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富井禎文行政書士インタビュー【5】「行政書士×金融機関、仲よくなるコツは?」

東京都葛飾区に事務所を構える行政書士、富井禎文(とみい・よしふみ)さん(54歳)。
20年以上も勤務した資産家向け相続対策専門コンサルティング会社を辞め、
2013年、50歳のとき、行政書士資格の取得後すぐに独立開業しました。

長年の経験を活かした不動産関連を中心とする業務には、
金融機関との連携が必須だと、独立当初から考えておられたそうです。
そこから「士業と金融機関の連携」を推進するネクストフェイズとご縁が生まれ、
今回のインタビューにつながりました。

実際に金融機関から顧客の紹介を受けている富井さんから、
毎月実践しておられる金融機関への訪問の詳細、リアルな集客方法、
行政書士ならではの事情を踏まえた若手のみなさんへのアドバイスなどをお聞きし、
いつものように5回連載でお届けします。

聞き手はネクストフェイズ編集部ですが、
今回も取材に同席していたネクストフェイズ代表・東川がときどき発言しています。

富井禎文さんプロフィールはこちら

富井禎文行政書士インタビュー <全5回>
「行政書士×金融機関、仲よくなるコツは?」

【もくじ】
第1回 銀行訪問は月に1日、9店舗まとめて
第2回 士業との連携を求め始めた金融機関
第3回 金融機関訪問を継続させるポイント
第4回 集客はWebじゃなく、リアルで
第5回 行政書士よ、事務所を出よう
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【第5回】行政書士よ、事務所を出よう

□ ギュッと短時間で考え、決めたらすぐ行動

富井 税理士とか社労士は顧問契約があるじゃないですか。そういう意味では、行政書士とか司法書士って単発の仕事がメインですよ。なかでも行政書士の場合は、あまりにもジャンルが広すぎて、どの分野でいこうか決めていない人が多いんですよね。

東川 そうですね。←激しくうなずく

富井 もともと何かの仕事をしていて、その関連の仕事を行政書士として続ける人は別として、「とりあえず行政書士の資格を取りましたけど、さて何をやりましょうか」というところからスタートする人が、かなりいるんですよね。こういう場合だとぐるぐる回って、何も成し遂げずに終わりがちです。あれがいいと言われればあれをやってみよう、これはいいと言われればこれをやってみる、けれど結局そこに居つくことができず、すぐやめちゃったり、最後には廃業しちゃったり…。そういった、この資格特有の事情があると思います。

―― ぐるぐる回る?

富井 そう、「考えろ」と言うとずっと考えている人って結構いるんだけど、それって答えが出ないと、ぐるぐる同じところを回っているだけなんですよね。考えるときって、やっぱり短時間で、ギュッと詰めて考えて、深く思考して、結論出さないとだめですよ。

東川 締め切りを作らないと。

富井 そう。やるのか、やらないのか決めないと。

―― で、決めたらやる。

富井 そう、決めたらやる。その次に、効果検証です。たとえば「やってみたけど結果につながらなかった」でやめてしまうのではなく、「何を期待して行くのか」という、行動と目標の枠組みづくりです。だからこそ私だって、最初は19件の支店を訪問しましたが、早々に数を減らしていけたんです。


●富井さんのお洒落なビジネストートに惹かれて思わず撮影。
富井「銀行訪問時も、このバッグですよ。資料が多いので、軽いのが便利でいいですね。
いえいえ、高価なブランドものとかじゃないですって。ナイロン製です。Amazonでポチッと」。

□ 行政書士よ、事務所を出よう

東川 あと、行政書士は修行の場が少ない、という事情もある。

富井 そうです、行政書士には、修行する場所がない。

東川 どっかの行政書士事務所に勤めてから独立したっていう話なんか、ほとんど聞いたことないです。人を雇ってる行政書士のほうが圧倒的に少ない。

富井 そういう意味では司法書士は師弟関係が結構できてるんですけど、行政書士には少ないですね。環境的に、もう資格を取ったらいきなり自分でやるしかないという、そういう状況で。

東川 で、お客さんが来てないとき何してるかっていうたら、勉強しはるねん。

富井 あとは一生懸命、自分のホームページをカチカチと作ってるとか。

東川 事務所にこもってても仕事は絶対来ないから。勉強する暇あったら人に会いに行かんと、自分のことを知ってもらう工夫せんと。でも、ネットやったら嫌な目にあわんで済むし…。

富井 傷つかないので…。

東川 はい。でも、たとえ人に会わんでも、ネットでもいいけれど、ホームページだけで集客するんじゃなくて、ブログやって、メルマガやって、Facebookやって、LINEやって…と、手数をどんだけ増やせるかどうかというのが大事やったりします。

―― じゃ、リアル営業の場合は?

富井 リアル営業は、やったもん勝ちで、言ったもん勝ちです。奥ゆかしくしてちゃだめです。たとえば顧客を紹介してほしいという希望だって、嫌がられる言い方とか、うっとうしがられる言い方はだめなんですけれども、そこは面白おかしくできればいいし、かわいがられれば、なおいい。そんな印象になるように、どう伝えていけるかというところですよね。

□ セミナーに行っただけで満足してはいけない

富井 セミナーだって、たとえば私はネクストフェイズで勉強しようと決めましたが、絶対その受講料を回収しようと思っていました。

東川 おっしゃるとおり。私も元を取ってほしいと思いながら講義しています。

富井 それはもう、強く思っていかないと、何のために受講するんですか、ということですね。でもみなさん、何か新しいこと知るとそこで満足するんですよ。勉強が目的ではないはずなのに。

―― ああ…。

富井 私もそういう経験が過去にあったから、こういうことを思ってるわけなんだけれども。

―― 富井さんにもそんな過去が?

富井 だって勉強すると、その勉強した瞬間に、ものごとを達成した気になるじゃないですか(笑)。だけど、そうではない。先ほども言いましたが、勉強することが目標ではないはずです。

―― そういえば富井さん、ネクストフェイズで勉強なさる前に、3つの目標を立てたとか。

富井 はい、ひとつは受講料を回収すること。これは達成しました。

東川 よかったです(安堵)。

富井 ふたつめは、ネクストフェイズの士業インタビューに出ること。

―― そうだったんですか!(驚)

富井 みっつめは、東川さんから顧客の紹介をしてもらうことです。

東川 そ、それは…(焦る)。

富井 いえいえ、実は先日ご紹介いただいたんですが、地域があわなくて(笑)。

東川 すみません、次はぜひ!(笑)

富井 お待ちしております!

(おわります)


●業界のこと、ご自身のことなどを冷静に観察しながらも、
ずっと続けてきた不動産の仕事が好きだと、まっすぐに、そして熱く語る表情が凜としておられました。
ありがとうございました!

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富井禎文行政書士インタビュー <全5回>
「行政書士×金融機関、仲よくなるコツは?」

【もくじ】
第1回 銀行訪問は月に1日、9店舗まとめて
第2回 士業との連携を求め始めた金融機関
第3回 金融機関訪問を継続させるポイント
第4回 集客はWebじゃなく、リアルで
第5回 行政書士よ、事務所を出よう

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富井禎文行政書士インタビュー【4】「行政書士×金融機関、仲よくなるコツは?」

東京都葛飾区に事務所を構える行政書士、富井禎文(とみい・よしふみ)さん(54歳)。
20年以上も勤務した資産家向け相続対策専門コンサルティング会社を辞め、
2013年、50歳のとき、行政書士資格の取得後すぐに独立開業しました。

長年の経験を活かした不動産関連を中心とする業務には、
金融機関との連携が必須だと、独立当初から考えておられたそうです。
そこから「士業と金融機関の連携」を推進するネクストフェイズとご縁が生まれ、
今回のインタビューにつながりました。

実際に金融機関から顧客の紹介を受けている富井さんから、
毎月実践しておられる金融機関への訪問の詳細、リアルな集客方法、
行政書士ならではの事情を踏まえた若手のみなさんへのアドバイスなどをお聞きし、
いつものように5回連載でお届けします。

聞き手はネクストフェイズ編集部ですが、
今回も取材に同席していたネクストフェイズ代表・東川がときどき発言しています。

富井禎文さんプロフィールはこちら

富井禎文行政書士インタビュー <全5回>
「行政書士×金融機関、仲よくなるコツは?」

【もくじ】
第1回 銀行訪問は月に1日、9店舗まとめて
第2回 士業との連携を求め始めた金融機関
第3回 金融機関訪問を継続させるポイント
第4回 集客はWebじゃなく、リアルで
第5回 行政書士よ、事務所を出よう
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【第4回】集客はWebじゃなく、リアルで

―― えっ、富井さん、広告を出しておられるんですか? しかもリアル広告って?

