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商業出版への道を拓くのは、いま行っている日常的な業務

自分にとっては「当たり前」でも、他の誰かにとっては「特別」です。

こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。

2021年4月、近代セールス社から私の7冊目の著書『信頼される渉外担当者になる極意』を出版しました。14年前に独立したとき、まさか自分が7冊もの著書を出版するとは夢にも思っていませんでした。

独立してから自著を出版するのが夢でしたが、険しい道でした。なんとか実現した1冊目の出版から、後はコツコツ7冊へ。今日は出版チャンスをつかんだお話ですが、伝えたいのは、自分にとっての「当たり前」は、ときに他の誰かにとって大きな価値があるということ。

以前の私と同じように、自著を出版したい士業やコンサルタントの参考になればと思ってお話ししましょう。
 

最初は出版社にメールでアプローチ

2006年、事務所が軌道に乗った…と胸を張って言えるほどではなかった私は、少しでも顧客を獲得しやすくする方法のひとつとして、自著の出版を考えていました。もちろん自分で費用を出す自費出版ではなく、出版社に出してもらう商業出版です。

当時すでにリクルート社発行の創業者向け専門誌『アントレ』での連載は行っていましたが、「書籍の出版」となると周りに伝手がない状態。そんなとき「出版社に売り込む際の企画書の書き方」を教えてもらえるセミナーを見つけて参加。学んだ内容を活かして企画書を作成し、約20社の出版社に「どの部署に企画書を送ればよいか尋ねるメール」を送りました。

 ←左の三角マークをクリックするとメール内容が見られます。もし参考になれば…

○○出版株式会社  編集担当様

お世話になっております。NPCの東川と申します。私は、大阪で「資金調達コンサルタント/経営コンサルタント」を営んでいます。

この度、士業開業希望者及び独立開業したての士業者向けに、「食える!士業(サムライ業)~成功のための「真似るだけ」マニュアル~」という本を企画いたしました。

御社にて、当該書籍を取り扱っていただきたく望んでおります。

一度、企画書と見本原稿を拝見いただきたく、御社を訪問したいと思っているのですが、どちらの部署のどちら様宛までたずねて行けばよろしいのかお教えいただければ幸いです。

また、今週○曜の○日に別件で上京する予定となっていますが、出来ましたら、このときに訪問させていただきますと、非常に助かります。

お忙しいことと理解しておりますが、何卒、ご返答のほど、よろしくお願いいたします。

現在、私は、株式会社リクルート社の月刊『アントレ』にて、『開業資金づくりアノ手コノ手』を連載中でございます。

また、私のホームページアドレスをお知らせしますので、ご参考までにご覧いただけましたら幸いに存じます。

勝手ばかり申し上げますが、なにとぞよろしくお願いいたします。

 

出版社のほとんどから「歓迎」はされる

メールをお送りした出版社のほとんどから、「出版企画書をお送りください」という返事をいただきました。一般的に出版社は企画書を歓迎しているものなのか、企画内容次第なのかはわかりません。が、まずはチャレンジ、です。

企画書をお送りした先にのなかに、「詳しく話を聞きたい」と興味を持ってくれた編集者が2名ほどおられ、その2名に会うために上京しました。

残念ながらその出版企画は通りませんでしたが、2名の編集者とも丁寧に私の企画書の残念な部分についてご教授くださり、ビジネス出版の仕組みについても細かく教えていただくことができました。

※ありがたいことに今もその2名の編集者とはおつきあいが続き、うち1社の発行する専門誌で連載もさせていただいています
 

「出版会議合宿」の情報が知り合いから

1度目のチャレンジは実を結びませんでしたが、出版したい旨を周りによく言っていたら3年後の2009年、あるコンサルタントから「出版会議合宿」の情報をいただきました。

話を聞くと、ビジネス書出版の同文舘出版が行う「出版会議合宿」で自分の出版企画をプレゼンし、いい企画だと出版される、とのこと。

同文舘出版は、3年前に企画書を送った出版社のうちの1つ。すぐに連絡を取ったところ最後の1枠にギリギリ滑り込むことができ、次のチャンスの尻尾をつかめました。

周りの人に出版したい旨を伝えるのは、とても大切です。自分では見つけられなくても、周りの人が有益な情報を知らせてくれるのです。
 

ダメ出しされたら改善点を積極的に尋ねる

出版会議合宿に参加した出版希望者は約20名。その日のうちに全員がプレゼンテーションを行い、よい企画なら出版を前提に担当編集者がついて出版への道が拓かれます。

たとえダメ出しされても、その日のうち企画をブラッシュアップし、翌日にもう一度プレゼンするチャンスがあります。(「合宿」ですから)

「最初は誰から?」と問われたときに、私は真っ先に立候補しました。最初に立候補することで、意気込みを印象づけることが重要だと考えたからです。※当たり前ですが大事なのは意気込みより企画内容です

