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「コロナ融資の返済ができない」と相談されたときにアドバイスしたい対策2点

以下の2点で、事業者の危機を救う具体的行動に入れます。

こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。

ネクストフェイズが運営する一般社団法人融資コンサルタント協会に所属する士業・コンサルタントから、近ごろ「顧問先のコロナ融資の返済が始まったが、今の状況では返済できそうにないので対応策を教えてほしい」という相談が増えてきました。

新型コロナウイルスの影響で売上が激減し、資金繰りが苦しくなった事業者のほとんどは、日本政策金融公庫や信用保証協会の保証つきでコロナ融資による資金調達を行いました。

そのおかげで当面は資金繰りが改善されたものの、影響が長引いて売上が以前のように戻らず、再び資金繰りが難しくなっている事業者が増えてきました。今後コロナ融資の返済が始まると、なおさらキャッシュフローが厳しくなります。

2022年9月26日の日本経済新聞関西版の記事を読むと、2023年度は今より多くの事業者がコロナ融資の返済開始時期を迎えることから、「コロナ融資の返済ができない」相談がさらに増えていくと考えられます。

関西2府4県の信用保証協会のデータを集計すると、ゼロゼロ融資の返済開始時期で最も多いのは20年度だ。借り入れた初年度に返済を始める企業が多く、全体の35%を占める。一方、23年度も28%にのぼり、返済の2度目の山場は目前に迫る。

●ゼロゼロ融資、迫る猶予切れ 23年度に3割で返済開始(日経新聞記事)

 
「今のままではコロナ融資の返済ができない」と相談されたとき、士業・コンサルタントはどんなアドバイスをすべきでしょうか。

下記で2つの対策を紹介しています。ぜひ参考にしてください。

また、これらの対策をより深く、また広く学べる2日間の集中講座も用意しています。こちらから開催概要をご覧いただけます。
 

返済額を減額する2つの対策

対策① リスケ(リスケジュール)

今までなら、融資の返済額を減額するには一つの方法しかありませんでした。それは、「リスケ」

「リスケ」とは、金融機関からの融資に対する毎月の返済が厳しくなったため、金融機関との交渉を経て、返済可能な金額・期間などに変更することです。

返済のスケジュールを見直すことから「リスケジューリング」といい、それを略して「リスケ」と言われています。

しかし注意点がひとつあります。リスケをしてしまうと事業者の信用格付けが大幅に下がるため、金融機関はその後の新規融資には応じてくれないようになります。将来、資金調達を行いたいと考えている事業者にとっては、できるだけ避けたい状況です。

対策② 同額借換

通常の融資では、上記①の「リスケ」しか返済額を減額するための方法がありませんでした。しかしコロナ融資に関しては、もうひとつ対応策があります。それは金融機関に「同額借換」を依頼すること。

同額借換については、以前から何度もこのブログでお伝えしてきました。詳しい内容については、以前の記事をご参照ください。

新型コロナ融資の返済に悩む事業者の負担を減らすアドバイス=同額借換


 

まず「対策②同額借換」をすすめよう

コロナ融資の返済を相談された士業・コンサルタントとしては、まず「以前コロナ融資を借りた金融機関に対して同額借換の依頼」のアドバイスをしたいものです。

たしかに同額借換を依頼しても、かならず対応してくれるとは限りません。しかし今までネクストフェイズが間接的にサポートしてきた事例では、7~8割は対応していただけています。
 

同額借換を認めてもらえなかったときの対策

7~8割の同額借換が成功する=2~3割は認めてもらえないということ。そうなると残った方法は、上記①としてご紹介した「リスケ」しかありません。

同額借換を認めてもらえなかった対策=リスケへのスムーズな移行を目指すため、それでも1ヶ月分は返済することが大切です。

その返済の引き落としが済んだタイミングで、金融機関に以下のように伝えてほしいと事業者に指南してください。

今回は、無理をして資金段取りを行い、何とか返済することができました。が、次回以降、とうてい返済をすることは不可能です。

同額借換は、返済猶予期間を延ばしてもらおうと思って依頼しました。しかし認めてもらえなかったので、次回以降の返済につきましてはリスケをお願いします。

(事業者から金融機関への依頼例)