富井 そもそも、たとえば東京でいえば、渋谷とか新宿とかだったら、会社もいっぱいあるじゃないですか。私の事務所のある葛飾区はね、そういうところじゃないんですよ。

―― というと?

富井 新しく会社を立ち上げて何かをやろうという人が来る地域ではないんです。たとえば親の代からの家業を継いで法人化するケースはあるかもしれないけど、東京の他の地域と比べると事業活動が多いところではないですね。信金さんご自身も、そのようにおっしゃいますよ。ましてや都銀に比べれば、信金の顧客の多くは高齢者、みたいな話はよく耳にします。

―― 地域性…。

富井 はい、そういう場所柄なんだろうなとは思うので、ならば個人顧客の、とくにそこで不動産関連で困っている人、相続で困っている人を中心にお手伝いしていこうと私は思っているわけです。

―― となると広告は…。

富井 葛飾区には広報紙があるんですよ。月に3回、5日と15日と25日に出ます。

―― 新聞のタブロイド版のような?

富井 そうです。その広報紙が月に3回、各家庭に配られるんですけど、毎月25日号に、以前から東京都行政書士会の枠があるんですよ。さらにそのなかに8枠あって、毎月8名が広告を出せる。それを私は通年で1枠買っているんです。この広告の反響も、ちょくちょくありますね。


●葛飾区の広報紙が見られるページ。富井さんの広告は、毎月25日号に掲載

富井 面積は大きくないですよ。広告文は、20数文字程度です。あと、名前と電話番号と住所。

―― 内容は?

富井 私は、やはり「不動産」という文字を最初に書きます。「私が来てほしい人に、電話をかけてほしい」と思っているので。だからだいたい事務所には、「相続した不動産をどうしよう」とか「借地がもうすぐ更新なんだけど」といった相談が来ます。そういう内容なら、仕事になりやすいので。

―― なるほど、区の広報紙は有効なんですね。

富井 はい、事業内容によっては、区や市など、公的な広報紙での広告はアリだと思いますよ。

郵便局でのリーフレット設置は効果なし
―― ほかに広告は?

富井 今はそれだけです。一時、自分でリーフレットみたいなものを作って郵便局に置いたことがあるんですけど、全然だめでした。

東川 郵便局なら、封筒への広告枠も。

富井 そういうのもありますね。

東川 郵便局のポスターも。

富井 あります。

―― そのリーフレットに効果がなかったのはなぜでしょう。

富井 無料で置いてあるものだから、持って帰る人って、郵便局の用事の「ついで」なんです。で、ちょっと見てみて、用事があったら電話してみようかぐらいな感じなので、リアルなアクションにはつながりませんでした。リーフレットの出来のせいもあるかもしれないけれど、何となく、ちょっと違うなという感じはしたので、これはやめました。


●「富井さんのチラシ、ここをもっとこうしたら…」と東川が話し始めると、すぐ細かくメモを取り、積極的に質問。勉強熱心!

□ 私のお客さんは、Webを見ない層だから

―― 広告も、営業も、どちらもリアル派ですよね。

富井 金融機関への訪問もそうですが、人に会うことがメインです。ネットというかWebの反響を、私の場合は期待していません。私のお客さんはネットを見る層ではありませんから。

―― 実際にお会いする、と。

富井 はい、実際にお会いする金融機関の人、保険営業、他士業などの知人などからの顧客紹介ですね。私のことを見も知らない人が、ネットを見て私に電話かけてくることは、きっとないんだろうなと思っています。

―― 今のところ、ネットからの引き合いは?

富井 ないです。

―― ゼロですか。

富井 一時ちょっとPPC広告をやっていたことがあって、そのとき、数件電話がかかってきたんだけど、結局、依頼にはならなかったです。

―― じゃあ、もう、PPC広告は…。

富井 たとえば許認可とかなら、値段勝負になっちゃうとこが結構あると思うんだけど、ネットでもお客さんが取れると思うんですよ。でも自分が得意とする不動産の分野は、そうではないので。


●シンプルで読みやすい事務所サイトは、富井さんの自作。
富井「以前からWordPressを使っていたし、記事も仕上げていたので、時間はかかりませんでしたよ」
東川「いやいや、それ、みんなができることじゃないって!(笑)」

―― 銀行や知人からの紹介につながるリアル営業、区の広報紙へのリアル広告などを続けて、富井さんは独立後、3期目には収支がプラスに転じたとお聞きしています。その富井さんから、若手の行政書士さんへアドバイスするとしたら?

富井 はい、それは行政書士ならではの特徴に関係してくるんですが…。

(第5回につづきます)

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富井禎文行政書士インタビュー <全5回>
「行政書士×金融機関、仲よくなるコツは?」

【もくじ】
第1回 銀行訪問は月に1日、9店舗まとめて
第2回 士業との連携を求め始めた金融機関
第3回 金融機関訪問を継続させるポイント
第4回 集客はWebじゃなく、リアルで
第5回 行政書士よ、事務所を出よう
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富井禎文行政書士インタビュー【3】「行政書士×金融機関、仲よくなるコツは?」

東京都葛飾区に事務所を構える行政書士、富井禎文(とみい・よしふみ)さん(54歳)。
20年以上も勤務した資産家向け相続対策専門コンサルティング会社を辞め、
2013年、50歳のとき、行政書士資格の取得後すぐに独立開業しました。

長年の経験を活かした不動産関連を中心とする業務には、
金融機関との連携が必須だと、独立当初から考えておられたそうです。
そこから「士業と金融機関の連携」を推進するネクストフェイズとご縁が生まれ、
今回のインタビューにつながりました。

実際に金融機関から顧客の紹介を受けている富井さんから、
毎月実践しておられる金融機関への訪問の詳細、リアルな集客方法、
行政書士ならではの事情を踏まえた若手のみなさんへのアドバイスなどをお聞きし、
いつものように5回連載でお届けします。

聞き手はネクストフェイズ編集部ですが、
今回も取材に同席していたネクストフェイズ代表・東川がときどき発言しています。

富井禎文さんプロフィールはこちら

富井禎文行政書士インタビュー <全5回>
「行政書士×金融機関、仲よくなるコツは?」

【もくじ】
第1回 銀行訪問は月に1日、9店舗まとめて
第2回 士業との連携を求め始めた金融機関
第3回 金融機関訪問を継続させるポイント
第4回 集客はWebじゃなく、リアルで
第5回 行政書士よ、事務所を出よう
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【第3回】金融機関訪問を継続させるポイント

東川 継続といえば、ある士業さんから、こないだ銀行訪問についてこんな相談を受けたんです。

富井 どんな内容ですか。

東川 その士業さん、ある金融機関の人と知り合いになって、そこの支店長に会えるように紹介を頼んだんです。でも思うように進まへんかったらしくて、その活動やめてもうたっておっしゃっるんです。しかし、その方は1つの金融機関、1つの支店しかトライしてはらへんのです。百発百中を狙うから、すぐあきらめてしまうんですよ。富井さんなんて、事務所から歩いて行ける範囲のすべての金融機関、支店で言うたら19件ですよ。

富井 そのとおりです。5件しか訪問してなかったら、0勝5敗する可能性も、ないではない。全敗では、さすがに心折れると思うんですよ。でも19件行けば、2件や3件は話を聞いてくれたりするから、それを喜びにして「もう1回ココに行こう!」と思わないと。

―― とにかく数を多く、そして継続することだと。

富井 そう、継続すると決めること。1回休むと次が行きづらくなるんです。だいたいみなさん、毎月訪問しようと最初は決めるんだけど、途中で1回休んだりすると、次、行けないんですよね、なかなか。

東川 継続している間は、継続のパワーが出ますもんね。

富井 ええ、1回休むと「こないだ1回休んじゃった」という記憶が残って、また次も休んじゃうということになっちゃうんですね。休みグセがついちゃうので。

―― しかも銀行訪問は毎月第2週か、第3週か、その期間だけですよね。

富井 そうです、期間限定なんですよ。私は、月初には訪問日を決めています。その日はもう、空けておく。

―― 何日も費やすわけじゃないですし。

富井 はい、月に1日だけ。やろうと思えば大変ではないんですよ。そういう意味ではね。

―― 火、水、木曜がおすすめ?