発表した企画は、実は3年前に、同文舘出版を含め約20社に送ったものとまったく同じ。独立開業希望、または独立開業したばかりの士業向け書籍の企画でした。当時、同文舘出版からは返事がなかったので、「きちんと読んでもらえていないのかも」と思って同じ企画をリアルの場でプレゼンテーションしたかったのです。

結果はダメでした。理由を聞くと、私が何の資格も持っていないことを指摘されました。まだ中小企業診断士資格を取得する前だったのです。いわく、「資格を持っていない人が、資格を持っている人々(=士業など対象読者)に対するマニュアルを書いても説得力がない」。

企画を否定されてショックでしたが、「じゃあどんな企画だったら…」と編集長に尋ねると、私の経歴を見ながら「銀行関係の内容なら考えてもいいですよ」とのこと。

そこで「翌日の朝までに銀行関係の出版企画書を作ってくるので、もう一度チャンスをください」と言い、その場でのプレゼンテーションを終えました。
 

身の丈にあった企画書が通る

その日はもちろん徹夜です。部屋にこもって、新しい出版企画書を書きあげました。企画書のタイトルは「金融機関との上手なつきあい方」。それまで6年間行ってきたセミナーの内容を詰め込みました。

翌日、再プレゼンテーションをするのは私を含めて4名。もともと自分のセミナーの内容を話すのですから、慣れたものです。また、自分の体験談や、他の専門家からは聞けない「ここだけの話」も盛り込んだところ、「この内容なら出版してもいいのでは」と言ってもらえたのです。

その企画書から生まれた私の初著書が、9ヶ月後の2010年5月14日に出版されました。
●銀行融資を3倍引き出す! 小さな会社のアピール力
 

商業出版は、重版されてこそ

初版が売り切れないうちは、出版社の持ち出し。つまり重版がかからないと、出版社に迷惑がかかるのです。商業出版とは、そういうこと。しかし私の初著書の初版が売り切れたのは、刊行から8年も経ってからでした…。

初版が重版にかからないと、通常は2冊目のオファーは来ません。にもかかわらず私が同じ出版社から2冊目を出せたきっかけは、まだ初著書の発売前でした。

初著書の最終校正を同文舘出版に届けたとき、編集長にランチに誘われました。そこで世間話のついでに、現在の活動を尋ねられたのです。

ちょうど、商工会議所から講師としてよばれる回数が爆発的に増えていたときです。そこで中小企業への資金調達コンサルティングと同時に、士業・コンサルタントを対象に「商工会議所によばれる講師になる方法」を伝えるセミナーをよく行っている旨を伝えると…

「その本、書きませんか?」と言われたのです。

たまたま編集長はセミナー講師向けの本を作ろうと考えていた矢先らしく、私のセミナーにある「商工会議所で」という切り口に差別化ポイントを見いだしてくださいました。

そこから話が進み、2冊目は、1冊目からわずか4ヶ月後の2010年9月29日に出版されました。
●90日で商工会議所からよばれる講師になる方法

この本が重版を重ねたことから(2018年には改訂版も出版)、その後もいろいろな出版社からビジネス書を出すチャンスをいただけるようになり、今回の7冊目へ続くことになります。
 

まとめ:出版企画書の内容

長々と自分のことを語ってきましたが、今日いちばん伝えたいのは、日々の業務が意外とニーズ高いということです。日ごろ当たり前に行っていることでも、「ぜひ詳しく知りたい」と思っている誰かがいるのです。

私が1冊目を出すまでに難航したのは、「出版したい」気持ちが先に立ちすぎて、企画内容で背伸びをしていたことに長いあいだ気づかなかったからです。(出版会議で編集長にバッサリ切られた…)

2冊目のチャンスがやってきたのは、「今よく行っているセミナー内容」がたまたま編集長の意向に沿ったという幸運からですが、そもそも書籍として価値があるとは思っていませんでした。(「商工会議所で講師」はニッチすぎると思っていた…)

どちらも、「今」「自分が」「ごく普通に行っている業務」が商業出版につながったケースです。
 

誰にでも商業出版への道は拓ける

何年も同じ仕事を続けている専門家なら、ビジネス書を出版できるネタはたっぷりあるでしょう。そのネタを出版につなげるために必要なのは、「企画書の書き方のコツ」を知り、「企画書のブラッシュアップ」を続け、「出版社に企画書を送り続ける」こと。

もちろん自分のコンテンツに興味を持ってくれそうな出版社の選択は重要ですが、真摯な編集者なら、企画書を送り続けてくる人に好意的に対応してくれるものです。

日々の自分の仕事を客観的に観察し、背伸びしない企画書を仕上げたら、その内容にふさわしい出版社を選んでぜひチャレンジしてみてください。

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