勤務している税理士事務所を継ぐべきか?継がざるべきか?

申請代行業務をメインで行っている士業のビジネスモデルの寿命は、あと何年?

こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
先日、独立を考えている税理士さん(Aさん)から、
「今、勤務している事務所の所長さんに、「退職して独立したい」と切り出したところ、
将来的には事務所を譲ることを考えているので、独立するのは、しばらく待って欲しい
と言われました。どうしたらいいと思いますか?」
と相談を受けました。

彼は、そのことを周りの税理士に相談したそうです。
相談した税理士からは、
その申し出を受けて、しばらく独立は辞めておくべきだ
という意見ばかりだったとのことでした。

私には別の意見があったのですが、それを言いませんでした。
なぜなら、彼は、それらのアドバイスに対して不安を持っていた様子に見えからでした。

「所長先生からの申し出は、とてもよい話のように聞こえますね。
でも、◯◯さんは、納得していないように見えますが、何か、不満か不安でもあるのですか?」

と質問すると、

不安な点は2つあります。
一つは、所長先生がどれだけ現役でいるかわからないということなのです。
事務所を譲ってくれるとは言っていますが、本人は、まだまだ現役でいるつもりのようです。
すぐに譲ってもらえるのであればいいのですが、今の状態で、それが10年先になってしまうと、
ちょっと厳しいです。

もう一つは、譲ってもらったとしても、
今、所長についている顧問先が、いつまでもいるとは限らないということです。
所長と同じような年齢の方ばかりなので、顧問先の中には、亡くなったり、
後継者がいなくて廃業したりという方が結構いらっしゃいます。
継いだはいいが、ほとんど顧問先が残らないということになれば、
目も当てられませんから。」

と答えられました。
事務所を承継することに、あまり乗り気ではなさそうだったので、私の意見を伝えました。

「私も、継ぐべきではないと思います。なぜなら、その事業承継は、
とてもリスクが高いからです。

Aさんの事務所は、記帳代行と税務申告がメイン業務で、所長先生の方針で、
他の業務はほとんどしていないと言っていましたよね。
AIの発達により、記帳代行や税務申告といった手続き業務に関する報酬は、
どんどん下がってきています。
このままのビジネスモデルでは、5年後、顧客数が同じでも、売上が半分になる可能性も
十分あります

また、Aさんがおっしゃっていたように、それに加えて、顧問先数の減少もあるでしょう。
スタッフを抱えたまま、売上の上がらない事務所を抱えていたとしたら、それだけで、
赤字体質になります。

このまま何年も、今の事務所に所属していると、
記帳代行と税務申告しかできない税理士のままとなってしまいます
継いだときに、それに気づいて、そこからビジネスモデルを変えたとしても、
簡単に変えることができません。

今のうちに、AIに負けないようなビジネスモデルを構築しないことには、
5年後、10年後に負け組になってしまいます。

今、独立すれば、顧問先のない状態で独立になるかもしれません。
しかし、今、AIに負けないようなビジネスモデルを構築して、顧問先を自力で獲得する力を
身につけておけば、5年先でも10年先でも、不安を感じることはありません。」

税理士事務所を承継するということは、一見、リスクがほとんど無いように思えますが、
旧態依然とした体制の事務所だった場合は、とんでもないリスクが、そこに潜んでいるのです

旧態依然とした体制の事務所で、長く勤めるリスクも同様です。
これは税理士事務所に限ったことではありません。
士業の独占業務は、手続き業務であることが多く、これは簡単にAIに代替されます

あなたが現在勤務している事務所は、5年先、10年先を見据えて、
AIに負けないビジネスモデルを構築出来るようなノウハウを
学ぶことができるところでしょうか?
もし、そうでないなら、早めに事務所を移ることを考えるべきだと思います。
または、早めに独立すべきでしょう。

手続き代行業務代行といった旧態依然としたビジネスモデルに慣れきってしまうと、
未来は暗くなってしまいます。

明るい未来を切り開くためにも、今こそ、行動を起こすべきだと思います。
今なら、まだ、売り手市場ですから、転職はそんなに難しくないと思いますよ。


苦労して資格をとった以上、最終的には、自分の裁量で仕事のできる
「独立」という道を選びたいと考えている人は多いと思います。
しかし、独立した士業が全て上手くいっているとは限りません

独立を成功させるためには、
専門知識」「コミュニケーション能力」「顧客獲得能力
の3つが必要となります。

特に重要なのが「顧客獲得能力」。
どれだけすばらしい知識やノウハウを持っていても、貢献できる顧客がいなければ、
その知識やノウハウも宝の持ち腐れになってしまいます。

そんな「顧客獲得能力」を高めるためのヒントが手に入ります。

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