東川 月、金は、どっちかというと避けといたほうがいい。

富井 あと、10日と15日を外せば


●「私の仕事例ですか? たとえば葛飾区のご高齢の方。配偶者から相続した他県の家屋を売却したいと思っても、
自分で現地の不動産屋さんに頼めます? たとえ頼めても、どこまで親身に対応して、売る努力をしてくれるか…。
でも私は自分の知識や経験を総動員して、最良の答えを出す。机上の理論だけではなくて、実現する、結果を出す。
そこが、この仕事の魅力です。はい、好きな仕事です(富井)」

□ すぐに結果を求めない
―― 最初は「行政書士って何する人?」という説明から始め、毎月、1回も休まずに通って。

富井 大事なのは、成果を急がないこと。「すべてがうまくいくとは思わない」という心がけです。何かやるときって、すぐ結果が出ないと嫌だという方が多いけれど、2回・3回やってみて成果が出なかったらみんなやめちゃうわけですよ。そのくらいの回数で結果を出すのって、無理に決まっているから。

東川 僕もよくセミナーで、最低でも4回は会わんとアカンと言うてます。4回会うまでは、自分を売り込んだらアカンって。

富井 なかなか、そこまでできないんですよ。それが、訪問が続かない理由なんですけどね。

東川 逆に言うたら、そこ乗り越えることができたら大丈夫。だってほかにそこまでやる人間はいてへんから。

富井 そうそう。「やったもの勝ち」って、そういうことですよ。

東川 もったいないなあと思うけどね。ホンマに仕事がないんやったら、銀行訪問してみたらいいですよ。

 □ 自分をサボらせない工夫
―― そういえば富井さんは、東川に毎回、銀行訪問のご報告をくださるとか…。

富井 それ、「自分をサボらせないように」ですよ。「毎月ネクストフェイズの東川さんに報告する」と決めてしまえば、やらざるを得なくなるから。だってカッコ悪いじゃないですか、途中で報告やめるのって。

―― 「あれ、今月は富井さんからご報告がないなあ」って(笑)。

富井 ということになっちゃうでしょう?(笑) そうしないためには行くしかないんです。とくに最初の頃は、そういう気持ちでした。

―― 実直で律儀な方だと思っていたら、まさかそんな理由だったとは(笑)。

富井 だって何のために銀行訪問するかといったら、成果を出すためでしょう? 成果を出すためには、回数を重ねて行かなきゃいけないと思っているんだから、それを続けるにはどうするか、なんです。

東川 でもそれはね、確信がないとできないことですよ。やり続けていたら絶対結果が出るという強い確信がないと、大概の人は心折れてしまうんですよ。

富井 不安ですからね。本当にこれを続けていて成果が出るんだろうかって思いながら活動するのは、なかなかつらいところがあると思いますね。でも自信を持つしかない。だって「この分野がだめだったから、はい次」という状況ではないんです。絶対やるんだ、というのが前提。正直、つらいとこだってあるし、心が折れそうなときもありますよね。でも、プラス志向で考えていくしかないので。

―― そこで、こうして人と会う、リアルな営業をなさっていると。

富井 そうそう、リアルといえば私の広告も…。

―― えっ、富井さん、広告を出しておられるんですか?

(第4回につづきます)

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富井禎文行政書士インタビュー <全5回>
「行政書士×金融機関、仲よくなるコツは?」

【もくじ】
第1回 銀行訪問は月に1日、9店舗まとめて
第2回 士業との連携を求め始めた金融機関
第3回 金融機関訪問を継続させるポイント
第4回 集客はWebじゃなく、リアルで
第5回 行政書士よ、事務所を出よう
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富井禎文行政書士インタビュー【2】「行政書士×金融機関、仲よくなるコツは?」

東京都葛飾区に事務所を構える行政書士、富井禎文(とみい・よしふみ)さん(54歳)。
20年以上も勤務した資産家向け相続対策専門コンサルティング会社を辞め、
2013年、50歳のとき、行政書士資格の取得後すぐに独立開業しました。

長年の経験を活かした不動産関連を中心とする業務には、
金融機関との連携が必須だと、独立当初から考えておられたそうです。
そこから「士業と金融機関の連携」を推進するネクストフェイズとご縁が生まれ、
今回のインタビューにつながりました。

実際に金融機関から顧客の紹介を受けている富井さんから、
毎月実践しておられる金融機関への訪問の詳細、リアルな集客方法、
行政書士ならではの事情を踏まえた若手のみなさんへのアドバイスなどをお聞きし、
いつものように5回連載でお届けします。

聞き手はネクストフェイズ編集部ですが、
今回も取材に同席していたネクストフェイズ代表・東川がときどき発言しています。

富井禎文さんプロフィールはこちら

富井禎文行政書士インタビュー <全5回>
「行政書士×金融機関、仲よくなるコツは?」

【もくじ】
第1回 銀行訪問は月に1日、9店舗まとめて
第2回 士業との連携を求め始めた金融機関
第3回 金融機関訪問を継続させるポイント
第4回 集客はWebじゃなく、リアルで
第5回 行政書士よ、事務所を出よう
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【第2回】士業との連携を求め始めた金融機関

富井 2015年の秋に金融機関へ行き始めたとき、「士業との連携を強めようとしている」という実感はあまりありませんでした。外部の専門家を活用する傾向が感じられるようになったのは、その半年後、2016年の春ぐらいからですかね。

―― ちょうど1年前ですね。

富井 何となく雰囲気が軟らかくなったというか、そういう感じはありましたね。でもそのときは、行き始めてから半年ぐらい経ったから、そのせいでちょっと愛想よくなってくれたのかな、なんて思っていました。具体的に顧客をご紹介いただいたのは、さらにその半年後です。

―― 現在も、別の顧客のご相談を受けておられるんですよね。

富井 はい。多くの金融機関とつきあっていると、それだけ多くの情報が集まりますしね。だって最初はわからないじゃないですか、どこが・誰が、当たりなのか外れなのかって。

―― たくさん訪問して、いま少しずつ結果が出始めていると。

富井 はい、先日は、いつも訪問している金融機関から、「支店同士で専門家を紹介しあう枠組みのネットワークを内部で作るので、富井さんを登録させてほしい」と言われましたので、ぜひ!と。

―― いい結果ですね! もしこれから金融機関訪問を始める人にアドバイスするとしたら?

富井 うーん、「自分の話は、意外と伝わっていないと思った方がいい」ということかな。

―― というと?

富井 「行政書士って何をやる人?」というところから話が始まるんです。私の場合は行政書士の中でも行政書士っぽくないことばっかりやっているから、なおさらわかりづらいというところがあって(笑)。

―― そういうときは?

富井 自分の名刺とチラシをお見せしながら、「自分には何ができるか」をお話ししています。


●富井さんが金融機関訪問時にお持ちする、詳細なチラシ。また、名刺の裏面には、そのダイジェスト版を掲載

□ 何度も会おう、表現を変えてみよう

富井 それでも、すぐにはご理解いただけないですね。だから、何度もお会いするのも大切だし、表現を変えて、違う言い方で伝えるということも大切です。金融機関の職員もお忙しいですから、じっくり真剣に話を聞くわけにはいかないときがあります。「自分が帰った2分後にはもう忘れられているかもしれない」くらいのつもりで行くといいですよ。

―― そもそも、1回の訪問時間は?

富井 それね、そんなに長い時間喋るわけにはいかないから、何か「モノ」をおいてくるしかないんですよ。

―― モノ?

富井 私は「お役立ちレポート」を作って持って行っています。不動産全般についてや、地主さん・借地人さんに有益な情報、遺言・相続関連などについての内容で、自分はこの分野が得意です・先月こんな事例を手がけました、みたいなことをご理解いただけるようなものです。


●富井さんが金融機関訪問時に毎回お持ちする、自作の「お役立ちレポート」。
不動産、相続・遺言関連の情報をはじめ、自分の仕事・解決事例を掲載

□ 1件あたり2~3分の会話

―― 毎月の訪問時の、お土産のようなものですね。

富井 はい、手ぶらで行くわけにもいかないので。

―― 金融機関の反応は?

富井 だいたいは「そうだよね」「なるほど」とおっしゃっていただけます。というのも、私が活動している東京都葛飾区って地主さんが多かったり、借地も多いんですよ。個人の高齢者が多い地域ですし。

東川 この「お役立ちレポート」をお渡しするのは、金融機関だけ?

