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設備投資をしたくても、融資やリースの利用が難しい企業は少なくありません。そんなときに検討したい、公的機関が提供する小規模企業設備貸与制度について解説します。
こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
設備投資の相談を受けた際、多くの士業・コンサルタントは、まず金融機関からの融資やリースの活用を検討すると思います。
決算書の内容がよい企業ならスムーズに話が進むのですが、そうでなければ融資もリースもハードルが高くなります。テコ入れするための設備投資であるにも関わらず、それができなくなると、事業の立て直しが難しくなることもあります。
そんなときに検討したいのが、「小規模企業設備貸与制度」。金融機関融資や一般的なリース以外にも、設備投資を行うために中小企業が利用できる公的な制度です。
●小規模企業者等設備貸与事業 | 公益財団法人 全国中小企業振興機関協会
※なおネクストフェイズは、事業者への個別アドバイスを行っていません。ご相談のある事業者は、ネクストフェイズが運営する一般社団法人融資コンサルタント協会の会員を検索して気軽に連絡を取ってください。融資の専門研修を受けた融資コンサルタントが、全国に1,000名以上います。初回相談無料、また遠距離対応可の融資コンサルタントもいます
小規模企業設備貸与制度とは、道府県などの公的機関が設備を購入し、それを事業者に対して割賦販売またはリースという形で提供する制度です。
設備投資を検討している企業の中には、金融機関から希望どおりの融資を受けられない、リース会社の審査に通るか不安がある、毎月の支払額をできるだけ抑えたいと考えている経営者も少なくありません。そのような企業にとって、小規模企業設備貸与制度は検討価値のある制度といえます。
制度そのものは以前から存在していますが、経営者の認知度は決して高くありません。そのため、経営者自身から制度名を挙げて相談されることは少ないのですが、設備投資の相談を受ける士業・コンサルタントなら、知っておいて損はない制度だと思います。
この制度の大きな特徴の一つが、リース料率の低さです。
たとえば、600万円の設備を5年間のリースで導入する場合、小規模企業設備貸与制度では、自治体によって異なりますが、リース料率が約1.8%程度になることがあります。その場合、毎月の支払額は約10万8千円、5年間の総支払額は約648万円となります。
一方で一般的なリース会社を利用した場合、条件によってはリース料率が2%を超えることもあります。仮に2%で計算すると、毎月の支払額は約12万円、5年間の総支払額は約720万円。
設備投資額が大きくなればなるほど、この差は無視できません。
返済条件の変更(いわゆるリスケ、リスケジュール)を行っている企業は、新たな融資やリースの利用はたいへん難しく、まず期待できないと言っていいでしょう。金融機関やリース会社から見れば、返済条件の変更を行っているという事実自体が、与信判断に影響するためです。
しかし小規模企業設備貸与制度では、返済条件の変更を行っていることだけを理由に、一律で利用不可とされるわけではありません。
実際、以前に私が支援したリスケ中の企業は、大阪府の小規模企業設備貸与制度を利用して新規設備を導入。その設備によって生産能力が向上し、徐々に業績が改善した結果、最終的には正常先へ回帰しました。
※現在ネクストフェイズは事業者への支援を行っていません。ご相談は一般社団法人融資コンサルタント協会の会員をここから検索してに直接お寄せください
もちろん小規模企業設備貸与制度を申請する場合でも、設備導入の必要性や事業計画の妥当性、リース料を支払う能力などは確認されます。それでも、リスケジュール中だから最初から諦めるという制度ではない点は重要です。
設備投資によって生産性向上や売上増加が見込めるなら、事業再建の一助となることもあります。その意味では、資金繰りが厳しい企業ほど検討価値のある制度ともいえるでしょう。
小規模企業設備貸与制度は魅力的な制度ですが、全国どこでも同じ条件で利用できるわけではありません。
制度の運営主体は道府県ごとに異なり、対象となる設備や利用条件、貸与限度額なども地域によって違いがあります。
また、自治体によっては制度自体を実施していない場合もあります。そのため、経営者から相談を受けた際には、まず、その会社の所在地で制度が利用できるのかを確認することが大切です。
さらに、リスケ中の企業であっても利用できる可能性はありますが、無条件で利用できるわけではありません。
設備導入の必要性や投資効果、今後の収益改善の見込みなどについて説明できることが求められます。設備を導入したいという希望だけでなく、その設備によってどのような成果が期待できるのかまで考えておくことが重要です。
その意味では、この制度は単なる資金調達制度ではなく、事業計画の妥当性も確認される制度といえるでしょう。
利用を検討する場合は、管轄の中小企業支援機関などへ事前に確認することをおすすめします。
経営者は、自分では解決できない悩みを専門家に相談します。その悩みの背景にある事情も含めて相談にのりたいと、中小企業支援を志して独立開業した士業・コンサルタントなら誰もが考えるでしょう。
たとえば設備投資の相談は、単なる設備購入の相談ではないことがよくあります。背景に資金調達、資金繰り、事業計画、金融機関対応、また将来の事業承継など、さまざまな経営課題が含まれています。
また資金繰りは、多くの中小企業経営者に共通する悩みです。だからこそ相談した専門家が頼りになると感じると、「支援の依頼」につながることが多いのです。融資や資金調達の相談をきっかけに、支援依頼や顧問契約につながることは珍しくありません。
今回ご紹介した小規模企業設備貸与制度も、知ってさえいれば経営者に提案できる選択肢が広がります。このような制度を適切に活用するためには、制度単体の知識だけでなく、金融機関融資や信用保証制度なども含めた、周辺の知識もおさえておきたいものです。
そのためネクストフェイズは士業・コンサルタント向けに、「融資支援ノウハウ習得セミナー」を開催しています。専門家としてのキャリアを積み、経営者の役に立つ範囲を広げたい士業・コンサルタントにおすすめします。
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