弁理士、金融機関へ行く【4】 まさかの適用外?

大阪府堺市で独立開業している、山本英彦(やまもと・ひでひこ)弁理士(37歳)。
2年目を迎える本業の特許事務所とは別に、このたび2017年6月、
特許権活用のニュービジネスのために新会社を設立することにしました。
そこで創業融資をしてもらうことを(最終?)目的に、
金融機関との関係構築を決心して…。

こんにちは、ネクストフェイズ編集部です。
かつて同僚としてネクストフェイズで働いていた山本さんは、
弁理士という士業であり、
規定の講座を受けた融資コンサルタント協会認定のSP融資コンサルタントであり、
また同時に、経営者自身。

そんな山本さんが、金融機関との関係構築の過程を綴った記録を送ってくれました。
読んでみたら、現場ならではの情報や実感にあふれ、はっとさせられる点がたくさん。
そこで山本さんから原稿が届きましたら、随時、こちらでご紹介していくことにしました。
なるべく固有名詞を秘さない、なるべくリアルな体験ルポを、不定期連載でお届けします。


『弁理士、金融機関へ行く』シリーズ
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【4】 まさかの適用外?

******************************************************************************** こんにちは、弁理士・SP融資コンサルタントの山本です。『弁理士、金融機関へ行く』第4回です。今回は池田泉州銀行への訪問3回目。前回記事で初訪問した日本政策金融公庫と同じ日、2017年5月16日(火)に行ってきました。 第3回は、創業計画の提出が目的 第3回訪問の目的は、第1回訪問時にお願いした融資に関する創業計画の提出です。 訪問2日前に、支店長さんに電話連絡をいれてアポを取っておきました。既に2回直接あって話しているので、電話しやすく感じました。 訪問時、支店長とアポがある旨を伝えようとして窓口の女性事務員さんに向かったところ、支店長が先に見つけてくれて、そのまま第1回と同じように応接室に通されました。 定期積金のおかげで「お客さま」の扱い 今回も支店長と融資課長に同席いただき、まずは融資課長から、前回の訪問で定期積金をしたことについてお礼をいわれました。がんばって毎月5万円にしたのですが、特に額には触れられず…。やっぱり1万円でもよかったのかな? しかし支店長からは、「融資を受ける際、それまでの実績も重要だが、預金の額も重要なので、預金していただけると取引もしやすい」との言葉も。うーん、やっぱり5万円にしておいて正解?
※ヒガシカワ注: 預金をすれば顧客になれるので、最初は毎月1万円でもよかったかも。でも支店長のおっしゃるとおり、大きな金額の、しかも定期性預金だと、かなり印象はいいですよ。
いずれにしても、定期積金を始めたことで、確実にお客さんとして扱ってもらえることがわかりました。 創業計画は、規定フォーマットに細目を添付 →高評価! 創業計画については、その場では特に質問を受けるようなことなく、「後ほど信用協会にファックスで流して実際に話を進める前に、事前確認をしてみます」とのことでした。 創業計画は今回のプランの規定フォーマットで4枚程度の簡単なものでしたが、一応、数字の簡単な細目を添付資料で作っておきました。 「事前確認で信用協会からOKが出たら、おそらくそういった細目についても聞かれると思いますが、こうして事前に準備してもらえると手間が省けるので助かります」と融資課長はおっしゃっていました。 「ただ、案件ごとに必要となる提出資料が異なるので、おそらくこれ以外にも提出をお願いする資料はでてくるだろう」とのことで、今回の融資は信用協会次第ということを感じさせられました。
※ヒガシカワ注: 通常の保証協会付き創業融資では、審査のメインは保証協会。保証協会がOKを出すと、一も二もなく融資OKです。さらに通常の保証協会の保証付き融資はリスク負担が「銀行2:保証協会8」ですが、創業融資の場合は「保証協会10」で、銀行にはリスクがないのです。
金融機関の仲介機能のベンチマークについて話を振ると その後は少し雑談になったので、金融機関の仲介機能のベンチマークの話を振ってみました。支店長は、「池田泉州銀行としては以前から創業支援やその他ベンチマークに関係することを積極的に行っているので、特にベンチマークが始まっても慌ててはいません」と、胸を張って説明されていました。 池田泉州銀行の選択ベンチマークをお聞きできたらと思っていましたが、話が別の方向に進んでいったので、流れにまかせました。そのうち、機会を見てお尋ねしたいと思います。 以上のような感じで、第3回訪問は約20分程度でした。3回の訪問で、しっかりお客さんとして扱われている印象を受けましたし、雑談レベルの話はいろいろとしてもらえるようになった気がしました。 まさかのどんでん返し ところがその日の夕方(訪問したのは午前中)、融資課長からお電話がありました。今回私がお願いしている池田泉州銀行のプラン「創業応援ローン」は、私の新会社には適用できない旨の連絡が信用協会から入ったとのこと。私は弁理士としてすでに個人で事業をしていますので、あらたに会社設立しても創業とはみなされないのだそうです。
※ヒガシカワ注: 「創業融資」という商品の場合、こういう制限があるケースが少なくありません。たとえば個人事業としてすでに飲食店や美容院を経営していて、法人成りをした後に融資を申し込んでも創業融資の対象とはみなされない可能性があります。また、たとえば税理士がひとりで事務所経営していて、その後パートナーを得て税理士法人を設立しても、創業融資を受けることはなかなか難しいでしょう。
ただし池田泉州銀行のこのプランは創業5年までなら適用可能らしく、個人の事業(私の場合は特許事務所)だと融資の可能性があるとも教えていただきました。「創業計画は作り直しになるけれど、個人の事業で申請してもらえれば」と融資課長にご提案いただきました。 私としては銀行との関係構築が目的ですので、個人の事業で借入するためにあと何回か銀行に訪問する理由もできると考え、前向きに検討する旨と提案に対する感謝をお伝えし、電話を切りました。 というわけで融資の内容は変更になりますが、『弁理士、金融機関へ行く』シリーズは、まだ続きそうです。 まとめ ●第3回訪問の目的は、創業計画の提出 ●定期積金をしているせいか、きちんと「顧客」扱いをしてもらえた ●創業計画に数字の細目を添付すると、担当者から喜ばれた ●私の新会社、実は適用外だった(私がすでに個人事業を始めていたため) ●しかし同じプランで、新会社ではなく個人事業への融資の可能性はある ●滞在時間は、雑談を含めて約20分 その後、東川とのやりとり 山本「まさか、そもそも利用する資格のない融資商品だったとは…」 東川「担当者の勘違いや勉強不足により、本来申し込めない融資商品に申し込むケースは、残念ながら昔からよくあります」 山本「どうすれば避けられますか?」 東川「顧客側としては、もう運としか言いようがないですね。今回は支店長や融資課長が出てきていて、この結果ですから」 山本「でも個人事業への融資をご提案いただけたので、また池田泉州銀行に行ける理由ができました東川「融資の可能性が残っていてよかったです。またご報告お待ちしています」

(第5回につづきます)

はげましのおたよりを山本英彦弁理士に! → yamahide@ipuse-pat.com
******************************************************************************** 『弁理士、金融機関へ行く』シリーズ 【4】2017/5/16訪問 まさかの適用外? 【3】2017/5/16訪問 日本政策金融公庫で早とちり2回 【2】2017/5/11訪問 第2回訪問は、あっさりと 【1】2017/5/9訪問 いきなり融資の話をしてみた ********************************************************************************

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