富井 保険営業さん、他の士業さんとかとも、そういう話し合いをしたりしますね。

―― 金融機関では、これで1件あたり何分ぐらいお話をなさいます?

富井 金融機関には、「置いてくる」くらいですよ。ちょっと話ができれば、2~3分くらいでしょうか。

―― 1件あたり2~3分!

富井 先方にお時間があって「ちょっと話を聞こうか」という姿勢だったり、何か案件があって「話したいことある」といったときは、もちろん5分でも10分でも話すケースはあるけれど、そうじゃないときは「私はこんなこともしています、読んでください」という程度です。

東川 滞在時間は、それぞれの金融機関のスタンスや、そのときの相手の状況にもよると思うよ。ケースバイケースやと思うね。

―― こういう活動を続けるうち、金融機関から仕事のオファーがあるときは、どのような形で?

富井 「こういうことできる?」といった聞かれ方をします。

―― できる業務のときはいいのですが、「自分の業務の範疇外」というときは?

富井 「できる人を紹介します」と。

―― このように金融機関が外部専門家の活用を進めているのは、2016年9月に発表された金融庁のベンチマークの影響だとお考えですか。

富井 そういうことだと思います。金融機関は、そのつもりでいるはずです。だから士業が金融機関を訪問するなら、今ですよ。当然、早いもの勝ちというところもあります。

―― 読者のみなさん、今、大事な言葉が出ました! 「士業が金融機関を訪問するなら、今」であり、「早い者勝ち」です!

富井 だって金融機関にとっては、行政書士であろうが税理士であろうが、誰でもいいんです。自分たちの困りごとを解決してくれる人なら。だから、「できます!」と手を挙げないと。

―― でもそんな依頼を受けるほど仲よくなるまで、どうやって銀行訪問を継続できるかが問題です。

東川 継続といえば、先日ある士業さんから、銀行訪問についてこんな相談を受けたんです…。

(第3回につづきます)

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富井禎文行政書士インタビュー <全5回>
「行政書士×金融機関、仲よくなるコツは?」

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第3回 金融機関訪問を継続させるポイント
第4回 集客はWebじゃなく、リアルで
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富井禎文行政書士インタビュー【1】「行政書士×金融機関、仲よくなるコツは?」

東京都葛飾区に事務所を構える行政書士、富井禎文(とみい・よしふみ)さん(54歳)。
20年以上も勤務した資産家向け相続対策専門コンサルティング会社を辞め、
2013年、50歳のとき、行政書士資格の取得後すぐに独立開業しました。

長年の経験を活かした不動産関連を中心とする業務には、
金融機関との連携が必須だと、独立当初から考えておられたそうです。
そこから「士業と金融機関の連携」を推進するネクストフェイズとご縁が生まれ、
今回のインタビューにつながりました。

実際に金融機関から顧客の紹介を受けている富井さんから、
毎月実践しておられる金融機関への訪問の詳細、リアルな集客方法、
行政書士ならではの事情を踏まえた若手のみなさんへのアドバイスなどをお聞きし、
いつものように5回連載でお届けします。

聞き手はネクストフェイズ編集部ですが、
今回も取材に同席していたネクストフェイズ代表・東川がときどき発言しています。

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富井禎文行政書士インタビュー <全5回>
「行政書士×金融機関、仲よくなるコツは?」

【もくじ】
第1回 銀行訪問は月に1日、9店舗まとめて
第2回 士業との連携を求め始めた金融機関
第3回 金融機関訪問を継続させるポイント
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【第1回】銀行訪問は月に1日、9店舗まとめて

―― 現在の事業の柱と、その割合を教えてください。

富井 ①不動産関連、②遺言・相続、③許認可手続です。割合は、6:3:1、くらいでしょうか。

―― 不動産関連が半分以上…。

富井 20年以上勤めていた、資産家向けの相続対策コンサルティング企業での業務と、ほぼ同じ内容を続けて行っているんですよ。

―― 具体的には?

富井 地主さんの税金や遺産分割、また借り主さんのご相談にのったり、権利関係の整理をしてさしあげたりしています。

―― 行政書士さんとしては珍しいですよね。

富井 はい、勤務時代に宅建資格を取得しておりましたが、独立開業するにあたって、法律の専門家としての資格も必要だと思いまして、それで行政書士資格を取得したんです。

―― やはり取っておいた方が…?

富井 前職のときもそうでしたが、人の財産を扱う仕事なので、「株式会社○○です」と名乗るだけでは、なかなか信用を得にくいんです。まず出会って、名乗って、いろいろ話を重ねて、信頼を得てから、ようやく仕事が始まる…という流れでした。ましてや独立開業してしまうと、会社所属ではなく、個人事業主です。その点、行政書士の資格があれば…。

―― よりスムーズに信用いただけるように。

富井 はい、やりたい仕事が先にあって、そのために資格を取得したというわけです。

―― それが50歳のとき。

富井 そのとおりです。で、勤務時代からよく知っていたんですよ、金融機関には大切な情報が集まるものだと。

―― それで、士業と金融機関の連携を進めている、ネクストフェイズの「融資に強いFP・士業になる方法セミナー」を受講なさったと。

富井 はい、というのも前職時代、私も2000年くらいまでは、金融機関の本部にまで出入りできていたんです。ところがその後、金融機関も個人情報などセキュリティ面が厳しくなり、銀行に行きづらくなっていて…。そこで今の金融機関に対する営業方法を知りたかったんです。

□ 金融機関には、情報が集まっている

―― 受講後、富井さんはあらためて、金融機関への訪問に注力なさっています。

富井 だって金融機関への営業は、やるべきだと、やらないほうがおかしいと(笑)。金融機関には、本当に多くの、しかも私たちが知りたいと思っている情報が集まっているんです。

―― 今までの訪問活動の結果として、いちばんのメリットは?

富井 それはもう、顧客を紹介してもらえたことです。

(ここでネクストフェイズ代表・東川が登場)
東川 それ、いつも僕が言うてることです。士業が金融機関と仲よくなったら、顧客を紹介してもらえると。


●富井「訪問時に喋ったことや、先方の反応などは、すべて記録して、ファイルにまとめています」
東川「それだけ多くの支店を訪問していたら、記録と整理は大事ですよね」

―― でもどうすれば、士業が金融機関と仲よくなって、顧客を紹介してもらえるところまで進めるんだろう? というところが多くの士業さんの疑問です。金融機関への訪問を始めて、どれくらいになりますか。

富井 1年と5ヶ月くらいになるのかな。ネクストフェイズでの受講後、かならず毎月、金融機関を訪問しています。

―― 月に何日くらい?

富井 この活動に充てているのは、月に1日だけですよ。

―― 金融機関の選定は?

富井 自分の事務所は東京都葛飾区なんですが、事務所の近隣にある支店です。

―― 何件くらい?

富井 活動の初期は19店舗。今は9店舗です。

―― 1日に19店舗! 

富井 初期だけですよ。最初は行けるとこ全部行っちゃおうみたいな。歩いて行ける範囲で。

―― でも今は半減したんですね。金融機関側の応対はいかがですか。

富井 明らかな迷惑顔をされたことはありません。

―― 本当に?

富井 …ほとんど(笑)。

―― ほとんど(笑)。

富井 たくさん行けば、どの金融機関が士業との連携に熱心かそうでないか、わかるものです。だからこそ、私は最初こそ19店舗回りましたが、すぐに数を減らすことができたんです。

―― ストレスも減りそうです。

富井 今は、A信金さんはどんなスタンスだとか、何となく様子わかってきたような部分があって、じゃあせっかく近所の支店で関係づくりができているB信金さんについては、一駅先の支店も行ってみる価値あるんじゃないかと考えています。

東川 そういうときは、今仲よくなっている支店長に口利きを頼むといいですよ。「あの支店にも行きたいんやけど、紹介してもらえますか」って。

富井 はい、4月の人事異動が落ち着いたら、そうしようと思っています。 ※取材日は3/31

―― 5月の連休前あたり?

