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猪田税理士×東川診断士対談【9】次世代の経営者を育てると、自分も育っていく。

東京都墨田区で開業している税理士・猪田昭一(いのだ・しょういち)さんは、
独立3年目を迎えた29歳。
そう、まだ20代! しかも、もう独立3年目なんです。
営業は一切しないのに絶賛繁盛中というその理由を中心に、
ネクストフェイズ社長…というか、
今回はむしろ中小企業診断士としてのヒガシカワとご対談いただきました。
ユニークな仕事スタイル、金融機関との関係を作っていく方法、
関与先から融資相談を受けたら税理士的にどうなのとか、
専門家が知っておきたい各種の公的補助金、地域密着主義の貫きかた、
地元の士業ネットワークづくり、次世代を見据えた事業計画…などなど、
会話はまるでジェットコースターのようにスピーディでエキサイティング。
ふたりのお喋りをそばで聞いているような気になれる(ことを目指した)ライブな対談、
今回はたっぷり10回連載でお届けしましょう。
猪田さんが展開する内容の広さと濃さのおかげで、破格の読みごたえですよ。

猪田昭一さんプロフィールはこちら

【もくじ】

第1回 ほとんどの顧客が法人。個人さんは受けません。なぜなら…。
第2回 金融機関にとって「役に立つ」税理士。
第3回 地域の若手士業と、どんどん連携していきます。
第4回 顧客からの融資相談、コツさえつかめば難しくないのに…。
第5回 公的補助金申請のお手伝い、する? しない?
第6回 地場で連携して、この土地から新しいものを。
第7回 自治体訪問時に、みかん置いてきたりして。
第8回 税理士も、クリエイティブに。
第9回 次世代の経営者を育てると、自分も育っていく。
第10回 「すきま」は、つついていると広がる。

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第9回 次世代の経営者を育てると、自分も育っていく。

東川  次世代経営者といえば、一時期、僕、二代目経営者・次世代経営者を育てる「家庭教師」やっていたんですよ。そんな人々をコミュニティにしてしまって、経営塾みたいなかたちで運営したら面白いと思いますけどね。

猪田  墨田区にひとつ、墨田塾という10年ぐらい続いている後継者塾があるんですよ。僕も2年前に受講して、翌年から講師やっちゃっていて(笑)。そこではマネージメント、製造業の人生ゲームみたいなことをするんですが、それを通じて、じゃあ自分の会社のことはどこまで管理できているのとか、どういうふうに数字上で勝っていこう、利益出そうというのをシミュレーションするのを、2日間みっちり。

東川  製造業専門のマネージメントゲームですか。めずらしいですね。

猪田  墨田区はものづくりの街なので、ものづくりでやっています。2日間、18時間ずっと研修って、つらいっす(笑)。

東川  1日9時間?

猪田  1日9時間です。でも、墨田塾は、だいたい15時間ぐらい講義ですね。飲み会が長いんで(笑)。第2ラウンドが長いです。

東川  後半の6時間が、第2ラウンドですよね。

猪田  2日間連続で、どう家と折り合いをつけるかという(笑)。

東川  子どもが生まれたら、なかなか(笑)。

猪田  家に頭下げるか、参加者にすまんって言うかですね(笑)。1日は第2ラウンド行くけど、2日連続だから1日は家に帰るって。ともあれ、なかなか事業承継は難しい。企業が新しいものを元気に申請していく部分だけを、まずは手伝おうかなと思っています。新規創出の部分を、いま僕が持っている創業者サポートノウハウを使いながら。

東川  僕ね、ある時期、二代目経営者が経営革新計画の申請を行うサポートをしていました。そうなると、経営者も自分も、新しいこと考えるじゃないですか、経営者は新規事業も作ることできるし。その事業計画づくりのサポート過程で、僕も自分の会社を見直すことできるし、経営革新の認定が取れたら経営者の成果になるし、一石三鳥も四鳥もあるんですよ。

猪田  東京都だと、あれがいいですよ、東京都中小企業振興公社。助成金認定申請要件の中に、計画書が入っているんですよ。「国の補助金が結構じゃぶじゃぶなのが3年続いたので、今年は東京都の公社が毎年やっている方に申し込みたい」と考える経営者におすすめ。今年度だと4月以降が経営革新かな。

東川  次世代の経営者と、経営革新とを、組み合わせる。。

猪田  経営革新は4月以降が、結構申請する方がふえると思います。

東川  いいですね。ネクストフェイズも経営革新取ってるんで。

猪田  えっ、コンサル系でも取れるんだ!

