本社/大阪府吹田市豊津町40-6 EBIC吹田 311
東京/東京都渋谷区渋谷3-5-16 渋谷三丁目スクエアビル 2F ABLAZEオフィス渋谷

【融資実務】リスケの現場で「元金据え置き」が最多になる理由 – 経営者の本音と専門家のアドバイス法


Warning: Attempt to read property "title" on false in /home/xs586041/npc.bz/public_html/nextphase/wp-content/plugins/dX_blogcard/dX_blogcard.php on line 60

Warning: Attempt to read property "description" on false in /home/xs586041/npc.bz/public_html/nextphase/wp-content/plugins/dX_blogcard/dX_blogcard.php on line 66

債務返済時の経営者の本音は、もし通常時なら、「できるだけ元金を減らしたい」。しかし財務状況によって、専門家として「今は利息のみの支払いにとどめましょう」とアドバイスする局面が多々あります。

【この記事のポイント(要約)】

  • リスケでもっとも多いのが「元金据え置き」:
    中小企業のリスケジュール(条件変更)で実務上もっとも採用され、銀行の審査が通りやすいのは「元金据え置き」
  • 「元金据え置き」を希望する経営者が多いのは返済をすべて止めたいから:
    専門家に相談が来る時点で、その企業には手元資金が枯渇しかけている場合が多く、即効性のある「止血効果(元金据置)」が最優先される
  • 事業の存続が目的であることを忘れない:
    もし元金据え置きに不安を感じる経営者がいれば、その心情を受け止めつつ、財務の傷の深さに応じて「まずは元金据置で現金を残し、回復後に期間延長等へ移行する」という安全なシナリオを提示

「資金繰りが厳しくなってきたので、銀行への返済を見直したい」――。顧客の経営者からこのような相談を受けたら、あなたはどのようなアドバイス、提案をしますか?

金融実務でのリスケジュール(返済期間、月々の返済額等の条件変更)の手法には、いくつかのパターンがあります。が、もっとも現場で採用され、銀行の審査も通りやすいのは、圧倒的に「元金据え置き(利息のみの支払い)」です。

一方、「むしろ経営者側はこう考えるのでは?」と思う士業・コンサルタントもいるかもしれません。

  • 「経営者は、借金を早く減らしたいのでは?」
  • 「経営者は、元金がまったく減らない状態が続くのは不安では?」

上のように想像して、「なぜ返済期間の延長(毎月の返済額を減らして少しずつ返す)ではなく、元金据え置きになるの?」と疑問を持つこともあるでしょう。

今回は実務におけるリスケ手法の優先順位と、経営者の本音、「元金据え置き」を優先すべき理由とともに、士業・コンサルタントが顧客へアドバイスする際のポイントを整理してお伝えします。

※なおネクストフェイズは、事業者への個別アドバイスを行っていません。ご相談のある事業者は、ネクストフェイズが運営する一般社団法人融資コンサルタント協会の会員を検索して気軽に連絡を取ってください。融資の専門研修を受けた融資コンサルタントが、全国に1,000名以上います。初回相談無料、また遠距離対応可の融資コンサルタントもいます

実務でよく使われるリスケ手法ランキング

銀行の稟議の通りやすさや、現場での採用頻度を整理すると以下のようになります。

順位手法頻度・
通りやすさ   
実務上の特徴
1位元金据え置き★★★★★
(圧倒的最多)
手続きがスムーズで、即効性のある資金繰り改善効果が得られる。
2位返済期間の延長  ★★★★☆
(非常に多い)
据置期間終了後や、毎月の負担を少しだけ軽減したい場合に選ばれる。
3位テールヘビー★★☆☆☆
(限定的)
リスケを繰り返した最終局面で、最終回に残り全額を乗せるケースが多い。
4位返済順位の変更★☆☆☆☆
(極めて稀)
銀行間の利害調整が難しく、特殊な再生案件に限られる。
5位金利の減免×
(原則不可)
銀行に直接損失が出るため、法的整理等の超特例以外は通らない。

