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事業計画書を書く際に留意しておいてほしいのは、
「銀行員は、融資する業種のことにとても詳しいわけではない」
ということです。
融資審査をする上で、融資する業界や業種に詳しければ、その業界特性や業種特性にあった与信判断ができます。
例えば、融資する顧客のターゲットについて「今、どういう状況にあるのか」「何を欲しているのか」「何に悩んでいるのか」を知っていれば、書かれている事業計画書が妥当なのかどうか、実現可能性は高いか低いかについて割と正確に判断できます。
しかし、銀行員は融資先のターゲットのことを詳しく知りません。意外と世間知らずです。
すべての業界のことに通暁している銀行員などいません。
得意な業種、知っている業種はありますが、同様に苦手な業種、知らない業種もあるのです。
知らない業種や苦手な業種について、詳しく調査をしてくれる担当者であれば言うことはありません。
が、仕事に追われている彼らは、少しでも早く案件(稟議書の作成)をこなさなければならないため、深い調査はなかなかできないのが現状です。
融資審査で見るべき点は、基本的に共通しています。しかし顧客ニーズや特有の商習慣など、与信判断に必要な個別の事情もあります。こういった個別の情報を知らない場合が少なくありません。
そういうとき、銀行員はどうするかというと、まず、「業種別貸出審査事典」を見て、その業界のことを調べます。
「業種別貸出審査事典」は、全産業、全業種1140業種を網羅しています。
●「業種の特色」
●「業界動向(業況や主要企業の紹介・分析、課題と展望など)」
●「業務知識(製品、商品、サービスの特性など)」
●「審査のポイント(財務状況の見方、収支モデルなど)」
●「収益向上・経営改善アドバイス(事業再生のポイントなど)」
●「取引推進上のポイント」
●「関連法規制・制度融資等」
●「業界団体(業界主要団体の連絡先)」
…などが書かれており、与信判断をする上ですごく役に立ちます。
ただ、この「業界別貸出審査事典」は高額であるため、どの支店にも備え付けられているわけではありません。あったとしても、なかなか買い換えないので、内容が古いものが置いてあったりします。
最新の「業界別貸出審査事典」が支店にあれば、ある程度、業界・業種について知ってもらうことは出来るのですが、なかったり、古かったりした場合、彼らの持っている情報はあてになりません。
だからこそ事業計画書を書く際は、「銀行員は業界についてよく知らないもの」だと認識した上で、業界の情報については、出来る限り詳しく書く必要があります。「中学生が理解できるレベル」の情報を伝えるよう、心掛けてください。
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