東川 それは遅すぎ。

富井 私の金融機関訪問日は、毎月第2週か第3週です。

東川 そのくらいの時期がエエで。

―― 富井さんが銀行訪問を開始したのが2015年の秋。そこから約1年半、金融機関の変化を感じておられますか。

富井 金融機関は変わってきていますよ。それはやはり…。

(第2回につづきます)

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富井禎文行政書士インタビュー <全5回>
「行政書士×金融機関、仲よくなるコツは?」

【もくじ】
第1回 銀行訪問は月に1日、9店舗まとめて
第2回 士業との連携を求め始めた金融機関
第3回 金融機関訪問を継続させるポイント
第4回 集客はWebじゃなく、リアルで
第5回 行政書士よ、事務所を出よう
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伊藤泰人社会保険労務士インタビュー【5】 「社労士×助成金は最強ですか?」

東京都千代田区と立川市に事務所を構える社会保険労務士、伊藤泰人さん(54歳)。
2010年4月、48歳のとき、大手の損保企業を辞め、
以前から持っていた社労士資格を活かして独立開業しました。
当初から助成金申請代行を看板に掲げ、初年度の売上は1000万円、昨年度はなんと1億円を突破。
もちろん最初はひとりでスタート、1年後にパート1名を雇用し、現在の従業員数は8名になりました。

そんな伊藤さんの、盤石のビジネスモデルについて、
細かくお尋ねする機会に恵まれましたので、5回連載でお届けします。
聞き手はネクストフェイズ編集部ですが、
今回も同席していたネクストフェイズ代表・東川がときどき発言しています。

伊藤泰人さんプロフィールはこちら

【もくじ】
1/助成金を積極的に扱う社労士は約1割?
2/ファックスDM、送るときのコツあれこれ
3/見込み客との面談時、どう語る?
4/助成金は社労士にとって、邪道か?
5/士業なら、「お金」まわりの仕事をしよう
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第5回 士業なら、「お金」まわりの仕事をしよう

編集:ふつう、助成金申請の代行手数料って…。

東川:10%~20%ぐらいですよね。

伊藤:はい、まさにそこなんですよ。最初は私のところもそうでした。でも途中で30%に上げました。上げたほうが、メリットが多いことに気づいたんです。

編集:そのメリットとは。

伊藤:やっぱり高級感なんでしょうね。何かすごくいいんじゃないのって勘違いしてくれる(笑)。

東川:勘違いって(笑)。

伊藤:品物でもそうでしょう? あっちで1万円で売っているものを、「うちでは100万円です」と言われたら、「何かきっと違うのかな、どこが違うのかな」と思ったりして(笑)。

編集:ああ…。

伊藤:一方、お客さまにとってのメリットは、先ほどもお話しした「スピード」ですよね。話したその場ですぐ、どれを取る・取らないが判断できます。そして完全成功報酬なので、お客さまにはリスクがない。弊社の特長は、この2点でしょうか。

編集:なるほど。

伊藤:それこそ顧問契約だったりすると、毎月定額で3万、5万入ってくるんだったら、つい手を抜いて放っておいてもいいや、という気持ちになることがあるかも(笑)しれないけど、私の場合は、しっかり面倒みます。取れるものを全部ご紹介します。申請しないことには私にとってお金にならないから(笑)。でもそれが結局は、お客さんにとってもうれしいことなので。

編集:お客さまの側はノーリスクですし。

伊藤:そうなんですよ、取れなかったら取れないで、お客さんに迷惑がかかるものではありません。申請費用はこっちがかぶるだけですからね。

編集:手数料30%への値上げは、開業してからどれぐらいの時期に。

伊藤:1年半ぐらい経ったころです。

編集:今までは手数料10~20%ぐらいで、ところが翌年、同じ助成金をお願いすると30%だと言われた既存のお客さんの反応は。

伊藤:まったく何もないですね。

編集:そのままスムーズに?

伊藤:はい。もし何か言われたら、じゃあ、うちはもうこれで引きますって言おうと思ったんだけど、何も言われなかったです。ほかに助成金申請代行をする事務所もあるんだろうけど…、他所には流れなかったです。

編集:既存客が離れることはなかった。

伊藤:ないです。私、顧問契約も、1件も落としたことないんですよ。倒産以外は。

編集:すごい!

伊藤:それこそ、助成金の価値だと思うんです。

編集:「助成金の価値」…。

伊藤:そうですね、定期的に助成金のご提案ができる。だから顧問料も上げられるんです。もう、倍にしちゃったりね。

編集:それも「助成金の価値」…。

伊藤:その通りです。助成金の価値。

東川:その伊藤さんの助成金ノウハウを学べる塾があるんですよね。

伊藤:はい、9月募集で、塾は10月からです。

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●伊藤「独立後の一番の変化は、サラリーマン時代よりも報酬が増えたこと。最終的な目標だったんです。
だって格好悪いし悔しいじゃないですか、あいつ辞めたけど収入は前の半分以下らしい、とか言われたりしたら」
東川「今や年商1億円企業の経営者。年収は当時の社長より多かったりして」
伊藤「…(笑)」

□ 「お金」にまつわることを仕事にすれば、士業はお客さんをつかめる

編集:塾はどんな方々が対象ですか? 社労士さんだけ?

伊藤:社労士と税理士です。北海道から沖縄まで、全国から集まってくださるんですよ。

東川:みなさん、喜んでおられるんですよね。

伊藤:4月スタートの生徒さんの多くは、すでに受講料を回収しておられるんじゃないでしょうか。なかにはもう数千万円単位で売り上げている方もいますよ。

編集:それだけセミナーの再現性が高いということなんですね。

東川:ネクストフェイズの融資セミナーもたいへん再現性が高いと、みなさまからたいへんご好評をいただいております(笑)。

伊藤:先ほど「助成金の価値」と申し上げましたが、私の助成金とか、東川さんの融資もそうなんだけれど、士業って「お金」にまつわることを仕事にしないと、なかなかお客さんを獲得できないと思うんです。

東川:ああ、それは実感します。きれいごとだけでは、仕事になりませんね。

伊藤:だから士業で伸びていきたいと思ったら、キーワードは「お金」なんですよ。かつ、緊急なもの。補助金もいいんですが、あまりにもすぐ締切が来て、パッと散っちゃう。その点、助成金は年間、何かありますから。

東川:補助金も経済産業省のHP見とったら来年の募集がわかりますんで、半年ぐらいは準備期間が取れますよ。

伊藤:じゃ補助金と融資のことを尋ねるなら、東川さんに(笑)。

東川:助成金のことなら、伊藤さんに(笑)。

編集:(ホントに仲がいいなあ、このおふたり…)

(おわります)

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●終始リラックスした表情で、お仕事についての細かい内容をざっくばらんに話してくださいました。
ありがとうございました!

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伊藤泰人社会保険労務士インタビュー <全5回>
「社労士×助成金は最強ですか?」

【もくじ】
1/助成金を積極的に扱う社労士は約1割?
2/ファックスDM、送るときのコツあれこれ
3/見込み客との面談時、どう語る?
4/助成金は社労士にとって、邪道か?
5/士業なら、「お金」まわりの仕事をしよう
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【伊藤さんのファックスDMセミナー動画】
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試行錯誤を重ねて洗練させた伊藤さんのファックスDMノウハウを、ギュッと凝縮したセミナー動画です。伊藤さんの実際のファックスDM原稿もお知らせしているので、「助成金で行こう!」という社会保険労務士にぴったりです。また営業が苦手で、「ファックスDMで顧客を獲得できれば…」と考えている士業・コンサルタントにもおすすめ。効果的な文面、苦情回避のポイントなどを、動画で詳しく学べます。

伊藤泰人社会保険労務士インタビュー【4】 「社労士×助成金は最強ですか?」

東京都千代田区と立川市に事務所を構える社会保険労務士、伊藤泰人さん(54歳)。
2010年4月、48歳のとき、大手の損保企業を辞め、
以前から持っていた社労士資格を活かして独立開業しました。
当初から助成金申請代行を看板に掲げ、初年度の売上は1000万円、昨年度はなんと1億円を突破。
もちろん最初はひとりでスタート、1年後にパート1名を雇用し、現在の従業員数は8名になりました。

そんな伊藤さんの、盤石のビジネスモデルについて、
細かくお尋ねする機会に恵まれましたので、5回連載でお届けします。
聞き手はネクストフェイズ編集部ですが、
今回も同席していたネクストフェイズ代表・東川がときどき発言しています。

伊藤泰人さんプロフィールはこちら

【もくじ】
1/助成金を積極的に扱う社労士は約1割?
2/ファックスDM、送るときのコツあれこれ
3/見込み客との面談時、どう語る?
4/助成金は社労士にとって、邪道か?
5/士業なら、「お金」まわりの仕事をしよう
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第4回 助成金は社労士にとって、邪道か?

編集:助成金って、制度がよく変わったりしますよね。その情報収集は?