経営者の本音と「元金据え置き」を勧めるべき理由

以下は、よくある各手法のイメージ比較です。

当初の計画から、①期間の延長、②元金据え置き、それぞれのリスケを行った場合のイメージです。

返済手法月々の返済額(負担感)完済までの期間メリット・特徴デメリット・留意点
当初の均等割通常水準
(元金+利息)
当初の期日通り計画通りに元金が減少し、利息負担も最小限で済む業績悪化時に資金繰りを強く圧迫する
① 期間の延長減少
(小〜中)
※元金を薄く長く配分
当初より延びる毎月のキャッシュアウトを恒常的に引き下げられる返済期間が長期化するため、総支払利息が増加する
② 元金据え置き激減(大)
※利息の支払いのみ
据置期間分だけ後ズレ一時的にキャッシュフローを大幅に改善できる(緊急避難的)据置期間終了後に元の返済負担が再開(または増加)する

「できれば少しずつでも元金を減らし続けたいのでは?」という考えもあるでしょう。しかし専門家としては「会社の命(キャッシュ)を守ること」を最優先に助言し、もちろん経営者も受け入れます。その理由をご説明しましょう。

1. 「止血効果」の桁が違う

たとえば、毎月50万円の返済がある企業の場合:

  • 期間延長の場合:
    毎月50万円 ➔ 35万円(月15万円の改善)
  • 元金据置の場合:
    毎月50万円 ➔ 3万円(利息のみ)(月47万円の改善)

会社が倒産するのは「赤字になった時」ではなく「現金が底をついた時」です。手元資金が枯渇しかけている局面では、元金を減らすことよりも、1円でも多くの現金を社内に残す「強力な止血」が必要不可欠です。

2. 本業の立て直しにリソースを集中できる

毎月資金繰りに追われていると、経営者は「来月の返済をどうするか」で頭がいっぱいになり、本業の改善に手が回りません。

いったん元金返済をゼロにすることで精神的な余裕が生まれ、売上回復やコスト削減といった根本的な改善策に集中できるようになります。

財務状況に応じたアドバイスの判断基準

クライアントの財務状況や傷の深さに応じて、以下のように使い分けるのが実務上のセオリーです。

「返済期間の延長」を検討できるケース(軽症)

  • 状況:
    赤字ではないが、売上の微減や先行投資により資金繰りがやや窮屈になっている。
  • 助言方針:
    「毎月の返済負担を少し緩和すれば十分に資金が回る」という見通しが立つ場合は、経営者の意向を尊重して返済期間の延長を第一希望として交渉を進めます。

「元金据え置き」を選択すべきケース(重症・要止血)

  • 状況:
    本業が赤字で、毎月現預金が減り続けており、数ヶ月〜半年以内の資金ショートが懸念される。
  • 助言方針:
    経営者の「元金を減らしたい」という心情を受け止めつつも、「まずは会社を潰さないための防衛策として、半年〜1年間の元金据え置きで完全に止血しましょう」と提案します。

まとめ:経営者の不安を解きほぐし、安全な再建ルートを示す

ほとんどの経営者は「借金を減らしたい」より、「返済をすべて止めたい」という心理状態です。しかし、もし、相談してきた経営者がリスケをためらったり、不十分な条件変更を選ぼうとしたら、その背景には、「元金が減らないことへの恐怖」や「銀行にどう思われるかという不安」があることを理解しましょう。

ここで士業・コンサルタントが果たすべき役割は 経営者の心理を受け止め、さらに銀行側の審査事情も汲んだ上で、

  • 「現在の残高と月々の返済額で、あと何ヶ月会社が持つか」を可視化する
  • まずは「元金据え置き」で現金を確保し、息を吹き返す時間を稼ぐ
  • 業績回復の道筋がついた段階で「期間延長」など次のステップへ移行する

