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税理士から金融機関への質問と回答-おもにプロパー融資について

わからないことは尋ねればいいのです。質問することで金融機関との距離が縮まります。

こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。

先日、弊社の地元の信用金庫主催の「信用金庫役職員と地元の税理士との勉強会&交流会」が行われました。

もとはネクストフェイズがその信用金庫に提案したもので、今回は2回目。初回が好評で、支店長が「次回もぜひ」と乗り気だったのです。2回目の主催は信用金庫で、私はそのなかのミニセミナーに登壇、という形で参加しました。

ここで出た税理士から金融機関への質問がたいへん興味深かったので、この場でご紹介しましょう。

その前にまず、「金融機関と地元税理士との勉強会&交流会」の内容をお伝えします。

こういった勉強会や交流会を、士業・コンサルタントの側から金融機関に企画提案して運営サポートを行えば、その金融機関との関係がたいへん強固になります。顧客の紹介にもつながりやすくなるので、ご興味があれば積極的に近隣金融機関へ提案してみましょう。

「勉強会&交流会」の運営内容

このようなイベントは、前半が勉強会、後半が交流会という形がスムーズです。会場は、金融機関の支店にある会議室がよいでしょう。

前半1時間(勉強会)後半1時間(交流会)
●金融機関に詳しい士業・コンサルタントによる税理士向けミニセミナー
●事前に集めた参加税理士から金融機関への質問に支店長が回答 など
●飲食物を用意し、職員も含めて交流会
 ※飲食物は主催者(金融機関、または士業・コンサルタント)が準備
 ※立食でも、複数の島を作った着席でもよい
金融機関と士業・コンサルタント「勉強会&交流会」の例

私が参加した事例

今回、前半の勉強会は、私が参加税理士向けにミニセミナーを実施。タイトルは「税理士なら知っておきたい新設法人が金融機関口座を開設する方法」。近ごろ同様の相談が多いので、時節にあったテーマを選びました。

またその後、参加税理士から集めた金融機関に関する質問に支店長が回答する時間も設けました。

後半は渉外担当者も加わって、主催の支店が用意した飲み物(アルコール、ノンアルコール)、またデリバリーの惣菜などをいただきなから多人数で交流

勉強会・交流会もほどよく盛り上がり、主催の支店・参加税理士ともに満足度の高い会合だったのではと思います。

税理士から支店長に対する質問と回答内容

勉強会では、参加税理士から支店長に多くの質問がありました。今回はプロパー融資に関するものが中心。プロパー融資は、金融機関との関係も重要視されます。質問と回答を、ここでご紹介しましょう。

質問① プロパー融資につなげる金融機関とのつきあい方は?

回答①:

  • プロパー融資を行うための前提として「決済口座」を作ってほしい。
    • ※ヒガシカワ注:「決済口座」とは、売上も支払いもすべて集中している口座のことをいいます。決済口座があれば、金融機関はその企業の事業実態が把握しやすいメリットがあります
  • 毎月、担当者が訪問できるように「定期積金」の契約をしてほしい。
  • とくに毎月1回程度、前月の業況についての情報をもらえれば、プロパー融資がしやすくなる。
  • 決算のときは税理士が金融機関に同行し、その内容を説明してもらえるとたいへん助かる。

質問② プロパー融資してもらえるきっかけは、どのタイミング?

回答②:

  • 最初の融資取引はたいていの場合、信用保証協会の保証つき融資になる。その融資のうち半分程度の返済が済んだタイミングで、プロパー融資の検討になることが多い。
  • 他の金融機関からプロパー融資を借りていることが判明した時点で、自庫もプロパー融資を検討することが多い。

質問③ プロパー融資を扱ってもらうには、どれくらいの預金額があれば好ましいか?

回答③:

月商分+αの金額はあるとうれしい。そのうち半分が定期性の預金であれば理想的。

質問④ 法人取引以外の社長個人の取引は融資に影響するか?

回答④:

大きく影響します。

法人・代表取締役個人・代表取締役の家族全体の取引内容も、融資を審査する際に加味する。融資取引だけよりも、個人の預金取引もあったほうがよい影響を与える。

質問⑤ 営業損失でも、雑収入のおかげで経常黒字になっているなら、気にしなくてもよいか?

回答⑤:

融資の審査では、経常利益より、営業利益を重視する傾向がある。本業で融資を返済できるかどうかが重要だから。しかし不動産収入や家賃収入のように、雑収入が一貫性のある継続的なものなら、プラス材料として見ることがある。

もっと金融機関に質問していい

交流会の後、支店長からこんな話を聞きました。

金融機関支店長

私たち(支店長、またヒガシカワのような金融機関出身者)が「知っていて当然」と思うことも、金融機関となじみのない税理士さんは意外とご存じなかったりするんですね

そんな金融機関に対する疑問や質問を、もっと私たちに投げかけていただければ、お互いによりよい仕事ができるのではないかと思います

日ごろの接触が少なければ、金融機関について知らないことも多いでしょう。しかし初歩的な質問でも、金融機関は「聞いてもらえればていねいに説明」というスタンス。ではこちらも「わからないから避ける」ではなく、「わからないことは尋ねる」姿勢で臨みましょう。

折に触れて質問することで接触頻度が増えれば、先方から専門的な質問をいただいてお答えする機会も出てくるでしょう。コミュニケーション量が増えれば、より協力的な関係を構築しやすくなります。時間をかけて信頼をいただけるまでに関係を育て、取引先を紹介してもらえる間柄を作っていきましょう。


一般的な経営者や士業・コンサルタントが思っているほど、金融機関は「気むずかしい場所」ではありません。金融機関をある程度理解し、金融機関が嫌がらないコミュニケーションの取り方さえおさえれば、とくに地域密着型金融機関(第二地方銀行・信用金庫・信用組合)は味方になってくれます。

金融機関が味方になれば、あなたの顧客の融資にも有利に働くでしょう。また、さまざまな経営課題の解決を目指す取引先の紹介をいただくことも増えてきます。

そんな金融機関を味方にするために必要な知識・ノウハウを学べるセミナーです。

※融資に関する質問などにもその場でお答えします

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