伊藤:ええ、そこで私の裏技は…。

編集:はい!←前のめり

伊藤:ありません!(笑)

編集:ええ~。(笑)

伊藤:ないんですよ、そんなの、本当に。厚生労働省のサイトは見に行きますが。

編集:ああ、それはそうですよね。

伊藤:というか、あれしかないんですよね。ほかのサイトも見に行ったりするけれど…。

編集:厚労省サイトを見る頻度は。

伊藤:ほぼ毎日ですね。あと、厚生労働省に直接電話をしたりとか。

編集:電話も?

伊藤:はい、しますね。

東川:結構教えてくれますよね。

伊藤:そう、教えてくれるんですよ。

東川:細かいとこまで、びっくりするぐらい。この人、暇なんかなと思うぐらい(笑)応対してくれますよ。

編集:電話していいんですね。厚労省サイトで不明な点があったら。

伊藤:そうですね。末端の役所の人に聞いても、ぜんぜん話にならないこともあって。だから直接、本家本元に尋ねるのが早いです。正確だし。

東川:厚労省の人に聞いてもわからんこと、ようありますけどね(笑)。「私、よう知りまへん」と。とりあえずリリースだけ済ませてもうて、中身はあんまり固まってないというようなの、結構ありますよ。

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●東川「そもそも損保に勤めていて、なぜ社労士の資格を取られたんですか」
伊藤「資格オタクだったんです。宅建もCFPも取りましたし、銀行検定も」
東川「えーっ、銀行検定の何をお取りになったんですか」←元・銀行員、うれしそう
(その後しばし銀行検定の話に花が咲くが、編集はついていけず…)

□ ファックスDM×助成金の、強さ

編集:おふたりはとても仲よさそうなんですが、出会いのきっかけは?

伊藤:あれは…。そうだ、私、独立後1年で年商が1000万を超えて、これからも伸びるぞ~っと思っていたんですが、(手を下に下げて)落ちて行ってたころです。

編集:伊藤さんにもそんな時代が。

伊藤:というのは、助成金をやめたんですよ。やめる宣言したんです。脱・助成金って。なんでかというと、やっぱり助成金って邪道だろうと。いくら売上1000万超えたって、「何だ、おまえ、助成金で1000万超えて、何偉そうなこと言ってんだ」って、言われたことないけど、言われるかなっていう(笑)。やっぱり社労士は顧問契約だろうと思って、もう助成金はなるべくやめようとしたら、もう全然うまくいかなくて。で、その年の12月だったかな、東川さんのセミナーに行って、1年間のコンサル契約を結んだんですよ。

東川:はい、そうでした。

伊藤:そのときに東川さんに言われたんです。「伊藤さん、伊藤さんのファックスDM×助成金の知識って、ものすごく貴重で、ハイレベルなんですよ」って。で、すぐに東京と大阪でファックスDMのセミナーをやりました。そこで、「自分が今までやってたことが売れるんだ、商品になるんだ」ということに気がついたんですね。考えもしなかったんです、そのころは。

東川:僕らは第三者やから、このノウハウすごい!ってすぐわかるんやけど、ご本人は普通にルーティンやっているだけやもんね。

伊藤:たしかに、ものすごい数のファックスDMやっていますから、ノウハウは持っていました。でも、そのノウハウを売る、という発想はなかったです。

東川:僕は多くの人に知ってほしいノウハウだとすぐ思ったんです。

編集:そして、ファックスDM単体だけでなく、それと組み合わせた助成金がこんなに強いんだという。

伊藤:そうですね、だからもう一回、助成金に回帰しました。で、助成金に特化した。ホームページも助成金にした。それまでは総合的というか、何でもありみたいな、就業規則も労就トラブルもやりますよっていうタイプのサイトでした。

東京助成金相談センター
●伊藤さんの「株式会社東京中央人事 東京助成金相談センター」サイトは、助成金に強いことが一目でわかる特化型。
「Web検索から顧客が来ることもあります。銀座や六本木からも。逆にこっちが驚いたりして(笑)」(伊藤)

東川:そこからグッと伸びましたものね。

伊藤:売上がガンガン増えていって。

編集:やっぱり社労士×助成金なんだ…。

伊藤:社労士で、「開業からすぐ成長したけれど助成金はやっていない」というのは、まず私は聞いたことがないです。たとえば「私、顧問契約でしかやりません」という社労士もいるでしょうけれど、「その顧問契約、どうやって取るの」ですから、独立して急成長というケースはあまりないでしょうね。よっぽど何か特殊なチャンネルにコネがあるとかでなければ。

編集:あっ、それでちょっとお尋ねしたいことが、でもお尋ねしにくいことが(笑)。

伊藤:はい、なんでしょう(笑)。

編集:伊藤さんの事務所って、代行手数料が、他所さんよりちょっと…あの…。

伊藤:はい、まさにそこなんですよ!

編集:???

(第5回につづきます)

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伊藤泰人社会保険労務士インタビュー <全5回>
「社労士×助成金は最強ですか?」

【もくじ】
1/助成金を積極的に扱う社労士は約1割?
2/ファックスDM、送るときのコツあれこれ
3/見込み客との面談時、どう語る?
4/助成金は社労士にとって、邪道か?
5/士業なら、「お金」まわりの仕事をしよう
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【伊藤さんのファックスDMセミナー動画】
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試行錯誤を重ねて洗練させた伊藤さんのファックスDMノウハウを、ギュッと凝縮したセミナー動画です。伊藤さんの実際のファックスDM原稿もお知らせしているので、「助成金で行こう!」という社会保険労務士にぴったりです。また営業が苦手で、「ファックスDMで顧客を獲得できれば…」と考えている士業・コンサルタントにもおすすめ。効果的な文面、苦情回避のポイントなどを、動画で詳しく学べます。

伊藤泰人社会保険労務士インタビュー【3】 「社労士×助成金は最強ですか?」

東京都千代田区と立川市に事務所を構える社会保険労務士、伊藤泰人さん(54歳)。
2010年4月、48歳のとき、大手の損保企業を辞め、
以前から持っていた社労士資格を活かして独立開業しました。
当初から助成金申請代行を看板に掲げ、初年度の売上は1000万円、昨年度はなんと1億円を突破。
もちろん最初はひとりでスタート、1年後にパート1名を雇用し、現在の従業員数は8名になりました。

そんな伊藤さんの、盤石のビジネスモデルについて、
細かくお尋ねする機会に恵まれましたので、5回連載でお届けします。
聞き手はネクストフェイズ編集部ですが、
今回も同席していたネクストフェイズ代表・東川がときどき発言しています。

伊藤泰人さんプロフィールはこちら

【もくじ】
1/助成金を積極的に扱う社労士は約1割?
2/ファックスDM、送るときのコツあれこれ
3/見込み客との面談時、どう語る?
4/助成金は社労士にとって、邪道か?
5/士業なら、「お金」まわりの仕事をしよう
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第3回 見込み客との面談時、どう語る?

伊藤:一般的によく行われているのは、ヒアリングシートというかアンケートみたいなのに答えてもらって、「じゃあ、こんなのがいいんじゃないですか」という提案ですよね。でも僕の場合って、助成金の設計書というか、提案書というか、そういうのは出さないんです。1回訪問して、話を聞きながら、「じゃ、コレとコレとコレ、3つの助成金を申請できますね、もらえる助成金の合計は○万円です」って金額も言います。

編集:金額もその場で?

伊藤:うん。それで、今こういう形で進めれば助成金取れますよという話をしています。だから細かい、その会社用の設計書みたいなのを作って、行ったり来たりということはしない。もう、一発なんです、僕の場合は。初対面で、そこでもう契約して、じゃあどう進めます?みたいな。

編集:進め方とは?

伊藤:この助成金から先行していきましょうかとか、2つの助成金を並行して取りにいきましょうとか、です。平均単価は、僕のもらう手数料がだいたい50万ぐらいですね、1回行くと。

編集:伊藤さんは経験豊富なので、お話聞きながらパッと全体が見えるんですね。じゃ、経験が浅い社労士さんは…。

伊藤:そのときはね、1つに絞るといいですよ。もう、ほかの助成金の話をしない、1つだけです。

編集:助成金1つだけ?