東川  取れます。税理士事務所でも経営革新取ってるところありますよ。

猪田  僕は興味なくなってきちゃって。肩書きとか、賞とか取りにいくのが面倒くさくなっちゃって。

東川  でも、自分で取っているからこそ説得力があるじゃないですか。

猪田  ありますよね。

東川  だから、去年僕、小規模事業者持続化補助金も取ったんですよ。

猪田  ああ、確かに。

東川  とりあえず自分で先にやってみようというのが、僕の基本なので。持続化補助金を自分で取っていると周りからの信用力も全然違うし、自分が見る景色も変わってきますよ。

猪田  いいですよね。やってみないとわからないですもんね。申請手続でわかりにくい点があるんだけれど、専門家である自分が担当者に電話して聞かないといけないぐらい難しいポイントだった、ということも見えてきたりね。

東川  中小企業経営力強化資金も、これはすごい商品だと思ったから、自分で取りに行ったんです。で、その取り方のノウハウが、結局は自分の商品になりました。

猪田  僕も今、会社作っています。自分でも会社作ろうと思って。

東川  自分で会社作ったら、また見える景色変わりますしね。

猪田  社会保険とか、全部手続きしてみて、ちょっと変わったことやろうと思ってるんですよ。

東川  作る分には問題ないですもんね。

猪田  そうそう。普通なら顧問料がかかるんですけど、税理士、自分だから。むちゃくちゃ安く運営できる(笑)。

東川  ホンマですね。

猪田  創業者に対して私が必ず言う言葉は、「会社作ったら年間30万以上かかるんだよ。だから、10年維持したら、あんた300万だよ」って。会社作るという意味は、それでも仕事を取ってこられるのか、300万以上の利益出せるのか、ということです。「そうじゃないと、僕は会社設立を絶対おすすめしませんよ」といつも言っています。ネットには「会社設立すると節税対策になります」、「信用力増えます」とか書いてますが、あれ全部うそですよって。「もうかってないんなら税金払わないんだし、節税対策とか要らないでしょ」「会社と言っても作ったばかり、信用なんてない。それより、あんたが信用できる人物かどうかが肝心」って。

東川  昔は資本金1000万以上ないと株式会社が作れなかったら信用という言葉も使えたんでしょうけど、今1円からできますからね。まあ、1円で作った会社というと、信用力が(笑)。

猪田  会社になると書類は何かと増えるし、税理士顧問料はめっちゃかかるし(笑)、会社作ることが唯一の正解じゃないんじゃない?って話をよくします。

東川  会社作るのが目的になってしまったらアカンよね。会社設立は、手段。

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●「会社設立するかどうか、の時点から相談にのるのが猪田税理士の懐深いところなんです」(東川)

猪田  それでも創業するというのは、行政さんや大手さんと契約しやすいといった理由ですよね。たとえば百貨店さんなんかだと、よっぽど売れている商品を持っているなら別ですけど、こちらが個人じゃなかなか取引させてくれないですからね。バイヤーを招待すると来てくれることは多いので、それはそれでいいんですが、こちらから百貨店バイヤーに営業をかけるときは個人だとまず無理です。契約できません。バイヤーが「どうしてもうちで出店してほしい」とか、バイヤーが上司にプッシュしたりする場合は個人でも決済おりますけど、通常、大手さんと取引しようと思えば、こちらは法人でないと。

東川  しかし法人といっても設立したばかりじゃ、口座ひとつ作るのも難儀で。

猪田  BtoCとかで地方と送金やり取りしたい人は、郵便局と、メガバンクと、地域信金みたいな話になるでしょう。全国どこにでもある郵貯で口座を作ると便利ですが、ある創業者さんが郵便局に行ったら断られたというケースがありました。

東川  去年の4月から、口座作るのがすごく厳しくなりましたからね。

猪田  その点、信金はいいですね。紹介があると、口座は作らせてくれるんで。スムーズに口座作らせてくれる理由は、僕ら専門家が紹介したり、書類整備などの前さばきしてるし、悪いことさせないし、万一何かあったら面倒見るし、ということもあるんでしょうけれど。

東川  その専門家、つまり税理士としての猪田さんにぜひお尋ねしたいんですが、独立開業したばかりの若手税理士さんに…、といっても猪田さん自身が若手なんですけども(笑)、先に開業している先輩という立場から、もしアドバイスするなら…?

(次回に続きます)

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【もくじ】

第1回 ほとんどの顧客が法人。個人さんは受けません。なぜなら…。
第2回 金融機関にとって「役に立つ」税理士。
第3回 地域の若手士業と、どんどん連携していきます。
第4回 顧客からの融資相談、コツさえつかめば難しくないのに…。
第5回 公的補助金申請のお手伝い、する? しない?
第6回 地場で連携して、この土地から新しいものを。
第7回 自治体訪問時に、みかん置いてきたりして。
第8回 税理士も、クリエイティブに。
第9回 次世代の経営者を育てると、自分も育っていく。
第10回 「すきま」は、つついていると広がる。

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