という現実的かつ安全なシナリオを提示することです。

そもそも専門家に相談が寄せられる時点で、その企業の手元資金はかなり厳しい状態です。「出ていくキャッシュを少しでも抑えたい」と考えている経営者は、元金据え置きを勧める専門家のアドバイスにきっと安心するでしょう。

資金繰りに悩む中小・零細企業がいれば、ぜひ経営者の心情にも寄り添いながら、最適なリスケ手法の選択をサポートしたいものです。

よくある質問(Q&A)

Q1. 最初から「テールヘビー(最終回一括)」を銀行に打診するのは難しいですか?

A1. 初回交渉での合意は原則として困難です。
銀行側には「最終期日に残った巨額の元金を本当に返せるのか」という懸念が生じるため、最初のリスケ段階では審査が通りにくくなります。テールヘビーは、元金据置や期間延長を複数回繰り返し、これ以上期日を延ばせなくなった最終局面で採用されるのが一般的です。

Q2. 元金据え置きの期間は通常どのくらいで申請すべきでしょうか?

A2. 「半年〜1年間」で設定するのが実務の基本です。
いきなり数年間の据置を申請すると銀行の稟議が通りにくくなります。まずは「1年」で交渉し、その1年間で業績回復に専念した上で、状況に応じて再度のリスケや期間延長を検討するのが王道のアプローチです。

Q3. 元金据置を行うと、追加融資は受けられなくなりますか?

A3. 原則として据置期間中の新規融資は極めて難しくなります。
ただし、経営改善計画が順調に進捗し、据置期間終了後に正常返済へ復帰して実績を重ねれば、再び新規融資の土台に乗せることが可能です。まずは「会社の資金ショートを防ぎ、本業を立て直すこと」を最優先に位置づけて支援しましょう。

元銀行員でなくていい。融資支援の実務を学ぼう

これから融資支援に取り組みたい士業・コンサルタントに向けて、融資の流れの全体像を見渡しながら実践的なノウハウをお伝えする「融資支援ノウハウ習得セミナー」を開催しています。

元銀行員でなくても問題ありません。これまでも多くの初心者が学び、現在中小・零細企業に融資支援を行っています。また受講後に「融資アドバイス」の看板を掲げ、新規顧客開拓に活かすようになった士業・コンサルタントも多数います。

一方、元銀行員の士業・コンサルタントが、現場の最新知識を再確認するために受講するケースも近ごろ増えています。金利がある時代になり、金融機関の融資スタンスが大きく変化してきていることも影響しているでしょう。

今の金融機関の考え方や判断基準はもちろん、融資実務の流れ、報酬の考え方、専門家としての関わり方まで、初学者にもわかりやすくお伝えします。ぜひお気軽にご活用ください。

 「融資支援ノウハウ習得セミナー」通常料金 5,610円 → 無料キャンペーン中

※顧客の融資に関する個別質問などにもその場でお答えします

この記事の著者

アバター画像

東川 仁

株式会社ネクストフェイズ 代表/中小企業診断士/一般社団法人融資コンサルタント協会 代表理事
士業・コンサルタント向けに、銀行融資の支援、金融機関との関係づくりをテーマとした研修・セミナーを実施。

この著者の最新の記事

関連記事

住所
大阪本社

〒564-0051
大阪府吹田市豊津町40-6
EBIC 吹田 311

TEL 06-6380-1259

FAX 06-6318-6175

東京事務所

〒150-0002
東京都渋谷区渋谷3-5-16
渋谷三丁目スクエアビル 2F ABLAZEオフィス渋谷

 アクセス方法
ページ上部へ戻る
依頼を確実に引き寄せる
【繁盛士業】への道

融資支援・金融機関との提携など
最新情報のメールマガジン登録

当社の プライバシーポリシー に同意の上、
送信してください。

画像の説明