伊藤:そう。あれもこれも提案しようとするから、頭がパンクしちゃう。1つだけでいいんですよ。

編集:じゃあ、経験が浅くても1つだけに絞れば…。

伊藤:そう、大丈夫ですよ。

編集:で、その場で決める。

伊藤:その場で、です。経験の浅いうちは、ひとつの助成金に絞ったほうが取りやすいです。だから、やっぱり、何でも絞り込みなんです、最終的には。それにね、数をこなすと、だんだんトークの精度も上がってきますよ。

編集:どこまで説明するかも、受注のカギになりますよね。

伊藤:そう。シンプルに説明すると「簡単そうだから自分で申請する」と言われたり、説明しすぎて「ややこしそうだからやめる」と言われたり、どっちもあるんです。僕も最初のころって、さっきも言ったように、一から十まできっちり説明した。説明しすぎて「そんな面倒くさいんだったら、もういいや」ってなっちゃったり、「そこまで聞いたら、もう自分でできるよ」って言われちゃうケースもありました。

編集:そのお客さんによりますし。

東川:そのお客さんとの距離感もある。

編集:このお客さんには、どっちのトークでいこうというのは…。

伊藤:そのときの勘みたいなものですね、今はもう慣れてきました。でも失敗がないと、なかなかわからないものですよ。

東川:失敗の量が成功の量に比例しますからね。

伊藤:今はもう、「このお客さん、自分で申請しようと考えているなあ」と感じたら、10分か15分ぐらいで帰るときもあります。次の見込み客に行くほうが効率いいですから。でも、当たり障りのないように、変な印象を持たれないように、そこはじゅうぶん注意と配慮が必要な点ですね。

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●伊藤「48歳で独立したとき、妻が猛反対しましてね。安定した収入がなくなるし」
東川「前に勤めていた損保って、給与どれくらいだったんですか」
伊藤「だいたい損保だと、30代で年収1000万円超えます。私、1500万円くらいでした」
東川「それね、猛反対されて当然ですわ(笑)」

□ これは効く!営業トーク

編集:では、リピーター客へのアプローチは?

伊藤:私、マイナンバーの話なんかで社長に電話しません。もう、私が電話した瞬間に、テーマは助成金なんです。電話するときは、「社長います?」って尋ねて、社長も私から電話が来た瞬間に「何かの助成金の提案かな」とわかるんですよね。

編集:そこでのトークは。

伊藤:リピーターに限らず、私が最近よく社長にお尋ねするのは、「御社の利益率は何%ですか」ですね。で、20や30%もある会社ならいいのですが、それほど利益率のいい会社って、そうそう今、ないですよ。で、社長は、あんまり即答することはないんだけれど、「数パーセント程度かなあ」などとおっしゃる。

編集:はい。

伊藤:そこで、「仮に御社の利益率が2%だとしたら、いまご提案している60万円の助成金、これ、3000万を売上げたときの利益ですよ」と言うんです。ね、3000万×2%=60万だから。

編集:そうですね。

伊藤:「私は今、社長の会社の3000万円の商品を買いたいと言ってます。ここで社長、断ります?」と。

編集:ああ…。

伊藤:私のお客さまには、年間200万、300万と、毎年助成金を取っている人がいます。そうなると私は、その会社さんに対して、億単位の受注を紹介しているようなものなんです。

編集:となると…。

伊藤:いちどご縁のあったお客さまが、そうそう離れることはありません。

編集:おお…。でも助成金って、先ほどもおっしゃっていた通り、制度がよく変わったりしますよね。どうやって新しい情報を得ていますか?

伊藤:ええ、そこで私の裏技は…。

(第4回につづきます)

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伊藤泰人社会保険労務士インタビュー <全5回>
「社労士×助成金は最強ですか?」

【もくじ】
1/助成金を積極的に扱う社労士は約1割?
2/ファックスDM、送るときのコツあれこれ
3/見込み客との面談時、どう語る?
4/助成金は社労士にとって、邪道か?
5/士業なら、「お金」まわりの仕事をしよう
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【伊藤さんのファックスDMセミナー動画】
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試行錯誤を重ねて洗練させた伊藤さんのファックスDMノウハウを、ギュッと凝縮したセミナー動画です。伊藤さんの実際のファックスDM原稿もお知らせしているので、「助成金で行こう!」という社会保険労務士にぴったりです。また営業が苦手で、「ファックスDMで顧客を獲得できれば…」と考えている士業・コンサルタントにもおすすめ。効果的な文面、苦情回避のポイントなどを、動画で詳しく学べます。

伊藤泰人社会保険労務士インタビュー【2】 「社労士×助成金は最強ですか?」

東京都千代田区と立川市に事務所を構える社会保険労務士、伊藤泰人さん(54歳)。
2010年4月、48歳のとき、大手の損保企業を辞め、
以前から持っていた社労士資格を活かして独立開業しました。
当初から助成金申請代行を看板に掲げ、初年度の売上は1000万円、昨年度はなんと1億円を突破。
もちろん最初はひとりでスタート、1年後にパート1名を雇用し、現在の従業員数は8名になりました。

そんな伊藤さんの、盤石のビジネスモデルについて、
細かくお尋ねする機会に恵まれましたので、5回連載でお届けします。
聞き手はネクストフェイズ編集部ですが、
今回も同席していたネクストフェイズ代表・東川がときどき発言しています。

伊藤泰人さんプロフィールはこちら

【もくじ】
1/助成金を積極的に扱う社労士は約1割?
2/ファックスDM、送るときのコツあれこれ
3/見込み客との面談時、どう語る?
4/助成金は社労士にとって、邪道か?
5/士業なら、「お金」まわりの仕事をしよう
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第2回 ファックスDM、送るときのコツあれこれ

編集:伊藤さんのファックスDMの上手な使い方、ちょっと教えてもらえませんか。

伊藤:最初のうちは、どうしたら一番反応率がいいかとか、どういった業種を狙えばいいとか、いろんなことを試行錯誤しながらやってましたね。

編集:資料請求してもらう数を増やすポイントとは。

伊藤:やっぱり、絞り込みでしょうね。

編集:絞り込み?

伊藤:地域とか業種とか。で、その相手に合った文面を書くということ。

編集:みんなに広く、というような文面では…。

伊藤:どうしてもみんなそうしたがるのですが、それだとやっぱり引っかからないですね。

編集:何かにとがらせる…。

伊藤:そうですね。「とがらせる」

編集:また、ファックスDMといえば、苦情が心配です。伊藤さんは以前、苦情回避のためには「複数枚を送らないこと」とおっしゃっていたような。

伊藤:1枚だと情報量が少ないので、2枚送りたいのはわかる。でも1枚半が情報で、2ページ目の半分が申込書みたいなファックスDM、うちにも来ますが、苦情が多いだろうなと思いますね。

東川:僕が覚えているのは、「ファックスDMが不要な場合は、要らんって書いてファックス送り返しください」って書いておくとか。

伊藤:それもありますね。あと、黒地×白抜き文字はしないとか。

編集:インクとかトナーの問題?

伊藤:そうそう、使うから。

東川:関西の人間、とくにうるさいです。インク減るやないか、トナー減るやないかって(笑)。

伊藤:一方、僕は必ず電話番号を書きます

編集:電話番号を?

伊藤:ええ、電話番号を書くと、最初は「こんなの送るな」って苦情の電話が入ってきていたんだけれど、今はどっちかというと「助成金もいいんだけど、顧問契約結べますか」とかいう電話もあって。

編集:そうなんですか。

伊藤:「こういう有益な情報を流してくれる事務所とつき合いたい」ということのようです。だから、ファックスDMに電話番号を書くと、苦情よりプラスになることのほうが多いんですよ。

東川:結局、ガリガリ営業するより、情報発信に力点をおいたほうがエエんでしょうね。

伊藤:その通りです。

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●伊藤「新規客獲得は、助成金×ファックスDMが、最適な組み合わせですよ」
東川「ファックスDMは、低コストという点もありがたいですし」
伊藤「そうです、低コスト。業者も増えてきているので、予算などに応じて選びやすい時代ですね」

□ 最初のお客さんもファックスDMで

編集:独立後、初めてのお客様もファックスDMで獲得なさったんですよね。

伊藤:はい、5000社にファックスDMをして、当時、反応率が0.2%だったのかな、とすれば10社ほどから反応があって。

編集:そこで会社を訪問して、受注したのは…。

伊藤:開業から2週間後ぐらいでした。開業して2週間後にファックスDMを送って、訪問して、じゃあお願いしますって言われて。でもね、取れたのは1社だけ。

編集:ほかはダメだった?