 
この時点で金融機関は事態の深刻度を察知し、リスケ交渉に臨む体制ができるでしょう。

一方、事業者を支援する士業・コンサルタント側は、経営改善計画書の作成(後述します)など、リスケをスムーズに進める作業に着手するフェイズに入ります。
 

リスケ依頼時に知っておきたいノウハウ4点

金融機関にリスケをしてもらうため、士業・コンサルタントとしておさえておきたい知識が4点あります。

(1)初リスケは元金返済ゼロが基本

初めてリスケを依頼する際、金融機関には「元金ゼロ」で依頼しましょう。

たとえば通常返済が毎月50万円で、現状なら20万円程度は返済できる能力があったとします。しかし元金返済依頼額は、「ゼロ」。

なぜならリスケをすることで今後は金融機関からの資金調達が不可能になり、資金需要が発生しても借りることができないからです。

不測の事態に対応するために、余裕資金はできるだけ多くプールしておきましょう。

(2)全行協調

複数の金融機関にリスケを依頼する場合は、「同じ条件」でないと納得してくれないため、全行協調を目指します。

(3)期間は1年を目指す

金融機関はリスケを行う際、返済額減額期間を6ヶ月単位にすることが多いものです。

しかし6ヶ月で状況を改善することはほぼ不可能でしょう。すると6ヶ月後、新たに申請することになります。

その都度リスケに必要な「経営改善計画書」の作成作業は、ただでさえ業績改善に悩む経営者の負担をさらに増やすだけ。業績改善に専念してもらうためにも、返済額減額期間は1年を目指すべきでしょう。

どうしても1年を認めてくれない金融機関がある場合は、「信用保証協会の返済額減額期間」を1年にし(信用保証協会は認めてくれることが多いものです)、プロパー融資を6ヶ月にするという手もあります。

かならず成功するとは限りませんが、挑戦する価値はあります。これが認められたら、6ヶ月後に来る再度のリスケ交渉を簡略化できることでしょう。

(4)目指す期日の1か月前には計画提出

リスケを依頼して、すぐ認めてもらえるわけではありません。金融機関の現場では、依頼を受けてから「条件変更稟議書」を作成し、本部に申請する必要があるからです。

そのときに必要になるのが、「経営改善計画書」。その経営改善計画書の内容を鑑み、担当者は「条件変更稟議書」を作成します。

条件変更稟議書の作成から本部の認可をとるまでに、1ヶ月程度は見ておきましょう。よって少なくともリスケ開始日の1ヶ月前には、「経営改善計画書」を提出しておきたいところです。
 

そのほかリスケに関する知識

上記の内容だけおさえていればリスケのサポートをスムーズにできる…と言いたいところですが、残念ながら万全とは言い切れないのが現実です。上記以外にも、事業者をサポートする士業・コンサルタントとして知っておきたいことは数多くあります。

例)リスケに関するその他の知識

●金融機関が好む経営改善計画書の書き方
●経営改善計画書のポイント
●金融機関交渉のポイント
●リスケに入る理想的なタイミング
●出口計画の作り方
●正しい債務の減らし方
●依頼を受けるべき社長とそうでない社長の見分け方 等

 
これらの流れ・段階・実務を知っておけば、事業者が安心できるリスケのサポートができるでしょう。

そんな「小規模事業者に特化したリスケ」に関する知識・ノウハウが学べる2日間の集中講座を、東京・大阪・オンラインで開講します。
 

「事業再生コンサルタント養成講座」で学べます

そもそも小規模企業に特化した事業再生の知識・ノウハウを、体系化して学べる場はそうありません。だからこそ「小規模企業の事業再生に強い」と言えるようになるだけで、他の事業再生コンサルタントとの差別化ができるでしょう。

また「リスケしている間ずっと顧問契約が続く」息の長い伴走支援=コンサルティング契約ができるのも、本講座のメリットのひとつです。

この記事をお読みの士業・コンサルタントのみなさん、リスケサポートの経験はあっても、「小規模企業」についてはいかがでしょうか。また、小規模企業どころか、どんな規模の企業であれ今までリスケ・事業再生サポートをしたことがない方も多いでしょう。

しかし今後コロナ融資の返済が本格的に始まり、ニーズがますます増える今、もし同業者がほとんどいないこの分野に魅力をお感じでしたら、ぜひ受講をご検討ください。

カリキュラムなどの詳細は以下のページでご覧いただけます。

●【小規模企業特化型】事業再生コンサルタント養成講座2022【大阪・東京・オンライン】

【小規模企業特化型】事業再生コンサルタント養成講座【大阪・東京・オンライン】


「事業再生コンサルタント養成講座」開催概要

  大阪 東京 オンライン

1日目

(第1~3講)

2023年1月20日(金)

2023年1月27日(金)

2023年2月3日(金)

2日目

(第4~7講)

2023年1月21日(土)

2023年1月28日(土)

2023年2月3日(土)

場所

サニーストンホテル〈江坂〉北館 6階 竹の間

大阪府吹田市広芝町10-3

※Osaka Metro御堂筋線 「江坂」駅 徒歩すぐ

 

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※JR渋谷駅(南改札東口)/東急東横線渋谷駅(南口)/地下鉄銀座線渋谷駅(東口) 徒歩5分

 

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定員 各日20名限定 各日8名限定 各日12名限定

※いずれも10:00~17:00です
※1日目と2日目、受講会場が別々でも構いません。申し込みフォームで各日の会場を選べます

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