会社特有の背景や前提条件が十分に反映されません。

② 金融機関ごとの判断基準や考え方の違いが考慮されていない

同じ内容であっても、金融機関のもともとの融資方針、また担当者の力量によって判断は変わります。

さらに財務資料の数字だけではなく、「この会社をどこまで支援するか」といった個別案件に対する支店の姿勢(これまでの関係)による判断も大きく影響します。

こうした現場特有の感覚は、AIの回答にはほとんど反映されません。

③ 「次に何をすればよいか」がわからない

融資の相談では、「借りられるかどうか」よりも、「まず何をするか」が重要です。たとえば「どの金融機関に相談するのか」「何を準備するのか」といったことです。

しかしAIの回答ではこうした具体的な動きまでは示されないことが多く、結局次のアクションが見えにくいのです。

AIの回答はそのまま使えるものではない

AIの回答をそのまま顧客に伝えると、判断を誤る可能性があります。そもそも、AIの回答はそのまま使う前提のものではないと認識しておく必要があります。

先日も、たまたま知り合ったある税理士から「AIの回答をそのまま伝えたことで信頼を失いそう」という相談を受けました。それは売上が回復してきた飲食店が、追加融資を検討しているケースでした。

相談を受けたその税理士は、AIに内容を入力。すると「売上が回復しているため、融資は前向きに検討される可能性が高い」という回答が返ってきました。

この税理士は基本的に税務のみで顧客対応してきたので、その内容をそのまま顧客に伝えてしまったとのこと。経営者は「じゃあ問題なく借りられそうですね」と安心して金融機関に相談へ。

しかし実際には、その飲食店は、過去に返済条件の変更をしており、最近ようやく通常返済に戻ったばかりでした。また、メインバンクとの関係も弱く、金融機関の反応は想定より厳しいものでした。結果として、融資は否決。もちろん顧問先は不満側。(その後、私からアドバイスを行って事なきを得ました)

このようにAIの回答は一見もっともらしく見えても、個別事情や金融機関との関係性までは反映されにくいもの。たとえプロンプトにその旨を入れても、鵜呑みにするわけにはいかないのです。

一方で、AIそのものが使えないわけではありません。考え方の整理方向性をつかむうえでは大いに役立ちます。ただし、あくまで参考情報。そのまま使うのではなく、「どこが正しくて、どこが足りないのか」を見極めたいものです。

融資対応で求められるのは「借りられるかどうか」×「次の具体的アクション」

ここまで読んでいただくと分かる通り、融資の相談は単に「借りられるかどうか」を判断するものではありません。

実際の現場では、どの金融機関に相談するか、どのように持ち込むか、どのように説明するかによって、同じ内容の案件でも、融資が通る場合と通らない場合に分かれます。

私自身も、ある金融機関に断られた融資案件を、別の金融機関に持ち込むことで可決されるようになったアドバイスを行った経験を何度も、本当に何度もしています。少しお話ししましょう。

ネクストフェイズが運営する、一般社団法人融資コンサルタント協会の会員士業からの相談です。

別の金融機関に持ち込んで融資可決された事例

会員の中小企業診断士の顧客が、資金繰りの改善のために融資を検討しているという案件がありました。経営者は取引のある2つの金融機関のうち、借入額の大きい金融機関に融資を依頼。

しかし融資は否決され、その流れで会員の中小企業診断士のところに「何とかできないか」という相談がありました。その彼から、私(協会)に問い合わせが入ったというわけです。

私は、まず否決した金融機関の担当者から理由を確認するよう求めました。そのうえで、その課題を解消するための資料作成をアドバイスし、もう一方の金融機関に改めて融資の相談をする形に切り替えるようすすめました。

その結果、もう一方の金融機関ではスムーズに話が進み、希望していた形で資金調達が実現したのです。

このように、融資の可否は条件だけで決まるものではなく、どこに、どのように持ち込むかによって、大きく変わります。

同じ決算書、同じ事業内容であっても、金融機関の見方や受け取り方、融資姿勢によって評価は変わります。だからこそ数字だけ見て「この案件は難しい」「通らない」で終わらせるのではなく、どうすれば前に進められるのかを考えることが求められます。

一度断られた融資を可決へ導く「変更ポイント」を見極めるのは人間

実際、一般社団法人融資コンサルタント協会の会員を通して私へ来る相談の多くは、一度は金融機関に断られている融資案件です。資金使途の説明のしかた、返済の見通しの示し方、そして資料のまとめ方を変えることで、結果が変わるケースが少なくありません。

たとえば以下のような内容を、金融機関が理解しやすい形で資料としてまとめることも重要です。こうした対応を行うだけで、否決された案件が可決になることはよくある話です。

一度断られた融資が可決された説明・資料の例

  • 資金繰りが厳しいため借入をしたい」という説明を、売上回復に伴う仕入増加に対応するための運転資金として整理する
  • 返済についても、売上の回復を前提に、月次でどの程度のキャッシュが残るかを具体的に示す など

ここで重要なのは、「何を変えればよいか」を見極めること。この判断は、一般論ではできません。過去の事例や金融機関の考え方、現場での経験があって、はじめて見えてきます。

融資相談でのAIの限界

AIは、この部分までは踏み込めません。入力された情報をもとに一般的な可能性を示すことはできますが、どこをどう修正すれば通るのかまでは判断できないからです。だからこそ、AIの回答だけを頼りに進めてしまうと、望むような結果にならないことが多いのです。

融資対応で本当に求められるのは、「借りられるかどうか」を判断することだけではなく、「どうすれば通る状態にできるか」を考え、実現できるように行動すること

AIは、考え方の整理や方向性をつかむうえでは有効ですが、どこをどう変えれば結果が変わるのかまでは判断できません。だからこそ、この力は、実務ベースで身につける必要があるといえるでしょう。

そんな融資支援の知識・ノウハウを実務ベースで身につけるため、ネクストフェイズは「融資支援ノウハウ習得セミナー」を開催しています。

本セミナーでは、以下のような融資対応に必要な実務を、現場での最新事例をもとにお伝えしています。

  • 融資案件の見立て方
  • 金融機関への持ち込み方
  • 実務で使える資料の作り方 など

 講師・東川仁の『銀行とのパイプのつくり方』出版を記念し、実質無料で受講可能

※顧客の融資に関する個別質問などにもその場でお答えします

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