伊藤:私も助成金のことよくわかっていませんから、なんというか、説明しすぎちゃったというか。用紙だか何だかに書いてある必要書類を、専門用語もきっちり読み上げたんですよね。それらが何の書類か自分はわからないけれど、きっと向こうはわかるだろうと思ってたんです。そしたら相手もわからないということで、「何だそれは?」と聞かれましてね。いやいや、自分も知らないですよ、助成金申請なんてやったことないから。で、「そんなんだったら、もういいよ」と(笑)。

編集:もし今だったら。

伊藤:確実に受注できているケースなんですけど、最初のころは助成金のこと、売ってる自分だってわかっていなくて(笑)。

編集:じゃ、ファックスDMからセミナー、または資料請求が来るなどして、いざ実際の見込み客を目の前にすることができたら、その現場でどうトークを展開すればいいでしょう?

伊藤:現在の私の営業トークは…。

(第3回につづきます)

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伊藤泰人社会保険労務士インタビュー <全5回>
「社労士×助成金は最強ですか?」

【もくじ】
1/助成金を積極的に扱う社労士は約1割?
2/ファックスDM、送るときのコツあれこれ
3/見込み客との面談時、どう語る?
4/助成金は社労士にとって、邪道か?
5/士業なら、「お金」まわりの仕事をしよう
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【伊藤さんのファックスDMセミナー動画】
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試行錯誤を重ねて洗練させた伊藤さんのファックスDMノウハウを、ギュッと凝縮したセミナー動画です。伊藤さんの実際のファックスDM原稿もお知らせしているので、「助成金で行こう!」という社会保険労務士にぴったりです。また営業が苦手で、「ファックスDMで顧客を獲得できれば…」と考えている士業・コンサルタントにもおすすめ。効果的な文面、苦情回避のポイントなどを、動画で詳しく学べます。

伊藤泰人社会保険労務士インタビュー【1】 「社労士×助成金は最強ですか?」

東京都千代田区と立川市に事務所を構える社会保険労務士、伊藤泰人さん(54歳)。
2010年4月、48歳のとき、大手の損保企業を辞め、
以前から持っていた社労士資格を活かして独立開業しました。
当初から助成金申請代行を看板に掲げ、初年度の売上は1000万円、昨年度はなんと1億円を突破。
もちろん最初はひとりでスタート、1年後にパート1名を雇用し、現在の従業員数は8名になりました。

そんな伊藤さんの、盤石のビジネスモデルについて、
細かくお尋ねする機会に恵まれましたので、5回連載でお届けします。
聞き手はネクストフェイズ編集部ですが、
今回も同席していたネクストフェイズ代表・東川がときどき発言しています。

伊藤泰人さんプロフィールはこちら

【もくじ】
1/助成金を積極的に扱う社労士は約1割?
2/ファックスDM、送るときのコツあれこれ
3/見込み客との面談時、どう語る?
4/助成金は社労士にとって、邪道か?
5/士業なら、「お金」まわりの仕事をしよう
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第1回 助成金を積極的に扱う社労士は約1割?

編集:開業当初から助成金で行こうとお考えでしたか。

伊藤:いえ、最初は退職金でやろうと思ったんですよ。前の勤務先が損保だったんですが、そこで企業型確定拠出年金を担当していましたから。でも当時、すでに開業している社労士から「退職金? 今からじゃ…」と言われ、おすすめを尋ねたら「助成金だ」と。開業するその4月になって初めてそう知り、何もわからないままネットで助成金の情報収集を始めました。

編集:…ということは…。

伊藤:はい、全然勉強していないですよ、それまでは。退職金のことしか勉強していなかったから。でも私は周りから言われるとそうかなと思って、さっと変えるんですよ。いいなと思ったら、まず試してみる。

編集:それが、当たったんですね(笑)。

伊藤:当たったんですね、それが(笑)。

編集:ビジネスモデルとしては…。

伊藤:開業当時はね、見込み客にファックスDMを送って、助成金セミナーへ来てもらいます。そこでアンケートを取り、個別相談希望者をこちらからご訪問するというかたちです。

編集:セミナー? 助成金申請の経験もなく?

伊藤:ええ、4月開業で、すぐその翌月の5月にはセミナーをやっていました。1件も申請なんかしたことがないんですよ。「もっと勉強してからでなきゃセミナーできない」とか言う人がいるんだけど、そんなこと言ったら助成金なんかなくなっちゃいますよ。私なんか助成金のことも、社会保険労務士の仕事も知らないで、申請もしたことなくて、いきなりセミナーやったんですよ。

編集:いきなり(笑)。

伊藤:初めてです、もう全然わからないですよ。もう、ハッタリですよね(笑)。

編集:書いておきます、ハッタリって(笑)。

伊藤:自信を持って、あたかも、たくさん申請代行した経験があるような顔をしながらセミナーしていました。そのとき一番つらかったのが「いつから申請代行やっているんですか」という質問。でも、幸い聞かれなかった、そのときは。

(ここで東川登場)

東川:「社労士の資格は10年前に取りました」と、言ったらいいんじゃないですか(笑)。それは本当のことですし。

伊藤:それも言わなかったなあ。つっこまれると嫌だから、何も言わなかったですね。

編集:ところでファックスDMから、セミナーに来られる方の率は。

伊藤:0.2~0.3%ぐらい。

東川:1000件で3件ですな。

編集:では、セミナーに生で来られた方が個別相談を希望する率は?

伊藤:開業当時は3割ぐらいかな。今はもっと上がっています。コツがあるんですよ。だから当時は3割、今は5割を超えますね。多いと7割とか。

編集:そこから助成金の申請代行に至る率は。

伊藤:半分より多いくらいかな。自分で申請したい人は、やっぱりいるので。

編集:かなり確度が高いですね。

伊藤:当初はファックスDMからセミナー誘導でしたが、今は資料請求に誘導しています。そこからご訪問して申請代行へ、という流れです。今はもう忙しくて、セミナーを毎月というわけにはいきませんので。

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●伊藤「会社を辞めると、本当に貯金が減っていくんですよね。独立当初は自転車で活動していました。
交通費はこんなにかかるのかと、開業してみんな思うんじゃないかな。
無料セミナーがあるから参加したいと思っても、往復だけで1000円超えるじゃないかとかね(笑)」
東川「でも今は時間の方が貴重でしょ?(笑)」

□ 社労士に勉強好きな人は多いけれど

編集:助成金で成功した伊藤さんとしては、社労士さんは助成金をぜひ手がけておきたい?

伊藤:手がけておいたほうがいいんだけど、やっているのは1割ぐらいしかいないという…。

編集:1割! 9割の社労士は手がけていない?

伊藤:だって面倒くさいですからね。内容は変わるし、いつ中止になるかわからないし、もう面倒くさいから、毎年同じ手続きをやっているほうが楽ですよ。

東川:費用対効果を考えたら、助成金の方がいいんですけれどね。だって助成金申請代行1件分の売上を確保しようと思ったら、給与計算を何件せんとアカンのかとか考えると。それに、顧問先を持ったら安心とはよく言われるけれど、価格競争に巻き込まれる恐怖とも戦わなアカンし、実際いざお客さん失ったらどうすんねん、ですわ。

編集:それでも社労士の1割ほどしか…。

伊藤:だからチャンスがあったの。6年前に私が助成金始めたとき、周りではほとんど誰もやってなかった。これが、たとえば社労士の7割ぐらいが助成金を手がけていたら、参入する余地がないですよね。

東川:面倒なことをせんと、ある程度の売上は確保でけへんねんけどね。

伊藤:でも、勉強は好きなんですよ、社労士って。だからたいていみなさん、「特定社会保険労務士」の資格も持っておられますよね。

編集:多いですよね。

伊藤:社労士は勉強するの好きなんです。でも私は受けていません。紛争になったら弁護士に任せます(笑)。

編集:勉強は好きでも、営業が苦手な社労士さんは少なくありません。営業手法として、伊藤さんはファックスDMを大いに活用なさっていますよね。

伊藤:ええ、開業すぐから。

編集:そのファックスDMの上手な使い方、ちょっと教えてもらえませんか。

伊藤:はい、それはね…。

(第2回につづきます)

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伊藤泰人社会保険労務士インタビュー <全5回>
「社労士×助成金は最強ですか?」

【もくじ】
1/助成金を積極的に扱う社労士は約1割?
2/ファックスDM、送るときのコツあれこれ
3/見込み客との面談時、どう語る?
4/助成金は社労士にとって、邪道か?
5/士業なら、「お金」まわりの仕事をしよう
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