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合同会社だけではなく、個人口座も開設のハードルが上がっています。
こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
ネクストフェイズが運営する一般社団法人融資コンサルタント協会の会員士業・コンサルタントから、「顧客が金融機関で口座開設できない」という相談が増えています。
以前のブログで、「合同会社」の口座開設を最初から排除している金融機関があると説明しました。
2023年初頭は「そのような動きがある」レベルでしたが、近ごろ急速に広がり、実際に今「合同会社の口座開設」を断る金融機関はかなり増えています。
また合同会社だけではなく、個人口座の開設も難しくなっているのが現状です。今日はその背景にある理由をお知らせしましょう。
※なおネクストフェイズは、事業者への個別アドバイスを行っていません。ご相談のある事業者は、ネクストフェイズが運営する一般社団法人融資コンサルタント協会の会員を検索して気軽に連絡を取ってください。融資の専門研修を受けた融資コンサルタントが、全国に900名以上います
金融機関が「合同会社の口座開設」を断る大きな理由のひとつが、「反社会的勢力に利用される割合が多いと推測されている」。
反社会的勢力は、法人口座を利用したがる傾向にあります。「個人口座」より「法人口座」に振込を求めるほうが、見栄えがよく信用度が高まるためです。
一方、合同会社は株式会社に比べて登録免許税が安く、定款認証も不要なため、設立費用を低く抑えることができます。ここに、金融機関の頭のなかで「合同会社」と「反社会的勢力」という2つのワードがつながりやすい理由があるんですね。
自行庫が開設した法人口座が反社会的勢力に悪用されたと判明すると、金融機関には金融庁から数々の指導が入ります。そこで「合同会社」の口座開設については、金融機関は慎重に、念入りに調査。この調査に手間がかかるため、最初から「受け付けない」という選択をするのです。
今、金融庁の「反社会的勢力による口座利用の防止」に関する指導が次第に厳しくなっています。そこで一部の金融機関が、「合同会社の口座開設の排除」を打ち出しました。
金融機関は昔から「横並び意識」が強く、「他行庫の施策(今回の場合で言うと「合同会社の口座開設の排除」)の効果が高いと見れば、他の金融機関も「では自行/自庫も」と合わせがちです。今後も「合同会社の口座開設の排除」を採る金融機関は増えてくると私は考えています。
口座開設の難度が「法人>個人」なのは、昔も今も変わりません。が、近ごろは合同会社だけでなく、個人口座の開設も難しくなっています。
これまで個人口座開設に関するチェックは、「マネーロンダリング」に関するもの以外はあまりありませんでした。
しかし「法人口座が開設できないなら個人口座を」と、反社会的勢力が振込先として利用することもあるようです。お金に困った個人が、反社会的勢力からの依頼で個人口座を作成し、その通帳や印鑑、カード類を売却するケースが増えています。
そこで金融機関も、個人口座開設時も細かい点を質問・確認し、詳細な調査を行うようになったのです。
法人はともかく個人口座なら、昔だと近くの金融機関で「普通預金口座を」と言えば、二つ返事で作ってくれました。しかし今後「自宅に近い」だけでは、口座開設ができなくなってくるでしょう。実際、その理由だけでは口座開設を断る金融機関もすでに出てきています。
口座開設に必要なのは、以下の2点です。
1/「この支店で口座開設する必要」を説明する明確な理由
2/それを裏付ける資料の提出
たとえば「勤務先からの給与振込口座作成」が理由なら、勤務先からの「就業証明書」を求められます。同時に、その勤務先での業務内容、勤務時間などの「勤務実態」も問われます。出せなければ、口座開設を断られるでしょう。
今後は口座開設のために、法人なら「事業実態」(法人や個人事業主の場合)、個人なら「勤務実態」(サラリーマンの場合)を証明できる資料が必要になってくると思われます。
「今までは口座開設のときに、そんな細かいことを言われなかった」と金融機関に文句を言っても、「今は状況が変わりまして…」と返されるだけでしょう。
時代の変化に伴い、金融機関には新しいルールが次々に導入されています。その新しいルールをおさえておき、顧客の企業や個人事業主に適切なアドバイスができる士業・コンサルタントでありたいものです。
金融機関とスムーズにつきあうために、「最新の金融機関を取り巻く状況」を把握しておきましょう。ネクストフェイズのメールマガジンは、金融機関の状況はもちろん、融資制度などの最新情報をタイムリーにお届けしています。気になる方は、以下のページからお申し込みください。
顧客に同行した士業・コンサルタントが「以前はこうだったのに」と抗弁しても、金融機関は「それは昔のこと」「金融機関の今を知らない面倒な専門家」と困惑するでしょう。顧客の口座開設のみならず、今後の融資にも悪影響を与えかねません。
また支店内で「老害」認定でもされたら、「あの専門家の同行は不要」と、実質的な「出入禁止」になる可能性もあります。
逆に、金融機関の現状を把握してスムーズに受け入れてもらえる準備を整えれば、あなたの顧客は「自分たちも信頼できる専門家がバックアップする事業者」と評価され、融資など求める結果につながりやすくなるでしょう。
そんな、「金融機関のことをよく理解している専門家」になるためのヒントが手に入ります。
※融資に関する質問などにもその場でお答えします
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